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プロレス&マーケティング第22戦 着物に学ぶプロレスの”アップサイクル”とは?

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:アップサイクルとは何か。プロレスの精神、カタチ、システムを利用して、プロレスとは違う製品、サービスが作れたら、プロレスマーケティングは爆発するはず、という妄想。

アップサイクルとは何か

アップサイクル(upcycle)とは、あるものをより付加価値の高いものに作り替えることをいいます。

アップサイクリング(upcycling)はその名詞形で、使用済みの物や再生品を使って、元の製品より付加価値の高い物に作り替えることを指します。

昨日プロレス&マーケティングの記事で、タイガー・ジェット・シンのターバンやらサリーやらが、廃棄物ゼロのサスティナブルなファッション(ゼロ廃棄ファッションzero-waste fathion)の最先端を行ってるというお話をしました。

しかし、このゼロ廃棄ファッションの総本山、家元と言えるのは、実は日本の着物なのです。

着物は反物と呼ばれる着物の素材を切るのではなくて折り、縫うことで作られます。

韓国のデザイナー、ダニ・パクさん(Duni Park)は、古着の着物をアップサイクルして新しいファッションを作り上げました。

それは古い着物をバラバラにして、一つの素材いうならば新しい反物として使い、そこから着物とは別の衣装を創るという発想です。

彼女は使用済みの着物から、スカーフ、ジャンプスーツ、シャツ、シューズなどを作り、2011年に女性専用のサスティナブル・ファッションブランド、ギャラリー・シリ(Gallelry Shili)を立ち上げてしまったのです。

ギャラリー・シリ。https://qr.quel.jp/pv.php?b=3JCGlU2

まさにパクさんがやったことは、アップサイクルに他なりません。

彼女は着物つくりに内在する日本人の精神を生かして、着物とは別の付加価値のある製品を創りあげたのです。

さて、今日はこのパクさんのアップサイクル手法を、プロレスに応用できないか考えてみましょう。

アップサイクルのキモは精神

今回紹介したパクさんのアップサイクル理論とは、着物の「捨てない、素材を無駄にしない」という日本の精神が元になっています。

パクさんはこれを「オリガミ・スピリット」と呼んでおり、オリガミの切らずにたたむという精神と技術が、着物のそれと重なると言っています。

彼女が日本人の精神を多角的な視点から、理解しようとつとめたことがうかがえます。

では、プロレスの精神とはいったい何でしょう。

これは、はっきり申し上げて100人100様、です。

要するに、プロレスとは何かは、その人のプロレスに対する価値観、定義によるからです。

この話をすると、ややこしくなりますので、あくまで一般的な、議論にならないようなぬるいプロレスの定義に基づいて、次のように考えてみましょう。

1.プロレスとは所作を美しく魅せることである
2.プロレスとは肉体と精神の忍耐力タフさの表現である
3.プロレスとはマイクアピールである
4.プロレスとは「どう見られるか」の価値を最大にするものである

アップサイクル理論をプロレスに応用する

プロレスに内在するスピリット、もしくはシステムを利用して、何か新しい画期的な付加価値のついた商品、サービスはできないでしょうか。ちょっと考えてみましょう。

1.プロレスビクス

僕が今思いついたのは、極真カラテです。カラテビクスという美容体操がかつてありました。(いまもあるかな)

https://qr.quel.jp/pv.php?b=3LiLmCg

女性の極真カラテ家だった方が創始した、極真カラテをだれもができる体操に応用し、美と健康を保つエクササイズにアップサイクルしたものでした。

ぶっちゃけ、”プロレス体操”ならば、できますよね。

プロレスビクス。完全にカラテビクスのパクリです。(笑)

2.プロレス流ダイエット

プロレスのエネルギー消費、脂肪燃焼動作を応用した、ダイエットプログラムです。

実は最近、新潟プロレスの前田誠(まえだ まこと)選手、鈴木敬喜(すずき ひろゆき)選手がこのダイエットセミナーを行って大好評を得ました。

4をご覧下さい。

内容はここではお伝えできませんが、許可を得られれば後日お教えしましょう。

3.社員研修

プロレスの精神である忍耐、根性、勇気、営業ショーマンシップ、パフォーマンス遂行力などを鍛える企画です。

これも既に新潟プロレス不動のエース、シマ重野がメインインストラクターとして、新潟県内の企業に対して行ったことがあります。

読売新聞の記事がこれです。

このコンテンツも、マル秘ですが、後でまたなんとかしますね。(笑)

4.プロレス学講義

欧米の研究者が書いた、プロレスの社会学という本があります。拙著プロレスの経済学など、プロレス学と呼ばれうるものはたくさんあります。

拙稿も含め、まだまだプロレスと学問は様々なフュージョンの可能性があります。

5.リングという空間を利用する

このアップサイクルは精神を土台にしたものではなく、プロレスのシステムを利用する試みです。

プロレスのシステムの一つに、6メートル四方のロープを張ったリングがあります。

格闘という芸術を見せる演者としてのプロレスラーの舞台が、リングです。

リングに立つことだけで、人は様々な刺激を得ることができます。

ビジネスとしては、レスラーのようにタイツだけつけてリングに登場し、スピーチする訓練、レスラーと組む疑似レスラー経験、マイクアピール実習、などで「度胸」を鍛え、「四方の観客に見られながら、パフォーマンスを上手に遂行する」コツを覚えるサービスの提供等々、ということになります。

今日のプロレス&マーケティングを他業種に応用する


1.御社の使用済み製品、中古品をリサイクル以外の用途に使えないか。

例えば椅子やソファなどの家具をバラバラにして、何か新しい用途に使えないか。

引退したスポーツ選手、レフリーは他のスポーツのコメンテーター、アドバイザー、コーチ、作家などができるはず。

2.御社の創業の精神で、何か他のビジネスができないか

社会を益するという社是ならば、社会奉仕と利益を両立するビジネスはあるはず。

3.精神のあり方を技術に応用する

例えば合気道。合気道の争わないという精神が、技の体系に見事に反映されている。

https://qr.quel.jp/pv.php?b=3ZKUELH

それでは皆さん、あと5分で原稿の締切ですので、ひとまずこれで。

野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー



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