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外食業界はコロナ逆襲に参院選に代表を送り込め。
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:アメリカ外食業界の二大潮流。飲食業に今こそ必要なのは団結。レストラン業界に足りないものは政治力。
アメリカ外食業界、2つの流れ
アメリカで外食が本格的に再開したのが、昨年の春でした。
コロナが収まってきて1年たった今、米レストラン業界の流れは二つに分かれたように思われます。
一つは、コロナがきっかけでブレイクした、オンラインを使った注文が伸びていること、もう一つはフルサービスのレストランへの回帰が急速に進んでいることです。
オンラインのオーダーが伸びている証拠として、先日、KFC(ケンタッキーフライドチキン)が、つまりスマホアプリからの注文を可能にするソフトウェア会社を買い取ったことをあげました。
しかし、このケンタッキーフライドチキンの動きは、フルサービスの飲食店への需要が爆発していることに脅威を感じたからだと言われています。
フルサービスのレストランは実際、お客さんがどんどん戻ってきています。
コロナで長らく、レストランで一家団欒などできなかったうっぷんが爆発しているのです。
米飲食業界を守った”圧力団体”
フルサービスの飲食提供という王道は、コロナが期せずして飢餓感を煽り立てた分、価値を増したといわれています。
これを支えたのが、全米レストラン協会(National Restaurant Association)です。
この団体はレストラン業界の互助会のようなものですが、コロナ禍では会員の事業者たちに大きな貢献をしました。
具体的には、「米レストラン業界復活のための青写真Restaurant Industry Blueprint for Recovery to Congress」と題した、業界の意見や要望を取りまとめた提案書を米議会に提出したことです。
要するにレストラン業界を救うために、政治家にあれやれ、これやれと命じているのです。
スポークスマンがいない飲食業界
日本にもフードサービス協会的な団体はいくつかあるけれど、コロナ禍で会員企業に対して何をやってくれたというのでしょう。
フード&レストラン業界の意見、要望、反論を取りまとめ、政府に訴え、政治家を動かすような”圧力団体”が日本にないのは問題ではないでしょうか。
日本のフードサービス業界は、この2年間、理不尽で気まぐれなコロナ規制に振り回され、散々な目にあっただけ、ではないでしょうか。
業界の利益を代表する団体がないから、まったく業界の声が世間に、政府に届いていません。
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外食業界の皆さん、理不尽な時短は2年近くも続いたのですよ。もうあの時の苦しさを忘れたのですか。
おそらくまたパンデミックで時短だとか、閉鎖だとかが繰り返されるでしょう。コロナじゃなくても。
それでも何も動かない、飲食業界・・・。
参院選に代表を送り込め
「参院選に業界の利益を代表する人物を送り込みなよ」、そういいたいですね。
喉元過ぎれば熱さを忘れる、これが日本人の悪いところです。
コロナは収束してませんが、世の中無理やりコロナと共存しようとしている今こそ、いいタイミングです。
これまでの不満や文句や改善への要望をまとめて、外人記者クラブかどこかで記者会見なりしてコロナ禍を業界として振り返り、国民のシンパシーに訴えたらどうでしょう。
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僕の提案は、飲食業界はもっと結束し、政治的な力をつけるべきだということです。
今回のことで思い知ったのは、飲食業界の利益を代表して、政治家を動かしたことが一度もなかったこと、です。
散発的に、一部の企業が政府の方針に異を唱えたものの、それが大きな波にはなりませんでした。
いまこそ、飲食業界(フルサービスの飲食提供者と定義する)は、結束して業界団体を作り、自分たちの利益を守るべきです。
アメリカだけではなく、日本人もコロナ禍で思い知りました。
外食こそ、われわれに欠かせない、インフラなんだと。
飲食を通じてこころと身体に滋養とやすらぎと幸せを与えてくれるサービスは、かけがえのない存在なんだと。
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圧力団体というと、イメージが悪いかもしれませんが、そのくらい強面の存在感がある団体こそ、今こそ業界に必要ではないでしょうか。
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今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
では、また明日お目にかかるのを楽しみにしています。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー