プロレス&マーケティング第4戦 テーマソングで上がった安良岡 裕二の価値。
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:マーケティングにおける製品アイデンティティの重要さ。プロレス・テーマソングとマーケティング。プロレス史上最強のテーマソングは実はプロレスにあらず。トップ画はhttps://qr.quel.jp/pv.php?b=40VQRfC
悲劇のレスラー安良岡 裕二
きのう音楽&プロレスの話をしたので、今日も調子に乗って続けます。
アイデンティティ(identity)という言葉があります。僕の解釈では、アイデンティティとは自分の分身、です。
自分を何かに例えると○○だ、ということですね。
あなたという人を、何かが見事に言い当てた時、あなたはブレイクします。
それがメロディ、音楽だったら、その効果は半端ないですよね。
それを証明したのが、いわゆるプロレスラーのテーマ曲ですよね。
ポイントはそのレスラーの個性とその楽曲がマッチしていて、スイングしているか、ということです。
スイングというのはもともとはジャズの言葉ですが、プロレスに転用されて「うまく噛み合って、相乗効果を発揮する」という意味です。
例えば、「やっぱり永田とミルコはスィングしなかったな」、という具合です。
で、プロレスファンの皆さんはそう言うと、まずは仮面貴族ミル・マスカラスのテーマ「スカイハイ」を思い浮かべるでしょう。
アントニオ猪木「炎のファイター」、もしくは長州力「パワーホール」なのかもしれません。
しかし、あえて僕はそれは違う、と言いたいのです。
じゃあ、誰の何なんだといいますと、
安良岡 裕二(やすらおか ゆうじ)の「冒険野郎マクガイバー」です。
↑(Ctrlキーを押しながらクリック)
安良岡選手が、このテーマに乗って入ってくる入場シーンがあればよかったんですが、ないので次の画で我慢して下さい。
↑(Ctrlキーを押しながらクリック)試合開始2分39秒のとこで、彼の伝説技「三角跳びトペ」が出てきますよ。
個人的な好みにすぎませんが、この入場テーマは、「安良岡 裕二独特の疾走感」に見事にフィットしていると思うんですよ。
金本浩二にシュート(相手を潰すファイト)をけしかけられ大怪我をして、引退に追い込まれたのは残念でしたが、テーマ曲のよさで彼の存在感は10倍くらいになってた、そう思います。
本当のプロレス入場テーマとは
プロレスラーのアイデンティティが、入場テーマにどの程度反映されているか。これがレスラーのブランドに直結します。
しかし、ここで読者のあなたの反論がまた聞こえてきました。
「フンッ、アイデンティティ云々とか言ったって、そのレスラーのイメージとメロディがなんとなくいい感じ、くらいのことだろ。それにレスラーのアイデンティティに合わせた楽曲を作ってるわけじゃなく、適当な洋楽をあてがってるだけだろ。オリジナルの楽曲だけじゃなく、詞もつけろや」。
たしかに。
僕は、でもこれこそ本当のプロレステーマ曲だっていうのを知ってますよ。
これです。
https://www.youtube.com/watch?v=5iMFTVrX6Y8
↑(Ctrlキーを押しながらクリック)
そうです、「日本ブレイク工業」社歌、です。
「ふ、ふざけんな、プロレスのテーマ曲ちゃう。社歌じゃねえか!」
確かに。
でもメロディも詞も、まさにこの日本ブレイク工業という「レスラー」のアイデンティティそのものです。
日本ブレイク工業こそ、本当のプロレステーマ曲をもった、プロレスラーなのです!
ちなみにこの日本ブレイク工業のテーマ曲、もう30年くらい前にタモリのあの名物番組「タモリ倶楽部」で「社歌日本一コンテスト」とかの企画で日本一に輝いた、まさにチャンピオンなのです。
今日のプロレス&マーケティングを他業種に応用する
1.あなたの製品の秀逸な例えを考えてみよ。
例えば高速で打てるキーボードならば、「チータ」。象が踏んでも壊れないなら「エレファント」はどうか?ベタすぎる?
2.あなたの製品の個性とぴったりな楽曲をもらうか、作れ、そうテーマソングってこと。
CMソングでもいい。古典的なのはハトヤ、かな。
https://www.youtube.com/watch?v=FqhnnxXkO0Q
↑(Ctrlキーを押しながらクリック)
3.あなたもプロレスラーも、自分という存在をあぶり出してくれるような、古今東西の隠れた名曲を探し出し、使用許可をゲットするスキルを鍛えるべき。
4.きのうあなたに謎かけした「プロレスとはロック」の意味を知りたかったら、へたなプロレス映像見るよりも、上の「日本ブレイク工業」を見よ。
5.あなたの製品(あなた自身を含む)に少しでもロックの要素があるならば、音楽と結ばれるべきだ。
お気に入りのバンドを呼んでプロモーションしてもらうとか、楽曲を創ってもらうとか、バンドのタニマチ(プロレス用語で後援者のこと)になってあげるとか。
プロレス&マーケティングは週に2回と決めてるとかいいながら、4回くらい続けてやってるのは、どうしたもんだろうかね。
誰か止めてくれよ(笑)
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー