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ロナルドの茶番はマーケティングだ

わざとらしいパフォーマンス

サッカー界でにわかに耳を疑うようなニュースが飛び込んできました。ネットのヘッドラインを引用します。

サッカーのユーロ2020に出場しているポルトガル代表のクリスティアノ・ロナルドが、6月14日の記者会見で席上に置かれていたコカ・コーラのボトルを脇にどけ、代わりに水を飲むように呼び掛けた。 他の選手もこれに続いた。フランス代表でイスラム教徒のポール・ポグバは、試合後にハイネケンのボトルを会見時のテーブルから下ろした。イタリア代表のロカテッリもコーラのびんを2本動かしたが、カメラに映る場所からは動かさなかった。 

主催の欧州サッカー連盟(UEFA)にとって、一連の出来事は大きな恥だった。UEFAはコカ・コーラ社が水を含め多様な飲料を製造している、との声明を出し、同社を擁護せざるを得なくなった。

物議を醸すマーケティング

もう20年ほど前から、テレビドラマの劇中で主人公が製品ロゴのついたジュースを飲む、ブランド自動車を運転する、テーブルの上にさりげなく○○製の花瓶をおくといった、いわゆる「プレイスメント広告」が一般的になっています。サッカーの記者会見の机にコカコーラを置くのも一つのプレイスメント広告といえるでしょう。

今回は選手がわざわざそのコーラをどけて、「水を飲め」とやったわけです。僕はこれはとても選手たちの気まぐれ行動には見えず、プレイスメント広告の数年後にでてきた、いわゆるコントラバーシャル・マーケティングではないかと考えています。

コントラバーシャル(controversial)とは物議を醸す、という意味で、わざわざあざといシチュエーションを演出してそのサプライズ効果で商品を印象づけるという手法です。

インパクト抜群だった「お前、平田だろう」

しかし、そのことを指摘しても、メーカーや当事者は「違う」と否定することがあるので厄介です。

まるで昭和のプロレスで、藤波辰爾が正体バレバレのスーパー・ストロングマシンに向かって「お前、平田だろう」と言っても、マシンは黙っていた、ああいうことがよくあるので、コントラバーシャル・マーケティングの真偽はわからないことが多いのですが。

例えば、もう10年も立つでしょうか、大塚家具の父娘対決、ありましたよね。父娘が経営方針を巡って対立、悪口を言い合う。あれで大塚家具は大きな注目を集めました。

最近の雑誌のインタビューではお父さんは「お互いわかってた」などという発言をしていますから、コントラバーシャルではなかったかと思います。

「水の先」を考えてるネスレ

さてしかし、このサッカーの茶番はコカコーラの株価を落としました。しかしそれは織り込み済みでミネラル・ウォーターを売るためとしたら、ちょっとコカコーラさん考えが浅いと思うんです。

その訳はあす、世界最大の食品・飲料メーカーネスレの「水・戦略」をご紹介することでわかっていただけると思います。

今日もお読み頂き、ありがとうございました。
明日またお目にかかりましょう。

                             野呂一郎

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