ひろゆきvsニューヨーク・タイムズ、仁義なき戦い。
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:ひろゆきがニューヨーク・タイムズに載った件。矛盾した報道と思えるニューヨーク・タイムズの真意を探る。突然のひろゆきニューヨーク・タイムズ登場のウラにある、アメリカの社会問題。トップ画はhttps://qr.quel.jp/pv.php?b=3A9NPIg
バイオレンス扇動者としてのひろゆき
ひろゆきこと、西村ひろゆき氏をニューヨーク・タイムズが取り上げたことが、日本のマスコミに報道され、反響を呼んでいます。
僕がこのことを知ったのは、ニューヨーク・タイムズWeekly2023年1月22日号The owner of a site linked to massacres is a Japanese star (大量虐殺に関係するあるサイトのオーナーは日本人のスター)という記事です。
この記事は少しトリッキー(批判している一方、持ち上げていて意味不明)なので、皆さんと共有しておきたいと思い、取り上げる次第です。
この記事は、タイトルからして悪意がありますよね。
この記事のトーンは、やっぱり、ひろゆきを責め立てているように思います
見出しの、大量虐殺に関連するサイト、とあるのはアメリカの4ちゃん(4chan)というサイトなんです。
ひろゆきがかつて日本で2ちゃんねるという、賛否ゴウゴウのサイトを運営していたのはよく知られています。
彼は、アメリカの4ちゃんという、まさに米版2ちゃんねるともいうべき、匿名ネット掲示板も買っているんですよ。
昨年春にニューヨークのバッファローにあるスーパーで、拳銃を持った男による大量虐殺事件が起きました。その犯人がこの4ちゃんで影響を受けていたというのです。
どんな影響か。
Qアノンとかの陰謀論や、白人優越主義です。
4ちゃんはヘイトやバイオレンスの巣窟だと批判されており、反社会的な主義主張の温床と見られているんです。
犯人を過激な狙撃犯に仕立てたのは、4チャンネルだ、というわけです。
そんなサイトのオーナーがひろゆきで、ニューヨーク・タイムズの責任追及をスルーしようとしていると批判しているのです。
4ちゃんの経営は、日本の法律が届かない非課税の部分があるのと、書き込み(英語でpostといいます)に関しては、アメリカの法律は運営側を守るんですね。
ひろゆきも「僕が経営にタッチしてから、法廷に出たことないよ、つまり経営は順調さ」とうそぶいている、とのこと。
世界の経営は人間性重視という流れですから、その急先鋒であるニューヨーク・タイムズがこれを追求したいのは、当たり前といえば当たり前です。
ニューヨーク・タイムズはひろゆきが1年間中央アーカンソー大学(University of Central Arkansas)で学んでいた1999年に、2チャンネルを立ち上げたことにも触れており、これは「アメリカで一体何を学んできたんだ」とでもいいたげです。
日本のウィキペディアを見ると、ひろゆきはこの米大学での1年は不本意だったようですね、教科書を読むだけだったと言ってますから。
アンチヒーローとしてのひろゆき
一方でニューヨーク・タイムズは、ひろゆきに賛辞も送っているんです。
曰く、
・2チャンネル創始者にして、現4ちゃんねる運営のひろゆきは、その率直な物言いで若者をインスパイアしている。
・ヒロユキ・ニシムラはガチガチの集団主義の日本で、自己中心主義の声を上げる希少な存在である。
・2チャンネルという巨大匿名掲示板の運営者として、ひろゆきは何でもかんでも人と違うことを言うことで、全国区のアンチヒーローになった。
スケープゴートとしてのひろゆき
この記事が興味深いのは、まさにアメリカの病巣がここに描かれていることです。
それは国が分裂しているという現実、Qアノンといった非論理的な、一種のカルト宗教とも目される陰謀論の勃興、ヘイト、白人優越主義です。
こうした社会問題が、2016年にトランプという怪物を生んだのは、衆目の一致することです。
そしてニューヨーク・タイムズはトランプの天敵として立ちはだかってきたことも、周知の事実です。
トランプは退却したように見えましたが、またぞろその亡霊が復活し、来年大統領選に共和党代表として登場しかねません。
ニューヨーク・タイムズはもうアメリカ国民に悪夢を見させたくないのです。
だから、日本人のひろゆきをスケープゴートにして、ウサを晴らしたかったのじゃないか、僕はそんな気がするのですが。
しかし、ひろゆきはひろゆきで、日本で論破王として君臨している、その片鱗でも見せてほしかったなあ。
とでも言ってくれれば、日本のひろゆきファンは溜飲が下がった、そう思うんですけどね。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
じゃあ、また明日お目にかかりましょう。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー