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「AIおばあちゃん」でオレオレ詐欺を撃退せよ!

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:日本と同じく、イギリスでも日本のオレオレ詐欺と同じ、電話詐欺に引っかかる老人がひきもきらない。そこででてきたのが、AIおばあちゃん。犯人をその気にさせるが、決して騙せない。毒を持って毒を制す、ってAIも使いようということだ。参考:ニューヨーク・タイムズWeekly 2024年12月8日号 AI-generated granny, designed to waste time(AI仕様おばあちゃんが詐欺師たちにムダな時間を使わせる)トップ画はhttps://x.gd/Tb0Mw

AIおばあちゃん登場

AIおばあちゃんとは何でしょ。

それは文字通り、AIが作ったおばあちゃんです。

おばあちゃんはおしゃべり好きで、小鳥の世話がスキで、庭いじりが趣味です。

https://x.gd/3PCEg

年に似合わず、すごいスタミナがあって、長電話もへっちゃら、あなたが「おばあちゃん元気?」などと電話したら最後、3時間はつきあわされます。

そう、もう賢いあなたは気がついてますね、このAIおばあちゃんは、電話詐欺撃退の仕組みで、イギリスの広告会社VCCPが開発した新しいサービスです。

電話のセキュリティを専門とする会社Hiyaによれば、電話での詐欺(日本で言われているところの「オレオレ詐欺」)の被害総額は昨年で1兆ドルに達しました。

銀行口座の詳細、暗証番号、その他の個人情報を盗み取られているのです。

日本と同じように、高齢者がカモになっており、イギリスでは75歳以上の40%が、毎月いや最近は毎日電話詐欺の被害にあっているのです。

年配者も今はネットを使っており、詐欺師たちが彼ら彼女らの電話番号を探し当てることは、比較的簡単です。

犯罪防止にAIの可能性を見た

おりしも日本では、闇バイト問題で、警察が身分を偽って事案に介入し、犯人逮捕につなげる合法的な制度が立ち上がりました。

AIおばあさんにも、一枚噛んでもらったらどうでしょう。

手順としては、

1.闇サイトを装ってAIおばあちゃんの電話番号を大量に、ネット上に流す。

2.賊たちがその電話番号にかけると、AIおばあちゃんにつながる。

3.おばあちゃんは延々と、世間話をするが、時折詐欺に引っかかるふりをするので、犯人たちは、つい話し込む。

気がつくと1,2時間経過しており、犯人にムダな時間を使わせミッション成功

という流れです。

ムダな時間を使わせるシステムを構築せよ

このAIおばあさんの仕組みも、通常のAIと同じで、勉強をさせることが全てです。

重要なのは、詐欺師に電話を切らせないような、つまり、いいカモをゲットした、と思わせるようなおばあちゃんのキャラ作り、です。

https://x.gd/KDWRh

システムを開発した英国の広告会社は、社員のおばあちゃんを使って、AIに勉強させたそうです。

AIおばあちゃん作りのポイントは、こんな感じです。

・IT音痴を装おう
・家族情報をもたせる
・ガーデニングとか編み物などの、おばあちゃんらしい趣味をもたせる

前掲ニューヨーク・タイムズ

しかし、英国での電話詐欺は一向に減らず、AIおばあちゃんも焼け石に水、のようではあります。

読者の皆様は、「フン、どうせ、犯人たちもAIおばあちゃんとやらのパターンを読んで、すぐ電話きるようになるさ」と、おっしゃいますよね。

僕もその通りかと思います。

ただ、オレオレ詐欺のやばい奴らも、ひんぱんにパターンを変えてくるように、そこは、駆け引きと言うか、狐と狸のばかし合いになると考えます。

少しは抑止力になるのではないでしょうか。

人間の構想力がAIを活かす

えっ?「いつもAIの悪口しか言わないおまえが、宗旨替えをしたのか?」、とおっしゃるのですか。

いや、NHKの「AIが今日の主要なニュースを読み上げます」は、ちょっと、ですが、このような社会に有益なシステムを作ってくれるAIは歓迎しております。

https://x.gd/25xHi

ただ、今回のAIの活用法でも、まずは人間の構想力が重要ではないでしょうか。

詐欺師軍団をだますには、まず、AIおばあちゃんのコンセプトを構築し、次ににどんな情報を与え、どんな教育を施すか、を考えなければなりません。

この構想力がなければ、AIは機能しないでしょう。

あくまで人間が機械をコントロールすることを忘れてはならない、そう考える次第です。

野呂 一郎
清和大学教授


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