日本企業オフィス改革論:まずは断捨離、次に5Sで攻めろ。
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:製造業は相変わらず世界に冠たる日本だけれど、オフィスの生産はさっぱりなのはどうして。世界一の生産管理の手法をオフィスに応用すればいいのに。
5Sこそ世界に誇れる日本の技術
工場にたずさわる皆様なら、先刻ご承知のおなじみ5S(ごえす)ですが、これをオフィスに応用すれば、日本は復活すると思うんですよ。
授業でもよく見せる、5Sのスライドを見てみましょう。
5Sとは整理、整頓、清掃、清潔、しつけ、のことです。
これが日本流の生産管理の基本なんですよね。
これは工場の生産性を上げる基礎なんですが、これをオフィスに応用するとは、他ならない皆様のデスク周りを5Sする、ということにほかならないのです。
まずは5Sの前に、断捨離ですかね。
いらない書類や紙を捨てましょう。
そして資料を整理、整頓しますが、その前にデスク周りをきれいに清掃して、清潔にしましょう。
清掃、清潔って、神道の考え方という説があります。
神は不浄を嫌い、神を迎える側はお社を掃き清め、清潔に保つことがまず求められるというわけです。
日本人は高校生でもグラウンドには神が宿ると知っていて、入るときには一礼をし、内野の土をトンボでならします。
強いチームには、そうして招いた野球の神が降りてくる、というわけです。
整理、整頓が運を呼ぶ
神様はおおげさだというのならば、人間の感覚で考えてもわかると思うんです。
職場の清掃をし、清潔に保つことは、お客さんを気分よくさせます。
それがオフィスであれ、あなたの部屋であれ、お店であっても、そこがきれいに掃除されて、清潔が保たれていれば、尋ねてきたお客さんの気分は間違いなくよくなりますよね。
働く人の気分がいいのはもちろん、周りの人、お客様も気持ちがいい、これって運を呼び込むシステムなんです。
なぜならば、運をよくするには、みんなの気分をよくするってことが、いちばん大事なことだからです。
その人の周囲が清掃されて、清潔になっていれば、そこにいる人、来た人はみんないい気分になります。
逆を考えてみれば明らかでしょう。
あなたのデスク周りが汚かったら、清潔さが感じられなかったらどうでしょう。
原稿を頼もうとやってきたマスコミの人は、考え直すでしょう。
コラボを申し込もうと来社した同業他社の大企業も、急に用事ができたと嘘をつき、逃げるでしょう。
運が逃げるとは、こういうことなのです。
しつけ、とは、整理、整頓、清掃、清潔を習慣にさせるような、組織のしくみのことです。
定期的に5Sができているかパトロールしたり、社内サークルを作らせて自主的に5Sに関わらせたりする、企業努力のことです。
5Sオフィスで生産性は爆上がりだ
おそらく。
でも、日本企業って、工場はうるさく5Sっていうのに、なぜオフィスではやらないんでしょうね。
個人のデスク周りは「聖域」だからかな。
プライバシーに踏み入りたくないなら、せめて半年に一度くらい、「全社一斉断捨離デー」みたいなイベントをやればいいのに。
あ、一つ言うのを忘れた。
もちろん、皆さんのパソコンの中も断捨離、5Sを忘れないでくださいね。
野呂 一郎
清和大学教授