コンサルタントは現場に足を運べ(大学生向け)
この記事を読んで大学生のキミが得られるかもしれない利益:大事な意思決定は頭でするものではない、足でするものだ、つまりまず現場を見ろ。人間の認知力はAIをはるかに凌ぐと言う仮説の説得力。
感じる力がくれる”正解”
先日、経営コンサルタントには直感力が必要、と書いた。
そうしたら、僕の高校時代の友人A君がこんなコメントをくれたんだ。
今日は彼の許可で、このコメントを皆さんと共有し、更に深く考えてみたい。
これはもちろん直感の働きということだけれども、Aくんの管理者としての有能さを示している。
業務委託する会社は、おそらく複数社のコンペ(事業計画のプレゼンテーションで一番良かった社を選ぶ)で勝ち上がったものだろう。
しかし、Aくんの会社はそれだけでは正式のビジネスパートナーとして認めないのだ。
Aくんという目利きを派遣して、その会社を彼の目で査定して、その眼鏡にかなったら採用するというやり方をしているのだ。
ここで感心するのは、Aくんの直感力もさることながら、Aくんの会社の「ビジネスパートナーは、実際に見て決める」という方針だ。
コンペだとか多数決だとか、これまでの実績だとは、「見るにしくはなし」ということなのだ。
直感とビジュアライゼーション
Aくんは、「玄関に入った瞬間に、その会社のアクティビティ全てが分かってしまう」と言っている。
おそらく会社の実際が、まるで画のように目の前にあらわれるのだ。
それは、おそらく仕事というものが、会社の全てにつながっているからだろう。
Aくんは例えば受付の女性が、来客も構わず同僚とおしゃべりに興じる姿を見たとする、その瞬間Aくんはその会社の教育訓練のいい加減さ、いやその前に、人を見る目のなさを感得する。
採用の間違いをAくんは感じ、この会社の採用がすべてコネ入社であることが、パあぁっとAくんの脳裏に浮かんでくる。
受付に適材適所をおけない人事は、ありとあらゆる会社の意思決定がきちんとしてないことを意味する。
こんな感じで、嫌でもそんな見えない真実がビジュアライゼーション(視覚化)してくるのではないだろうか。
これはAくんが企業経営というものをよく知っていることを示している。
そうでなければ、ビジュアライゼーションできないからだ。
リクツは役に立たない
Aくんはこう言う。
Aくんはビジネスパートナーの査定に足を運んでいる。社命である。
やはり、Aくんの会社はAくんの直感を信頼していることがうかがえるね。
理屈よりも、直感を信じる会社、正しいと思う。
思うに現代はビジネスパートナー選びも、AIにやらせるんだろうな。しかし、AIは実は人間よりも遥かに多くの情報を使って、パターン認識をしていると思うんだ。
重要な意思決定にはAIを使うな
なぜそんなことを言うかというと、Aくんの次の言葉がすべてを表していると思ったからなんだ。
これだよ。
AIの命は情報とデータそして、その関係性をインプットすることだ。
しかしA君が言うように、そもそも人間が持っている”センサー”の数が、まず機械やAIをはるかに凌駕しているんだ。
そして、人間は意識下の、言ってみれば潜在意識の働きというものがある。
人間の意識内の、そして意識下で働いているオペレーションの数は、天文学的な量になるんじゃないだろうか。
重要な意思決定をAIに任すことの愚を、僕はAくんに教わったようなきがする。
オペレーションを助けるために、AIを使うのはいいが、経営の重要事項の意思決定は決してAIを使ってはいけない、そのように聞こえるのだが。
今日も最後まで読んでくれて、ありがとう。
じゃあ、また明日会おう。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー