ノーベル賞・真鍋氏発言で考えた学問としての「プレ留学準備論」。
この記事を読んで高校生のキミが得られるかもしれない利益:留学したくなるかも。外国に長期間行くなら持っていくべき知識があることの理解。海外経験を含めたキャリアのつくり方。
真鍋発言でクローズアップされた日米教育環境の差
真鍋氏が「僕は協調できないから、日本に帰りたくない」発言が話題になっているよねー。
朝のワイドショーで、この発言にちなみ、日米で教育を受けた識者が様々な発言をしていた。
ひとつ思ったのは、アメリカの教育と日本の教育はいい悪いは論じないけど、この2つはやっぱり違う、という事実だ。
でも、日本人、特に君たち若者はその教育を受けるべきだと思う。なぜならば、それは彼ら彼女らの強さの根源であり、日本と劇的に違い、総じてレベルが高いからだ。
キミの知能も能力も高くなると思う。
英語で勉強することにより、深く学べ、考える力が強化されるからだ。日本のそれよりも。なぜならば、英語は論理に重きを置く言語だからだ。(いい悪い論じてるなあ(笑)
その教育を通じて、「文化の違い」というこれからますます加速する国際化社会に欠かせない、実体験と感覚も得ることができる。
でもそれを受けようと思うと英語の壁だとか、安心、安全の問題だとか、生活の問題だとか、色々な問題がある。
アメリカに行くなら、まず知的武装を
結局さ、僕も含めてなんだけれど、高校3年生でスタンフォード大学に入学しました、メジャーの教育リーグに入りました、ジュリアーノ音楽院に受かりましたなんていう高校生は、とびきり優秀はもちろんのこと、資金面の心配をクリアしているんだよね、まず。
それにプラスして向こうでやっていけるだけの、語学力、文化対応力があるわけだ、少なくともその自信がある。
でも、興味があるけれど、さっき行った理由で諦めちゃうのはとっても、もったいないと思う。
もっと根本的な問題が留学決意の邪魔をしているんだ。それは「自信がない」ってことじゃないかな。
例えばアメリカで4年間の大学生活、2年間のMBA学習やっていけるのか、いやその前に、どういうメリットがあるのか、いやその前に、生活、学習していく上でこれに気をつけろとか、やっちゃいけないこととか、取るべき態度とか、教えてくれる人がいたら、すごく行きたいというモチベーションが上がるんじゃないかな。
将来のキミのキャリア設計も含めて教えてくれたら、もっといい。
みんなそれを知らないで行って、痛い失敗をするんだ。
僕もそうだったけれど、それは無駄な失敗であることが多い。
もちろんね、留学の業者がそういうことを教えてはくれるよ。でも、勉強の実戦に即したことを教えるところは皆無だ。
僕が提案したいのは、その教えを一つの学問にすべきだ、ということなんだよ。例えばこんなイメージだ。大学の単位にするんだ。2単位。
仮に米国でMBA取得に興味があるキミに対して、こういうプログラムはどうだろう。
講座タイトル(仮):実戦的プレMBA留学準備論
目的:外国への留学前に知っておくべきことを実戦形式で学び、留学経験の果実を100%にし、キャリア形成においてのモデルプランを学習者に考えさせる。留学に興味などないが、講座に興味のあるものも歓迎
形式:講義、討論、ケース分析
期間:90分✕15回
単位数:2
内容:
1. アメリカの歴史と文化(アメリカ人の価値観、トランプ現象、格差と分断の現実)
2. 異文化コミュニケーションとは何か:(欧米流コミニケーション基礎)
3. 社会的に受け入れられる態度、言葉遣い論
4. 差別論
5. 現代アメリカジェンダー論
6. 社会的に受け入れられる学生としての態度論
7. アメリカMBA教育の特徴と現況
8. 英語ライティング基礎
9. 各科目の特徴と、履修メリットについて
10. 各科目ごとのターミノロジー(terminology専門用語)プレ解説
11. MBA履修後のキャリアプラン論(日米私企業、国際機関への就職、教育キャリア起業など)
12. 帰国後日本でキャリアを積むときの留意事項論
13. ディスカッション
14. ケーススタディ(ある日本人が留学したメリットを活かせずに、アイデンティティ喪失、日本社会不適合でPTSDを患ったケース)
まあ、大雑把だけど(笑)、でもポイントがあるよ。
それは各項目を「論」としたことだ。これは未完成ということと、多様な視点を乗せて発展していくという意味合いを含ませているんだ。
日本人は、留学に際してしなくてもいい苦労をしてるよ。
でも、この講座を受ければ大門未知子じゃないけど絶対に失敗しない。
でもこれはMBAの予備講座的なものだから、大人に向いていて、君たち向きじゃないかもしれない。
でも、高校生がアメリカの高校に留学する際にも参考になるだろう。僕はしたことないから、カリキュラムは今回できなかったけれどね。
僕がいいたいのはさ、国際性とか、留学のメリットとかしきりに今言われるけれど、それを前もって学習することができるということ。
でも、その体系的なものがないんだ。
経験の前に知識として理解する
もちろんその手の本はたくさんあるよ、専門家もいるよ。でも、変化に対応していないし、学問体系としてできてないから、浅いんだ。
学問体系としてできているってことは、いろんな議論で深めていくフレームワークや理論があるってことなんだ。
もちろんそれは新しい学問だから、最初は仮説になるだろうがね。
そして、もう高校生の君たちには大人の知性がある。
英語で生活していくだけじゃ、気づかない、わからないことがたくさんあるけれど、ある学問の枠組みとして勉強すると、一気に全てわかるんだ。
例えば差別やジェンダーだって、歴史と現状がわかり、かつ、今具体的にどういう態度を取ればいいかってことに結びつく。
歴史と現状両方大事だ。
例えばなぜアメリカが差別にそれほど反対するかは、1964年の公民権法までさかのぼる。それが現状のトランプがきっかけになった格差と分断の問題につながっている。
知識も体系的に学べば、実戦に備えることができる。
こういう体系がないから、日本人は向こうへ行って苦労する。
もしこの15回のカリキュラムが優れていたら、理論だけなら留学と同等の学習ができるはずだ。下手をするとね、4年間アメリカで留学しても、気づかない内容だってあるんだ。
すでに、このカリキュラムの一部には、僕の大人向けの記事で触れている。興味があったら読んでほしい。URLだけじゃなくて、ちょっとうざいけど、絵も入れとくよ。読みたくない人もなんとなくわかるように。
僕が今日キミたちに言いたいことをまとめると以下になる。
1. アメリカ留学(短期、長期、遊学含む)する前には、色々な予備知識があったほうが、留学の経験はずっと豊かになる
2. 留学や外国に興味がないのは、知らないからだ。「プレ留学論」を履修すべし
3. 留学する前に安心、安全面をどうするかを徹底的に考えるべきだ。安易に留学成功者に憧れる必要はない。彼ら彼女らは幸運にも無傷だったのかも
4. 行く前に文化とは何か、異文化とは何か、アメリカ文化とは何かを歴史と理論の両面から勉強すると、留学の果実が美味しくなる
5. もちろん留学しないとわからないことはたくさんある。しかし、君たちの知性を使って、理論にふれたり、ディスカッションしたりすることで、なぜ異文化でこういう言葉を使ったり、行動しなくてはならないかが見えてくることも多い
6. 留学の前に絶対考えておくべきことは、キミのキャリアのなかに、留学をどう位置づけるか、ということだ。それは、留学のメリット、デメリットを事前に学び、ケース等で成功、失敗例をたくさん知ることによって、位置づけることが容易になる
今日も最後まで読んでくれてありがとう。
留学するなら、慎重に、ね。
野呂 一郎
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