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プロレス新連載⑤岸田政権、究極の一手としてのプロレス立国第5回 海外で一番ウケる日本人レスラーは誰だ?
あなたがこの記事を読んで得られるかもしれない利益:海外戦略のツボ。戦略を5W1Hで考えるノウハウ。プロレス団体のグローバル戦略はどうすべきか。日本のレスラーで誰が海外人気ナンバーワンだったか、そしてその理由。
この連載のテーマは、日本のプロレスを日本のクールジャパンの核にすえることで世界で爆発させれば、日本経済が復活し岸田政権も永遠に延命する、という仮説です。
前回はその戦略、つまり日本のプロレスをグローバルなものにするための作戦を考え、試みに5W1Hという枠組みに入れてみましょうということを提案しました。
つまり、なぜ(Why)いつ(When)どこで(Where)、誰が(Who)、何を(What)、どうやって(How)を整えることです。
そして、まず、戦略のかなめであるなぜ(Why)をやったわけです。
なぜやるか、それはプロレスというスポーツ、プロレスというビジネスがどれだけ、グローバルな市場であるかを認識するため、と申し上げました。
今日はその残りの、いつ(When)どこで(Where)、誰が(Who)、何を(What)、どうやって(How)を解説していきます。
戦略とは何か
その前に、戦略(ビジネス戦略、企業戦略、経営戦略と言ってもいいです)とは何か、という前提を理解していただきたいのです。
それはこういうことです。
戦略とは外部ドリブンである。(Strategies are externally driven)
この言葉は僕が言っているのではなくて、僕の尊敬する海外の専門家が説いている戦略の最もシンプルな定義です。
外部ドリブンというのは、「戦略とは外部の変化次第でどうにでも変わっていくものだ」、という意味です。
ですから、プロレスも環境変化で変わっていくのだ、ということが前提です。
しかし、僕は物事には、「不易と流行」つまり本質的で変わらないことと、変わることの2つがあると思っていて、どっちかというとプロレス=不易というとらえかたをします。
前回4のボボ・ブラジルvsフリッツフォンエリックの映像は、前者です。
さて、このことを少し頭に入れて頂き、分析の続きにいきましょう。
いつ、どこで日本のプロレスを広めるべきか
いつ(When)に関しては、林修先生じゃないですが、「いまでしょ」となります。
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世界は、まだ生で見ぬ日本のプロレスを見たくて、ウズウズしています。
大事なのは覚悟です。異文化で言葉のちがう相手とコミニケーションをとりながらやっていくわけですから、詳細な戦略と覚悟が必要です。
どこで(Where)に関しては、プロレス発祥の地、本場アメリカに殴り込みをかける、は、少し考える必要があります。
もちろん、いま、ケニーオメガのAEWがWWEの対抗勢力として注目されていますが、基本いまのアメリカのプロレスファンは、WWEのプロレス観にそまっています。
つまり、ドタバタマイクパフォーマンス劇場的な、例のアレ、です。
![](https://assets.st-note.com/img/1649422940820-SkBieW6Td4.png)
ヨーロッパや中国、台湾といった日本のプロレスをより理解してくれる国に行って、そこでブレイクして、その流れを世界に持ってきたほうが得策かもしれません。
ヨーロッパは新日本プロレスがイタリア、ドイツ等にすでに行っていますし、中国はアントニオ猪木のIGFが実験的に試合を行っているし、台湾は武藤敬司が社長の時代に、何度か興行を打っています。
![](https://assets.st-note.com/img/1649423006827-hwkDGWTHm0.png)
アメリカでもハワイは日系人が多く、クラシカルなプロレスを受け入れるので、アリかもしれません。
考えてみれば、プロレスの父力道山がブレイクしたのはハワイでした。ハワイは日本文化とアメリカ文化の交差点でもあり、ハワイで成功すれば、本丸のアメリカ進出もスムーズ、とも考えられます。
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ザ・グレート・カブキがウケた理由
つぎの誰が(Who)は大事ですね。
これは、日本のプロレス代表団が、世界布教軍を結成し、世界の何処かでファイトするという前提で、どんなレスラーを選ぶかということです。
海外でウケがいいレスラーを選ぶ必要がありそうです。
海外で成功したレスラー番付をしてみましょう。力道山、ジャイアント馬場、アントニオ猪木は別格なので省きます。
外国でウケる日本人レスラー番付
![](https://assets.st-note.com/img/1649418703903-WKCNOd63dl.png)
ざっと勝手にベスト10を決めたのですが、ちょっと解説を加えます。
カブキに関しては、もと日本プロレスの高千穂明久(たかちほ・あきひさ)の変身です。
ジャイアント馬場の全日本プロレスに入るも構想外で、アメリカに放り出された形ですが、アイディアと芸術的才能でプロレスの本場でブレイク。
そして何と言ってもレスリングの基礎がしっかりして、うまい。
アメリカ人レスラーのよさも引き出してあげる実力があったこと、こういうパフォーマンスだけじゃないところが、彼のアメリカでの成功の秘密でした。
おそらくカブキは、最も海外で成功した日本人レスラーでしょう。
カブキにインスパイアされたのが、ご存知武藤敬司の化身、ザ・グレートムタです。
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武藤は若手時代、アメリカでメインもとっており、もともとアメリカ的な気質もあって、アメリカでは何をやっても成功する運命にありました。
しかし、それにしてもムタは、本家のカブキを危うくするくらいの鉄板キャラクターになりましたね。
長くなりました。続きは次回に。
今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
では、また明日お目にかかるのを楽しみにしています。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー