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人事の明日を占う②今年、人事担当者はもっと「使命感を持つ」べきである。

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:政府も企業も合言葉は「様子見」だ。これが人的資源管理はもとより、日本全体を悪くしている。社会の、そして世界が日本に、日本企業に何を求めているか、それがわかってないからだ。政府も企業も「使命感」を持て。トップ画はhttps://x.gd/5VyFX

後手後手の人事に明日はない

昨日紹介したThe Future of Human Resource Managementには、名句が並んでいるのですが、その中で僕が最も感銘を受けた一つがこれです。

人的資源管理はリアクティブでなくて、プロアクティブでなくてはならない。

プロアクティブ?ニキビの塗り薬か?

いいえ、プロアクティブ(proactive)とは聞き慣れないですが、先手先手で行動することです。


ニキビを攻めの姿勢でやっつけるという意味では、あってる。https://x.gd/CG5L5

リアクティブ(reactive)が、反応する、何かが起こってから対応する、つまり後手後手に回るという意味ですから、その反対と考えて頂ければよいかと思います。

人的資源管理がなぜ、世間の反応や、他社の出方を見て、おっとり刀で、改革の真似事ばかりしているのでしょう。

それは、ひとえに「使命感がない」からです。

石破内閣に期待できない理由

石破さんは先の就任演説でこう言いました。

「えーっ、日本といたしましては、『不確実性の時代』に対応しなくてはいけないと考えておりましてぇ・・・」。

こりゃダメだ、と思ったのです。

この姿勢って、完全にリアクティブで、プロアクティブではないですよね。

まさにリアクティブ=風見鶏、だね。https://x.gd/mZhnt

前掲書は、「プロアクティブでない施策は、高いコストを支払わねばならない」とクギをさします。

石破さんの後手後手の改革が、日本経済にコストを負わせ、今年も物価高はひどくなるでしょう。

なぜ企業はカスハラ対策をやらない

そう、企業の人的資源管理も、国の運営も、後手後手に回るのではなく、先手を打って積極的にやらなければ、コストがかさむだけなのです。

ではなぜ、こうも日本はリアクティブなのか。

政府も、企業も、合言葉は「他国の出方を見て、他社の反応を見て」、です。

「我々はこう考えるから、こうやる」というのがまったくないのは、信念がないからにほかなりません。

それは突き詰めれば、「使命感がない」からです。

石破さんは「世界が日本に求めているのは、平和のための模範行動を示すことだから、核兵器禁止条約に署名すべきだ」なんて考えてないんです。

企業の人的資源管理が後手後手なのは、「何が何でも従業員の幸せが一番だ」という社員を守る、という使命感がないんです。

だから、カスハラ(カスタマーハラスメント=客の理不尽な暴言、暴力)対策も「様子見」を決め込んでるのです。

「我が社がやらなきゃ誰がやる!」っていう気概がないんです。

https://x.gd/B2o4W

人事部員は勇気をもって「目立て!」

使命感がない、というのは、現代においていかに企業の社会への参画が求められているか、という重大極まるマクロ環境を理解してないことでもあります。

さあ、人事担当のみなさん、石破さんの轍を踏む前に、今年は先手をうって、人的資源管理改革に乗り出しましょう。

社会がいま、企業の人事に求めていることは、「よい働きをした社員には、賃上げで報いる」ということです。

それが細かすぎる官僚的な規則で、阻止されています。

「社長ボーナス」でいいじゃないですか。

自分だけ目立っちゃいけない、いじめられる、そういう「出る杭は打たれる」ことをいやがる性根が、企業の「様子見」の文化を育てているのかもしれませんね。

使命感がないのは、「勇気がない」からかもしれません。

そういう意味で、今年、日本をよくするのは人事担当のあなたの「勇気」なのではないでしょうか。

https://x.gd/vzyv5

野呂 一郎
清和大学教授

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