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対チャットGPTの戦術⑤エンパシー(共感)能力を鍛えよ
この記事を読んで高校生のキミが得られるかもしれない利益:AIが支配する今後の世の中で、チャットGPTに負けないスキルを鍛えるためのヒントその⑤チャットGPTに勝つためには、他人の頭の中を覗き込むこと。AIに負けないために、変人の書いたものを読め。悪魔の提言ができれば、君の未来は明るい。共感力のすすめ。
共感が失われる学校教育
ニューヨーク・タイムズWeekly 2023年2月12日号は、In the Age of AI, Learn to be more human (AIの時代、より人間的になることを学べ)と題した記事で、機械に負けないためには、エンパシー能力を強めることだと言っているね。
エンパシー(empathy)とは共感って意味だよね。
要するに誰かの考えや、行動に共感したり、共鳴したりすることだ。
たしかにそんな精神的で感情的な作業は、AIにはできっこないよね。
でも、君たちを振り返れば、案外共感や共鳴なんてしたことないんじゃないかな。
それよりも、答えを覚えるのに忙しいのが、学校生活というものだからだ。
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国語だって、数学だって、理科だって、先生が答えの導き出し方を教えて、君たちは必死にノートにとって、問題集やって正しい答えとやらを頭に入れるだけ。
そこにはさ、国語の文章を味あうだとか、感じるだとか、なんでこうなるのとかの疑問すらない。
自分の感想を人に言って相手の反応から何かを思うだとか、議論することもないから、「共感」なんていう感情が育たないんだ。
それじゃあ、チャットGPTに勝てないよね。
他人の書いたものを読め
ニューヨーク・タイムズは共感力を養うためには、他人の考えに触れろ、と言っている。
具体的に言えば「文学、ドラマ、伝記、歴史に触れること」だ。
そこで、色々な考えや、出来事に触れて、キミは「共感」する。
しかし、困るのはさ、その共感でさえ答えがある、っていう現実なんだよ。
僕が嫌いなのは、テレビの美術番組なんだ。
絵の歴史や作者の生い立ちから始まって、作品の価値を押し付けてくる。
絵や彫刻だけに限らない、小説だろうが、音楽だろうが、これが正しい的な正解を押し付けたがるのが人間の性なのかもしれない。
ゴッホみたいに、生前はまったく評価されずに、死後大作家扱いされた例はたくさんある。
![](https://assets.st-note.com/img/1680616527785-vkN3HqVIk8.png)
でもそれも、しょせんは他人の評価、大事なのは、キミがキミだけの感覚でいい、悪いを感じることだと思う。
悪魔の提言が足りない日本人
このニューヨーク・タイムズの記事は、変わった人の考えに触れることが大事だと言っている。
AIってのは、結局差し障りのない常識の権化にすぎないんだよ。
何度も言うように、何千、何万っていうデータを漁って、そこから平均的な知をキミに伝えるだけだからさ。
AIは極端な考え方は、はじくようにできてるんだ。
だから、変人の作品や考えに触れるといい。
キミにそういう友だちがいれば幸せだ。
日本がなぜ、常軌を逸した発明や考え方を持てないか、LGBTQみたいな思想に反対するかというと、極端な考えを嫌うからだ。
英語で「デビルズ・アドボケイトdevil's adovocate」という言葉がある、直訳すると「悪魔の提言」という意味だ。
これは議論やブレーンストーミングなどでよく出てくるんだけれど、
いわゆる「トンデモ論」だ。
非常識だったり、タブーだったり、不適切だったりする意見のことだ。
日本はこれを嫌う。しかし、アメリカはこれを歓迎する。
日本の会議は多数意見で決まりだが、アメリカは、かなりこの悪魔の提言を採用する。
「過半数が賛成する意見など、ありふれていて、そんなの採用してもビジネスの成功につながらない」、っていう考えなんだ。
さて、キミはこれからの人生、どのくらい悪魔になれるだろうか。
今日も最後まで読んでくれて、ありがとう。
じゃあ、また明日会おう。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー