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陸軍中野学校に見る人材論。
この記事を読んで高校生のキミが得られるかもしれない利益:大学の人的資源管理論、実況中継。スパイこそ現代最強の人材、という暴論からなにか得られるかも。
陸軍中野学校とは
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今日の講義は、陸軍中野学校だよ。
えっ?聞いたことある、って?
キミはスパイの素質があるな。
スパイに限らないけれど、興味があるものは、キミのアンテナに引っかかる。
興味があるってことは、素質があるってことなんだ。
スパイのもう一つの素質は、好奇心だ。
キミは好奇心があるから、中野学校というワードが入ってきたのさ。
さて、なぜ、人的資源管理の講義で中野学校をとりあげるのか。
それは、現代における最強の人材はスパイだと信じるからだ。
中野学校が、どんな人材を創りたいと考えたのかは、その教育内容を見れば、一目瞭然だ。
中野学校のカリキュラム
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不易流行をおさえること
僕は教育は、不易と流行つまり変わらない本質と、変わりゆく流行があり、本質に重点を置いて、両方教えるべきだと思っている。
中野学校のカリキュラムを大雑把に不易と流行に分けるとこんな感じだ。
不易(アップデート無用):語学(英語)、統計学、剣道、合気道、戦争論
流行(アップデート必要):海外事情、写真術、暗号解読、薬物学、解錠術
語学とりわけ英語の必要性は、スパイにとって情報を獲得するため手段であり、論をまたない。
統計学は数字で物事を意思決定できるツールであり、データで人を説得する基本となる。情報を取るには、人を数字で説得する必要がある。
剣道、合気道はスパイの護身術の最強兵器となる。竹刀のかわりにボールペンでも相手を制することができる。
合気道は最小の力で最大の防御が可能であり、接近戦で相手を傷つけずに制することでは、武道の王様だ。スパイに好適な武道と言える。
しかし、薬物学、暗号解読など日進月歩の技術は、常に最新のものにアップデートするしかない。
とにかく以上のカリキュラムは、スパイにとって肉体と頭脳を最強にし、情報を獲得するために必要不可欠と考える。
なぜ、キミにスパイの能力が必要なのか
それは、キミの世界観を創ることができるからだ。
スパイに必要なのは、世界観なんだ。
それは人間とは何かであり、物事の本質といいかえることもできる。
それをキミの言葉で表現したものが、世界観なのだ。
世界観は、キミだけのモノの見方であり、信念ともいえる。
世界観がなぜ必要か、それがないと他人を説得できず、情報ももらえないからだ。
スパイはたった一人で、外国に乗り込み、その国からまるごと秘密情報をもらってくることがミッションである。
そのためには、自分の世界観を国のトップたちに開陳し、感銘を与えるのだ。
世界観は、勉強と経験を通じてのみ、手に入る。
だから、中野学校のカリキュラムに沿って、キミも明日から自分を磨け。
できるだろ?
インターネット時代なんだから、できるよ。
またこの中野学校、続きます。
野呂 一郎
清和大学教授