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ストリーミング時代の盲点。
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:ジャズの愛好者が減っているのはなぜか。ストリーミング全盛時代の盲点とは。テクノロジーが文化を破壊するかもしれない。
ストリーミング時代の盲点
先日、ディズニー社の戦略について書き、Disney+(ディズニー・プラス)というストリーミング配信が、収益の柱になるのではないかと申し上げました。
その理由として「コード・カッティングcode-cuttingコードをちょん切る」という、2010年頃からの(若い)消費者のトレンドがある、と申しました。
若者は特に、テレビとかケーブルテレビなどの、コードがついて持ち運びができないメディアよりも、コードがなくて持ち運び可能なiPadとかデジタル機器の方がずっとお気に入りです。
だから、インターネットを通じて配信するストリーミングが、金のなる木と思われているのです。
おまけにCMもありません。
テレビがめんどくさいのは、俳優やキャストのスキャンダルが出た場合、その作品をお蔵入りにしなくてはならない場合が出てくることです。
広末涼子さんの不倫で寄ってたかってマスコミは彼女を責め立て、すっかり悪者になってしまった彼女のイメージを企業は嫌い、彼女のCMはなくなってしまいました。
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このようなケースでも、ストリーミングであれば大丈夫です。
なぜ、ジャズが低調なのか
音楽業界のデータを提供する企業ルミネイト(Luminate)によれば、スポティファイ(Spotify)アップルミュージック(Apple Music)といったストリーミング配信の全番組で、ジャズが占める割合はたったの0.8%です。
ジャズを聞きに来るリスナーは、1%にも満たないのです。
しかし、この一つの理由はジャズの愛好者は年配の方が多く、彼ら彼女らというのはストリーミングになんて移行しないからです。
その意味で
ストリーミングへ企業がシフトするのは、若者に媚びる、いやらしいマーケティングで決定、でいいですね(笑)
たしかにストリーミングはトレンドだから、それを採用するのはマーケティング的に正しい行動です。
しかし、シニア層を無視するとどういうことになるか。
ストリーミングのジャズ番組がなくなり、ジャズというジャンルが消えてしまうかもしれない。
そうしたら音楽業界全体にとってマイナスであり、そのツケはまわりまわってストリーミング・ビジネスに血眼になっている企業にも回ってきます。
マーケティングマイオピア(marketing Myopia)という言葉があります。
近視眼的なマーケティングという意味で、このことばを広く捉えると、まさにストリーミングに飛びついている企業は、目先の利益だけに囚われ、長期的な視野を失っています。
テクノロジーが文化を破壊する、このことが現実味を帯びてきています。
野呂 一郎
清和大学教授