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ゆるホワイト企業はやめるべきか?

この記事を読んであなたが得られるかも知れない利益:いわゆるホワイトだけれど、ぬるくてやわくて成長ができない”ゆるホワイト企業”から、若者が脱出中だという。ゆるホワ企業をやめて転職するのは正解なのか、考える。

気持ちはわかるが

できるキミは、会社に入って半年くらいで気づくだろう。

周りの昇進の遅さに。

そして実力のある社員が実力相応のポストをもらえてないことに。

そうさ、年功序列の終身雇用制だからさ。

欧米のように実力次第でどんどん出世の階段を上がっていき、40代でCEOっていうわけにはいかない。

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なぜならば、日本の組織は年功序列じゃなくても、社会が年功序列だからだ。

例えば入社したばかりのキミが、実力を買われて社長になっても、世の中が認めないんだって。

「こんな若造が社長の会社なんて、つきあえるかっ!」ってなるんだよ。

だから、成果主義(実力主義)を掲げている企業も、年功序列的な要素を相当残しているのさ。

人事制度は運用次第

例えばうちは成果主義です、って言っている会社でも、係長から課長に昇進するのに、3年は待たなきゃならない。

これを人事では”滞留年数”と言っている。

「どんなに優秀でも、次のポジションに行くには、3年は待てよ、そうしないと社内の”年齢秩序”が乱れちゃうからな」、ということなのだ。

しかし以前は5年だったを3年にしたから、「これって実力主義だぞ」ってわけなのだ。

最近は特例もある。

超優秀な人物はその限りではない、という例外事項をもうけているところもある。さしずめサントリーの新浪社長なんか、そういう特例で登りつめたんだろう。

だから、ゆるホワ企業っていうけれど、ほとんどの企業がゆるホわなんだって。

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それと、キミが考えなきゃならないのは、世の中の変化だって。

今、できる会社、社員ほど、含めハラスメントをなんとかして避けたい意識を過剰に持っている。

キミのような若手を預かる上司は、なおさらだよ。

「パワハラだ」って言われたら、それが嘘であったって、即マイナス評価につながるからだ。

キミ達をはれもののように扱っているから、キミは「ゆるホワだっ!」ってなっちゃうんだって。

キミは何がやりたい

わかるよ、キミの意見が通らないとか、会社は上司はやる気ないとか、もっとチャレンジングな仕事をさせてくれ、とか。

しかし、その前にキミがこの会社で何をやりたいか、もう一度考える必要はある。

社長になりたいのか、何かの専門家になりたいのか、もっと給料がほしいのか?

そもそも、やりがいのある仕事ってなんだよ?

新規プロジェクト?

でも、年功序列が染み付いている企業では、例えば若手がリーダーシップを取って、おじさんおばさんたちを動かして、成果を上げるなんて無理なんだって。

なぜならば、仕事って人を動かすこと、だろう?

年功序列の社会では、キミがいくら有能でも周りの年寄りは動かないぜ。

若さを補って余りある実力と魅力がなければ、キミがリーダーでもついてこない。

場合によっては意地悪されたり、足を引っ張られたりしちゃうよ。

やりがいのある仕事って、そうだな、例えば営業部で歩合制を採用してもらって、キミがトップセールスマンになるってのもあるかもしれない。

でも、キミは思い知るだろう。

売上トップになるために、どのくらい周りがサポートしてくれることが必要か、ってことを。

日本の企業は、そもそもスターを作らないようにできている。

協力がないと、チームワークがないと、成績も売上も上がらないのだ。

そもそも、売上は個人の達成じゃなくて、チームの成果、っていう考えなんだ。

もしキミの言うチャレンジングな仕事っていうのが、個人の力を発揮させて、周りからほめそやされる存在になる、って言うなら、それは日本の組織とは違うんだ。

生涯賃金は計算したか

キミはカネより生きがいを選んだ。

でも、それは間違いだ。

生きがいっていうのは、仕事のやりがいのことで、仕事を成功させないければ、生きがいは生まれない。

仕事を成功させるとは、自分以外の人を動かすことだ。

他人を動かさずに、成功する仕事なんて、大した仕事ではない。

そうすると、他人を動かすためには、まずカネ勘定ができなくてはならない。

人はまずカネで動くからだ。

だから、キミがゆるホワをやめて、転職する時に、生涯賃金のことを考えないようでは、人は動かせないってことなのだ。

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通常、転職すると年功序列制度の中では、生涯賃金は損をすることになる。

勤続給に傷がつくからだ。年金も同じ企業で長く働いたほうが、有利だ。

結論:組織に期待するな

僕に言わせれば、「やりがいのある仕事ができないから、やめる」っていう時点でダメなのだ。

ゆるホワだろうが、なんだろうが、結局仕事の与えられ方が気に入らないからやめるっていうのは、そもそも組織というものがわかってないんだって。

やりがいのある仕事なんて、昨日も言ったけど、ないんだって。

だって、組織は組織の都合で動いていて、キミの都合では動いてないからだ。

転職したって、同じことだって。

また嫌な仕事、チャレンジングじゃない仕事を与えられるって。

でも、キミのその純粋さは買えるし、それを活かすことが社会のためだ。

だからこそ、入社10年後に専門家として独立して個性を、キミらしさを発揮できるキャリアプランを作ろうよ、と、きのう提案したのさ。

会社は、イヤなところだ。やりたいことなんてできないところだ。

でも、それを反面教師にして、メモして溜めておいて、研究者とか大学教授とか、専門家になってそれを体系化して、企業を世の中を指導する職業につくんだよ。

企業に期待しちゃダメだって。

でも、やめるんならば給料や生涯賃金、福利厚生など、様々なベネフィットの計算をしなきゃダメだよ。

もちろん入ってみないとわからないことはたくさんあるけれど、入社の際に確認すべきだ。

そして、最後に言いたいのは、「ゆるホワ」だから、キミが成長できないってことはない、ってことだよ。

結局仕事っていうのは、人を動かすことだって。それはどこの会社にいても、学ぶことができる。キミの熱意と観察力次第だ。

そして、仕事というのは、昨日図解したように、

1.新しい価値を創ること
2.それをどう見せるか(結局マーケティングのこと)
3.モチベーション(仕事に関わる人をどう動かすか)
ってことだから、ゆるホワで反面教師に囲まれて、じっくりゆっくり考えればいいんじゃないか。

それが思い付けば起業もできるだろうし、それをまとめて商材として売りゃ儲かる。大学教授だってなれるさ。

くれぐれも企業には期待しないこと、だ。

野呂 一郎
清和大学教授

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