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「グローバル・プロレス・コンサルタント」という意表をついた職業。
この記事を読んで高校生のキミが得られるかもしれない利益:コンサルタントにも色々あるよというお話。英語が少ししゃべれるだけで、キミは即日本と外国を架ける橋になれるという事実。ただ、それには平均的日本人にははない”積極性”が必要だということ。
”プロレス・コンサルタント”って何?
コンサルタントになるには、というトピックスなのに、ちょっと脱線し続けているけれど、昨日言ったように、キミはコンサルタントの素質があるよ。
そうだ、この記事読んでるってことはコンサルタントという職業に興味があるからだ。
俺が太鼓判を押すよ、立派なコンサルになれるって。
でね、僕は経営コンサルタントになるにはどうしたらいいっていう話をしているんだけれど、コンサルタントって、いろんなコンサルタントがあっていいし、現実にあるんだ。
年金コンサルタント、睡眠コンサルタント、株式投資コンサルタント、離婚専門コンサルタント、などなどきりがない。
今日お話ししたいのは、プロレス・コンサルタント、だ。
それも、グローバルに活躍するから、グローバル、をつけてもいい。
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えぇっつ、そんなものが世の中に存在するのか?って?
うん。
ちょっとこの話をキミたちにしておきたいのは、昨日、ちょっと英語の話をしたじゃない、英語を生かしたコンサルもアリってことも伝えたいからだ。
現場にたむろしてガイジンに声をかけろ
その方の実名は、ちょっとやめておく。すでに故人だから。
間違ったことを話して、亡くなった方の名誉を傷つけたら大変だからね。(でも関係者の許可をもらえればうれしい)
Yさんとしておこう、プロレス界では知る人ぞ知る、存在だった。
彼は、いわゆる「プロレス小僧」だったんだ。
プロレス小僧とは、いっつもプロレス会場に入り浸って、レスラーにサインをせがんだり、選手の間をうろちょろしている、中学生か高校生ぐらいの年齢の大のプロレスファンのことさ。
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彼は帰国子女で、英語が上手だった。
外人レスラーとも、得意の英語で仲良くなり、そうこうするうちに、団体関係者の目に留まり、外人レスラーの通訳や交渉をまかされるようになった。
そのうちプロレス専門誌ゴングなどの海外特派員も務めるようになり、しまいにはレスラーのマネジャーや、インディ団体のレフリーまでやるようになり、プロレス関係者の間では知らない人がいないような存在になったんだ。
彼は、プロレスラーじゃあないけれど、世界のプロレス業界の中で人と人を結びつけ、またあるときには日本のプロレス市場をガイジンに説明し、またあるときには戦略参謀を務めた。
Y氏は、立派なプロレス・コンサルタントといえるだろう。
もっとかっこよくダイゴ風に言えば、GWL(グローバル・レスリング・リエゾンGlobal Wrestling Liaisonグローバルなプロレス仲介役)だ。
英語が少しできれば、参謀役になれる。
ぼくは、このYさんの件で思うことがあるんだ。
それは、ちょっとでも英語ができれば、それが突破口になって、コンサルでもなんでも日本と外国を架ける橋になれるってこと。
必要なものは、多少の英語力と好奇心、それだけだ。
Yさんがまさにそうだった。
僕が見る限り、彼はとてつもなくすごい英語力があったわけではないよ。
でも、プロレスがすごく好きで、好奇心一杯の若者だった。
もちろん行動力もあった。
当時はもう30年も前になるかな、英語が喋れる日本人は一握りだったし、プロレス界はそういう人材を求めていた。
僕の大好きな外人レスラーのマネジャーで、ビクター・キニョネスっていう、プエルトリコの面白い人が、いた。
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彼も過去形だ、なくなってしまっている。
どうして面白い人ばっかり短命なんだろうね、プロレス界は。
さて、そのキニョネスさんは、生前よくこう言ってたのだ。
「だれか英語のできる日本人はいないか。日本のファンは、俺たちの悪辣なファイトや、 乱入をどう思っているのか。ぜひ教えてほしい。」
いまでも、こうしたニーズは、外人レスラーや、プロモーター筋にすごく多い。
日本人と結婚するレスラーがたまにいるけれども、おそらく英語ができたから、世話を焼いているうちに仲良くなってゴールインしたんだろう。
日本市場の案内役が出来れば、それは立派なコンサルタントだ
今だって、英語が少しでもしゃべれるキミは、外国人にひっぱりだこになる。
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プロレスラーに限らない、外人アスリート、タレント、映画俳優その関係者から重宝がられることは間違いない。
彼ら彼女らが躍る舞台のそばに行って、声をかけるだけでいい。
ただ、女性の場合は勧めない。
うぬぼれの強いガイジン男性は、オレに気があると決めつけてくるからだ。
僕が言いたいのは、今でも、プロレスを含め来日するビジネス関係者は、日本の道案内ができる人材を切望している、ということだ。
キニョネスさんだけじゃない。
英語ペラペラである必要はないよ
でもキミは僕にこう、問うんだね。
「英語ペラペラじゃないとだめなんでしょ?」と。
いや、キミくらいの英語力で十分だ。でもその英語力に、加えてホスピタリティな性格がいる。
なんだかんだヘルプしてあげているうちに、信頼関係が生まれ、いろいろ任される。
Yさんは、まさにそんなところから始まって、プロレス雑誌の海外特派員やガイジンチームの参謀まで任されるようになった。
ちょっとの英語力プラス、おせっかいの気味があれば、こうして「国際コンサルタント」の道が開く。本当のことさ。
そうやって、彼ら彼女らの中に入ってもまれているうちに、実戦で鍛えられ英語がどんどん本物になっていく。これも本当のことだ。
だいたいね、英語なんてものは積極性が7割だよ。
積極的にネイティブに声をかける、コミニケーションを取ろうと前に出る。こういう姿勢こそが、キミの英語力を強力にする。
語学はお勉強と違うんだ。
グローバルに活躍する条件は英語じゃない、積極性だ
ただ、このパターンで成功する日本人にはある共通点がある。
それは、積極的である、という一点だ。
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きのう出てきた“スギ”のように。
僕は日本人の中に、なぜ海外でバリバリやって、外国人に尊敬される人が少ないかというと、それは英語力じゃないんだ。
”積極性が足りない“ただその一言なんだ。
じゃあ、僕はだめだ、そんなこと言わないでくれ。
キミは、見ず知らずの誰が書いたかわからないような、この文章を見てくれたじゃないか。
ここまで読んだってことは、国際派どうのこうのに興味がある。ってことだろ。
そう、キミは、日本人ばなれした何か持ってるんだ。
シャイだけれど、すごい積極性がキミの中に眠っている。
大丈夫、一歩踏み出せば、キミもすぐに異文化の懸け橋になれる。
普段口数が少ないキミだけれど、案外、それが向いているんじゃないの。
ちょっとオレの方は口数が多くなっちゃったから、これで今日はやめるよ。
じゃあ、よく考えて。
言ったよね、ちょっとでも興味があれば、好きなら、才能があるんだって。
これは絶対の真理だから。
自分で自分の才能をチェックできるんだからね。
じゃあね、また明日キミと会えるのを楽しみにしてる。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー