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プロレス&マーケティング第66戦ロッシー小川の女子プロレス戦略とは
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:戦略理論から考える、新団体マリーゴールド代表ロッシー小川の頭の中。
戦略の古典とロッシー
昨日、男社会が女子プロレスを滅ぼす、との極論を展開しました。
皆さんは違和感を覚えたはずです。
なぜならば、なぜならば新団体マリーゴールドの代表はロッシー小川、つまり男性だからです。
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しかしロッシー小川には、ほとんど批判めいた話は出ません、それどころか女子プロレスの救済者扱いです。
僕の立場からすると、このことは戦略理論で説明がつきます。
これです。
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女子プロレスビジネスとは何か
この戦略理論は非常にシンプルだけれど、奥が深いといわれています。
「戦略とは手がけようとするビジネスを知ることである」。
これはそのビジネスを始める前に、十分な知識と経験が必要なことを解いているのです。
女子プロレスビジネスを知悉し、また実際にその運営に関わってきた実績からしても、ロッシー小川氏はこの理論に当てはまると言えましょう。
しかし、ここで経営の手練れである読者の皆様から、反論が入るでしょう。
「何いってんの、たしかにロッシーは女子プロの知識も、女子レスラーの生態に関しても、経営も熟知しているだろう。
でも、その積み上げてきたキャリアこそが、彼の最も大きなリスクなんだよ。要するに新しい時代に、古い知識と経験で立ち向かおうとしているからだ。」
例えばロッシーはストリーミングよりテレビにこだわるだろうし、新木場1stRINGよりも、後楽園ホールでやりたがるだろうし、派手派手フリフリよりも実力勝負を好むだろう。
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時代はことごとくそれに逆行しているから、ロッシー小川の失敗は目に見えている、という理屈も成り立ちます。
しかしこの理論で言う「ビジネスを知る」というのは、もっと根本的なことではないかと考えるのです。
女子プロレスビジネスを知る、というのは、女子プロレスラーの気持ちを知る、ということなのです。
そのためには、彼女たちと寝食を共にし、下積みの苦労を横目で見続け、道場での汗と涙の価値を彼女たちより知っていることが必要です。
このことに関して、ロッシー小川の右に出る人はいないのです。
きのうあるマスコミで、ジュリアがこのような発言をしてます。
「なんで海のものとも山のものともわからない、マリーゴールドに入ったかって?あの爺さんから、まだまだ学ぶことがあるからよ」
ジュリアはこう言いたかったのです。
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「ロッシーは女子プロレスが好きでしょうがないんだ。
スキだからこそ、すべての選手のポテンシャルを知り、それを花開かせることができる。
あいつの「スキ」から学ばなくてはならない。私はロッシー小川の情熱があるのだろうか?」
最後に愛は勝つ
そうなんです、ロッシーの「ビジネスを知る」とは、「好きでたまらない」ということだったのです。
なぜ、ロッシー小川の女子プロレス愛が本物だと言えるのか、って?
もちろん、僕なりに昭和からいままでロッシー小川を観察してきた、ということはあります。
でも、ある一つの事実で「こいつの女子プロレス愛は本物だ」と信じるようになったのです。
それは、彼がファンの時代から、女子プロレス記録マニア、だったということです。
その記録とは、何年何月何日に、どこの会場で、誰と誰が戦って、最後何分何秒で、どんな技でどっちが勝った、ということの詳細なデータです。
ロッシーはその記録を集め、公式記録がなければそれを調べ、書き留めて悦に入っていた、のです。
プロレスファンならば、彼のこのしぐさが病膏肓に入ってる最上級の筋金入りのファンのそれ、とわかりますよね。
KANじゃないけれど、「最後に愛は勝つ」なんです。
野呂 一郎
清和大学教授