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プロレス&マーケティング第21戦 今こそインドの狂虎をリングに呼び戻せ。

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:マーケティングとは視点であるという事実。プロレスはスポーツ産業であるが、実はアパレル産業である、この視座が業界を発展させることを示す。なぜ今タイガー・ジェット・シンをリングに呼び戻すのか。

タイガー・ジェット・シンで思い出した

最近、アントニオ猪木の仇敵、”インドの狂虎”タイガー・ジェット・シンが出てきますが、それで思い出したんです。

あのシンのコスチュームのことを。

ターバンを頭に巻いて、サリーのようなジャケットをまとってますよね。

インドの狂虎の勇姿。https://qr.quel.jp/pv.php?b=3YBCZVj

ああいうインド式の衣装は、いま、「廃棄物ゼロファッションzero-waste fashion」と呼ばれているんです。

要するに原材料の織物から、なるべく切ったり、破ったりして廃材を出さないように、縫ったり、折ったり、畳んだりして作る衣服のことです。

インドという国は、特にサステイナブルな衣服づくりが伝統として根づいている国です。

シンが凶悪ファイトで日本中を震え上がらせていた、1970年代は流石に無理ですが、今ちょっと視点を変えると、タイガー・ジェット・シンをプロレス団体は招聘して、今度は世界を救うヒーローに仕立てることができますよ。

メインイベントの前のショータイムに、タイガー・ジェット・シンをリングに上げて「インドの廃棄物ゼロファッション」をPRする、ファッションショーを開くんです。

もちろん、これはプロレス団体と輸入アパレルメーカーのコラボです。

ポイントは、視点、です。

プロレスはスポーツ産業ではない

プロレスはもちろんスポーツ産業ではあるけれど、同時にアパレル産業でもあるのです。

コスチューム産業と言ってもいい。

選手が着るガウン、タイツ、グッズの定番Tシャツそしてマスク。

シューズを考えれば履物産業でもあるし、会場で販売する飲食物を見るとフード産業ともいえます。

視点を変えてみると、プロレスマーケティングの可能性が広がります。

プロレスは積極的に社会貢献しろ

きのう、プロレスは時代とシンクロさせろ、と申し上げました。

民主主義が時代のキーワードなのに、どの政党もそれを掲げないのは政治マーケティングとしてどうなの、と苦言を呈しました。

忘れてました、時代は民主主義だけじゃなく、”環境”、ですよね。

ゼロ・エミッション、つまり廃棄物や二酸化炭素を排出しないことで、地球環境を守ろうという運動が世界の潮流になっています。

ファッション産業としてのプロレスも、これに一枚加わりましょう。

いや、というか、プロレス界も積極的に地球環境をよくする取組を行い、社会貢献をすべきですよね。

タイガー・ジェット・シンは、今や社会事業家として、社会貢献活動に熱心です。

彼とコラボする、いい機会だし、アパレル産業とプロレス界がコラボする、いいチャンスではないでしょうか。

国連の調べによると、ファッション産業は、人類の廃棄物の10%に責任があるそうです。

2021年、世界経済フォーラム(World Economic Forum)は、ファッション業界を名指しで「世界で3番めにひどい地球汚染の犯人」と決めつけています。(The Wall Street Journal2022年10月16日号)

マーケティングとは、小手先の商売ではありません。

まずは業界が社会に受け入れられ、尊敬される存在にならなくては、マーケティングがうまくいくはずがないのです。

今こそ、プロレス業界は、ファッション産業とコラボし、プロレス界もサステイナブルな未来に協力しているよ、のアピールをしたらどうでしょう。

サスティナブルな覆面はいかが

そうだ、タイガー・ジェット・シンを呼ぶのもいいけれど、マスク職人を呼んで、ミシンを中央においたリングに招き入れ、サスティナブルなマスク製作の実演をしてもらうのもいいかもしれない。

日本一のマスク職人、豊嶋裕司氏。https://qr.quel.jp/pv.php?b=3JascMm

廃材を最小限にするマスクの作り方、を、デモンストレーションしてもらうのです。

マスク職人もマスクを作るにあたって、なるべく布地を切らないで、縫ったり折ったりの技術を駆使して、廃棄部分を最小限にすることを求められているはずです。

その実践を、満員の観客に見せてあげましょう。

もちろん、テレビのワイドショーにも取材をしてもらいます。

会場のグッズ売り場では、実演したマスクの即売会をやりますよ。

今日のプロレス&マーケティングを他業種に応用する

1.○○業界というステレオタイプ決めつけを捨てろ。

バンドは音楽業界じゃない。プロレスと同じアパレル業界だ。独自のファッションを創る余地はいくらでもある。

ファッション産業でもあるのは、もちろんだ。もう化粧やKissはいいよ。

何か新しい路線を出して、服飾、アクセサリー業界とコラボして面白いことをやってくれ。

2.社会貢献をしろ

地球環境をよくすることに、社会の不公正を正すために、何かできるはず。

お金を集めるのは色々問題があるなら、戦争反対の署名でもいい。

より社会から認められる業界にならないと、マーケティングは先細る。

3.裏方をリングに上げろ

プロレス的に言うと、マスク職人もメインイベンター。

裏方的に業界を支える人を、メインのリングに上げることで業界は広がる可能性がある。

4.着こなしのいい社員をチェックせよ

どの業界とも相性が良いのが、ファッション。

あなたの会社に、服装のセンスがいい社員がいるはず。彼に彼女に、会社のユニフォームのデザイナーになってもらおう。

御社のブランドが上がり、マーケティングにもプラスになるはず。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
じゃあ、また明日お目にかかりましょう。

野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー


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