大卒コンサル志望のキミは「体験知」で勝負しろ。
この記事を読んで大学生のキミが得られるかもしれない利益:大卒で能力で勝負したいキミはコンサル一択だ、という理由。なぜ、コンサルに海外経験が必須なのか。体験知、のすすめ。チャットGPTより英字新聞、の理由。
海外志向が減っている
一昨日テレビを見ていたら、「日本人の若者の海外志向が減っている」という特集をやってたよ。
いろんなデータがあるから一概に言えないけれど、番組は最新データから、日本人の留学希望者が減っていて、そもそも今の若者は海外留学などに興味がないのだ、と結んでいた。
僕の皮膚感覚や、把握しているデータでも、同様だ。
今の若者は80年代の若者に比べて、海外志向は目立って少なくなっている気がする。
ただ、もしキミがコンサル希望ならば、留学とは言わないまでも、海外経験を勧める。
なぜならば、もう海外に興味がない、ではコンサルはできないからだ。
日本が食われる時代
今後、日本市場はますます海外ファンド、コングロマリット(多国籍企業)から狙われるだろう。なぜならば、先進国市場は飽和しつつあるからだ。
例えばスターバックス。
もう日本進出20年になるが、「アメリカ全土の四つ角という四つ角には、スターバックスがある」と言われて、つまり市場が飽和して、日本に来ざるを得なくなったのだ。
もう一つの理由は、業界再編がますます加速して、大が小を食う弱肉強食が常態化しているからだ。
日本企業も海外資本の傘下に入る流れは、実際加速しているよね、シャープが台湾企業になるなんて、誰が想像できただろう。
きみがコンサルとして活躍する、この時代は、日本企業全盛の時代じゃないんだ。
日本も海外企業もない、企業すべてがグローバルな生き物として認識する必要がある。
そのためには、海外経験が、欠かせない。
ディズニーのコンサルができるか
あるところから、いま、ディズニー社(Walt Disney Co.)について調べてほしいと依頼があり、今それに取り掛かっている。
会社の現状と問題点を言うと、次のとおりだ。
近く辞任するCFO(Chief Financial Officer財務のトップ)と、CEO(経営トップ)が戦略をめぐり対立している。
それは、ディズニーの3事業(テーマパーク、出資しているスポーツ&エンタテイメントチャンネルESPN、ストリーミングサービス事業Disney+Hulu)のポートフォリオ(予算配分)をどうするか、という問題だ。
もちろん、キミはディズニーのパークは行ったことあるよね。
シーでも、ランドでも、ね。
ESPNもイギリス・プレミアムリーグ中継をしているから聞いたことあるだろうし、ストリーミングだって、Huluだって知っている。
でも、その知識だけじゃ、ディズニー社にコンサルを頼まれたり、日本企業から「ディズニー社を分析してくれ」と言われて、正しい答えを出せない。
そりゃ、財務諸表を見れば、それなりのことを言えるよ。
でも、今後のディズニーの出方、新しい戦略がどうなるかを教えてくれ、と言われて気の利いたことを言えなければ、コンサルは失格なんだ。
体験知が求められている時代
キミに必要なのは、本場のディズニーランドに行くことだ。
カリフォルニア州アナハイムにあるディズニーランドの本拠地、そしてフロリダのディズニーワールド、だ。
これを体験しないと、ディズニーはいくら数字を分析しても、わからないよ。
そしてアメリカ企業ってさ、連邦政府や州との関係も重要なんだ。
ディズニーは、今、ディズニーワールドがあるフロリダ州と法的および政治的事案をめぐり、大喧嘩しているんだ。
フロリダ州知事は、今話題の時期共和党大統領候補の、ロン・ディサンティス(Ron Disantis)氏だよね。
ここらへんを理解するためにも、ディズニーワールドに行って、フロリダっていう地域を身体で感じることが、欠かせないって。
そう、コンサルティングビジネスに限らず、今の時代は「体験知」が重要なんだ。
チャットGPTの時代だからこそ、「体験知」がモノをいう。
AIはそんなのないだろ?
ついでに言えば、良質のジャーナリズムに親しむことだ。
よくMBA、MBAって、特にハーバードMBAを振り回す人がいるけれど、僕に言わせればちゃんちゃらおかしいよ。
ビジネスの世界は日進月歩なんだぜ、常に最新情報を取らなきゃ、いくら立派なMBAだって使い物にならないよ。
考えてごらん、10年前のMBAのマーケティング知識と、今のそれじゃあ、まったく違うんだぜ。
それなのにハーバードとか、おかしいって、日本人の権威主義はどうにかならんかねぇ。
だから、キミはMBAはいらないって、The Wall Street Journal読んでりゃいいよ。
さて、明日はそのディズニー社を、The Wall Street Journalの情報だけで読み解いていくよ。
どんだけ良質なジャーナリズムがくれる情報が、いい分析、そしていいコンサルティングにつながるか、見せるから。
って自信満々だな(笑)。
まあ、行きがかり上、許してね。
とにかく、コンサルは情報が勝負だ。
その根幹にあるのが、体験値さ。
体感でゲットした、自分の身についた情報だよ。
チャットGPTはね、最新情報をゲットするのが遅いっていう、リアルタイムは特に無理っていう致命的な欠点があるんだ。
最新情報どころか、現在情報だって正確じゃない。
それより、とにかく体験値、だって。
20代に海外に行って、体験値を増やすことをすすめるよ。
そうすれば、キミのコンサルとしての将来はすごく明るいよ。
じゃあ、また明日ね。
あ、そうそう、The Wall Street Journalは購読しないといい記事は読めないから、学生のキミには、これを毎日読むことを勧めるよ。
USA Today、だ。
これは日本人にもとても読みやすい英語で書いてあるし、無料の経済情報としては、トップレベルだからだ。
USA Todayと検索して、上のタブのMoneyってところをクリックすると、いい経済情報が手に入るよ。
これを毎日読んで考えるほうが、ハーバードMBAよりも実質的な思考力が身につく、それが僕の持論なんだ。
これは絶対に、キミをコンサルトして差別化する。
なぜならば、こんな簡単でお金のかからないことだけれど、誰もやっていないからだ。
野呂 一郎
清和大学教授