「終活なんてやめちゃえ!」論は正しいのか?
この記事を読んで、あなたが得られるかも知れない利益:マインドセット(考え方)一つで人は老いもするし、若返りもするという事実。あなたは老いない、でもその前に老いるって何か考えてみましょう。
終活なんてやめちゃえ
なぜでしょう?
それは終活を考えるってことは、自ずと死ぬことを意識するからです。
言いにくいんだけれど、そういう意識が生にマイナスの効果を与えかねないのです。
誰だって死ぬじゃないか?
来るべき死を考えて、それに対して準備するのが何が悪い?
とおっしゃるのですね。
でもやはり終活をすることは、少なくとも「わたしはこれから老いて行くんだ」という意識を持つことにはなりますよね。
それをやめちゃえ、というのです。
終活なんてやめて、その代わりに120くらいまで元気なあなたを、いつもイメージして、実際にそのように振る舞うのです。
そうしたら、あなたはおそらく元気で長生きします。
いや、これは僕が言ってるんじゃなくて、ニューヨーク・タイムズが言ってるんです。
ポジティブな気持ちが長生きにつながる
冒頭の考察は、ニューヨーク・タイムズWeekly2023年10月27日号のGetting old? Then be optimistic (年とってきたって?じゃあ、楽観的になることだよ)主張によるものです。
2002年に660人を対象に行われた、エイジング(年令を重ねること)の実証実験によると、年をとることに対してポジティブなマインドセット(mindset考え方)を持つ人は、ネガティブなそれを持つ人より7年半長生きをしている、ことが証明されました。
ポジティブな気持ちを持っている人は、そうでない人と比べて血圧も低く、長生きで、健康的な生活をエンジョイしており、認知症のリスクも低いという結果も出ています。
老後に対しての積極的なイメージを持つ人々は、自然とエクササイズもする傾向にあり、それがまた長寿につながるという好循環が指摘されています。
この実験はもう数十年も続いており、最新結果はでていませんが、あいかわらず積極的なマインドセットを持つ人々が、ネガティブなそれを持つ人々に比べて、より健康で長生きする傾向は変わっていません。
ポジティブなマインドセットとは何か
「年齢の常識をぶち破れBreaking the age code」の著者、ベッカ・レビーさん(Becca Levy)はこう言います。
彼女がこういうのも根拠があります。
2009年に彼女が行った実験でも30代でネガティブなマインドセットを持った人々は、人生の後半でよりずっと心臓疾患、脳卒中にかかりやすいことが判明したのです。
僕が冒頭で「終活なんてするな」って申し上げたのは、彼女の立場からすると、それが正しいと信じるからに他なりません。
要するに、終活なんていやそれは個人の自由だから、ここはもう引っ張りません、とにかくステレオタイプの老人というイメージや、意識をあなたの中からまず追いやることです。
長生き実践編
レビー先生は具体的に、「積極的なマインドセットを持って、より健康に、長生きする方法」も伝授してくれています。
それはこれです。
無理矢理にポジティブになる必要はない
記事は、ポジティブも大事ですが、楽観的であることも大事だと主張します。
リサーチ が示すところによると 、人種や 民族に関係なしに、楽観的な人は楽観的でない人よりも 90過ぎまで生きる傾向がある ということです。
しかし、ここで履き違えてはならないのは、ポジティブな考え方とは、事実をねじ曲げたり、覆い隠したり、取り繕ったりすることではないということです。
例えば、お世辞に「年をとらないわね」などという必要はありません。
「ありのままを、楽観的に見つめることね」、そういうのはエイジングを専門とするカリフォルニア在住の心理学者、メリンダ・ジーンさん(Melinda Ginne)です。
ビバ!エイジング
とは言え、マインドセットを変えることは、簡単ではありません。
でも歳を取ることは経験と知恵が増えることで、あなたは自分がもっとクリアに見えるはずです。
リサーチでも、年齢を重ねるに連れて感情的な幸福感が大きくなり、認知力も増大することがわかっています。
私達は年令を重ねることを、ちっとも恐れる必要なんてないんです。
意識一つで、いつでも若くいられるし、年をとれば経験と精神の宝物も増えるし、いいことばかりです。
でも、僕ら日本人は同調意識がありすぎて、フツーのおじいさん、おばあちゃんになっちゃうんじゃないでしょうか。
他人に付き合うことはないですよ。
でもnoteを見たり、書いたりしている人は、精神はどんどん輝き、ずっと若いままでいて長生きするんじゃないかな。
野呂 一郎
清和大学教授
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