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プロレス&マーケティング第63戦 世界を動かす猪木とトランプの共通点としての「怒り」。
この記事を読んであなたが得られるかも知れない利益:最も強力なマーケティングは「怒り」だ。トランプがなぜこうも強いのか。悪役だがこれだけ支持を集めるのは「怒り」があるからで、それはアントニオ猪木と共通する。両者の禁断の比較を行う。トップ画はhttps://qr1.jp/0rWNP5
なぜ、トランプが強いのか
少しでも常識や良識があるアメリカ人ならば、2021年1月6日に暴徒がアメリカ合衆国議会議事堂に乱入し占拠し5人が亡くなった事件、これは明らかにトランプが先導した犯罪と断じるでしょう。
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でもスーパーチューズデー(予備選最大の決戦)の大勝利で、トランプが事実上共和党の大統領候補になったことは、皆様ご存知のとおりです。
一部メディアの調査では、この既成事実となったバイデンvsトランプの再対決の行方を、僅差でトランプリードと伝えています。
何の根拠もないのに、「バイデンは選挙結果を盗んだStop the steal!」などと叫び、暴徒を政治の府に乱入させあまつさえ犠牲者を出した犯罪者を、なぜこうも、常識も良識もあるはずの米国民が支持しているのか。
それは、あえてプロレス的に表現すると、トランプが「怒り」を持っているから、です。
人々は怒りを待望している
なぜ、ロシアやイスラエルの大量殺戮を止められないのか。
なぜ、少子化する日本をどうにかできないのか。
なぜ、旧統一教会と癒着し、裏金問題を隠蔽する自民党を徹底追求できないのか。
なぜ、意味不明なスパイ法などで、無実の日本人が拘束されなければならないのか。
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リーダーたちは、手をこまねいているだけです。
何とかするというポーズはとるけれども、結局及び腰なのです。
一番問題なのは、リーダーが本気じゃないことなんです。
言い換えると、「怒りがない」のです。
いまもっともリーダーに求められているのは、「怒り」なのです。
怒りとは、真剣な問題意識の表明のことです。
誰もウクライナの状況に、自民党と旧統一教会との癒着に、裏金隠しに、真剣な怒りをぶつけません。
本当の怒りとはポーズではなく、それをしつこく行動で示すことですが、誰も「怒り」すらしません。
トランプが支持されているのは、彼が「怒る」からなのです。
猪木という怒り
なぜ、アントニオ猪木がプロレスというジャンルを超えた影響力を持つに至ったのか。
死後も、語り継がれる存在でいるのはなぜか。
それは、猪木が「怒った」からです。
何に怒ったか。
プロレスを八百長と軽んずる世間に。
プロレスをスポーツとみなさないマスコミに。
プロレスを「ショーに過ぎない」と言われ言い返せないファンに。
プロレスをコミックで演じるレスラーたちに。
極限までに心身を鍛えないレスラーたちに。
プロレスなんて格闘技じゃないとバカにする、他の格闘技者たちに。
猪木の怒りは、持続的な行動が伴ったという意味で、本当の怒りでした。
猪木の怒りは行動を伴い、その究極が、当時のボクシング世界ヘビー級王者モハメド・アリとの真剣勝負でした。
負ければ、猪木もプロレスも終わり、というまさに命がけの、勝負だったわけです。
トランプも猪木には及ばないが
猪木はほぼ半世紀にわたり、つねに怒り、行動でその怒りを人々に伝え、教化してきました。
トランプも、猪木には及びませんが、怒りを行動にうつします。
大統領就任直後に、メキシコとの国境に巨大な壁を作り不法移民を防ごうとしたのが、その象徴的な例です。
今は「ウクライナへの支援停止」をがなっています。
大統領になったらおそらくやるでしょう。
トランプのやっていることはことごとくが独裁者のそれで、民主主義への脅威に過ぎない、そう考えるものですが、彼が米国を二分するだけの影響力をもったのは、「怒り」のおかげなのです。
見当外れだろうが、独裁者のそれだろうが、民衆は「怒り」に飢えているのです。
それが表面的なものであっても、「怒り」を表明できるリーダーにすがりたいのです。
怒りとは、「究極的な感情の発露」のことです。
人々が求めているのは、それなんです。
でも、いまそれがわかっているのは、トランプだけ、ということなんです。
政策や理念、マニフェストなんてどうでもいいんです。
それはトランプが証明してるでしょ。
見当違いであろうが、独断であろうが、独善的であろうが、独裁的であろうが、「怒る」リーダーこそが今求められているのです。
申し上げたように、猪木のほうがトランプより真剣な怒りだったのは、その怒りのテーマが広く共感を呼んだこと、半世紀にわたり言行一致だったことが理由ですが、またこのテーマは後日やりましょう。
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とにかく、真剣に怒れるキミ、今から4月解散総選挙に備えて、その怒りを燃え盛らせろ。
そして、怒りをもとにマニフェストを作り、一人政党を名乗って国政選挙に立て!
キミの時代が始まる。
野呂 一郎
清和大学