How to 取材の受け方。(加筆)
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:マスコミ相手に取材を受けることは、誰にでもあり得ることだ。それをどう活かすか、を経験から考えてみたい。
石丸構文の批判じゃないよ
最初にお断りしておきますが、このところ話題になっている、石丸伸二氏のインタビューへの独特の受け答え「石丸構文」の批判ではありません。
彼は政治家ゆえ、敵と味方を事前に把握して、対応を変えているだけ、そう理解しています。
How to 取材の受け方、なあんて偉そうに言っていますが、そんなのは個人の流儀であり、お前のスタイルなんかどうでもいい、と言われることを承知でお話したいと思います。
取材とは「縁」である
僕は取材というのは、「縁」だと考えています。
人との出会い、ですね。
まず、それを大事にしたいんです。
もちろん、マスコミはこちらの言い分を世の中に出してくれる、という意味で表現をするものに対して大きなメリットを持った存在です。
しかし、そうした損得よりも、僕は「新しい人とつながった」という喜びのほうが大きいですね。
そして取材を申し込んでくれる人は、あなたに興味があるわけです。
あなたの何かが、取材者に興味をもたせ、それが二人を結びつけたわけです。
もちろん、スキャンダルを求めて文春が芸能人を直撃っていうのは例外ですが、人間、興味を持たれて嫌な気持ちになる人はいないでしょう。
この出会いが貴重で、あなたの可能性を広げるのは、日常的な「縁」、つまり職場や学校でできる人間関係と違うものだからです。
縁を大事にしないバカいるかよ
結局、成功とは運です。
運は「はこぶ」と読みますね、運はひとがはこんでくるのです。
運とは変化のことです。
ですから、いつもの人間関係でいては、運はやって来ません。
でもなかなか、人間関係って広がらないんですよね。
取材は自分を広げるチャンスなんです。
だから、いつもと違う世界からやってきた、あなたに興味のある人物はあなたに変化をもたらすのです。
そしてあなたの興味を持つということは、あなたに好意を持っている、ということです。(文春は別ですが(笑))
猪木流いえば、「この縁を活かさないバカいるかよ」、です。
そして、取材者を媒介として、あなたは多くの人に知られるようになり、それがきっかけでまた縁が広がります。
奇縁とでもいうべき、マスコミ取材者との縁は、あなたの人生を変える力を持っているのです。
まず、準備をせよ
これまで取材を受けたのは、十数回あります。
ほとんどが「プロレス」関係ですが(笑)。
新聞、雑誌、インターネットなどですね。
取材者は前もって要件を伝えてきますよね、その要件を基に、まず準備をします。
だいたいこういうことが聞きたいのだろうな、これを聞いてくるな、と最低3パターン位を想定し、問答を前もって組み立てておきます。
やはりこちらも、自分の考えをできるだけ正確に、そしてこちらの意図を誤解なく伝えたいですから、この作業は重要です。
何時間もかけてパワーポイントの絵図を作ったことも、何度もあります。
取材者のリサーチも、できればしたいところです。
名前を聞いて、インターネットで調べれば、どんなバックグラウンドを持っている人物かわかりますし、人物情報を調べておけば、むこうにも「こいつはわかってるな」と思わせ、話が盛り上がり、両者の関係もより近づくでしょう。
マスコミは裏切る
ネットニュースの取材を受けたことがあります。
1時間位収録にかかったのに、放送時間は3分くらいで、僕の発言は中途半端にカットされていました。
これがマスコミってものなんですよね。
都合のいいところだけ切り取って、貼り付けるだけなんです。
新聞の取材でも、僕の言葉のごく一部だけを使っているので、本人の意図と全く違う記事になっていることはよくあります。
それでも、僕は不満を表明したことも、抗議をしたこともないし、「前もってゲラ見せろ」なんて言ったこともありません。
プロフェッショナルに敬意を
取材の結果どういう文言になろうとも、部分を誇張されて誤解を招いても、言ってないことを書かれても、一切文句を言わないのには理由があります。
それは彼ら彼女らも「プロフェッショナル」だからです。
マスコミの記者が許可を得た人物を取材して、どう表現しようとも、それは彼女らの職業的な判断であり、決断であり、責任なのです。
それに対して文句をいうのは、彼ら彼女らのプロフェッショナリズムに敬意を払ってないことだと思います。
数ヶ月前にテレビ取材を受けてそれを知った友人たちが、「いつオンエアされるの?記者に聞いてよ」等と言われる今日このごろですが、僕はそれは絶対にこちらから聞かないことにしています。
オンエアをいつにするかの判断は、まさにプロフェッショナルの判断だからです。
だから、これに対して「いつやるの?」とは絶対に聞かないのです。
僕はこれからも、こういうスタンスを崩さずマスコミと接していきたいと思っています。
何かが生まれる、そう信じて。
野呂 一郎
清和大学教授
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