セレブ・マーケティングのからくり。
この記事を読んで高校生のキミが得られるかもしれない利益:セレブ・マーケティングとは何か。日本もアメリカもこれからのアスリート、芸能人、そしてキミが絶対やっちゃいけないこと。なぜ性懲りもなく、人はまた愚かなことをやるのか。セルフブランディングの要諦とは。トップ画はhttps://qr.quel.jp/pv.php?b=3IYiE6x
セレブ・マーケティングの愚かさ
きのう米・仮想通貨のCMについて、経済弱者を危険な投資に駆り立てる「悪のマーケティング」だ、と断罪したんだけれど、ある意味でこれは「セレブ・マーケティング」でもある。
セレブマーケティングとは、芸能人、アスリート、インフルエンサーなどに企業の製品やサービスに対し”エンドースメント”(endosementプラスの評価、肯定的コメント、賛同)”を与えさせ、人々を信用させようとする企みのことだ。
ニューヨークのシラキュース大学(Syracuse University)准教授で、広告が専門のベス・イーガン(Beth Egan)さんは「こうしたエンドースメントはセレブたちにリスクがあるわ」という。
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彼女はこう続ける。
「仮に仮想通貨業界のブームが続いていれば、仮想通貨をほめそやしたセレブたちも拍手喝采だけれど、低調が続けば、セレブたちの評判にも傷かつくわ。私がセレブだったら、この手のバイトを引き受けるかまず考えるわね」。
これはまったく僕の考えと同じだ。
ナゼ、人は同じ過ちを繰り返すのか
日本でもアメリカでも、この手のトラブルは今に始まったことじゃない。
ナゼ、懲りないのか。
僕の好きな福本伸行先生の漫画に、いや「カイジ」じゃないよ、「銀と金」という傑作がある。
これは銀さんという隠れた主役が、表の主役である「森田」にこんなことを言う場面だ。
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森田に悪どいカネもうけを指南する際の言葉なのだが、これはまさに人間の本質をついていると思うんだ。
「森田よ、
人のスキをつけ・・・!
欲望が飽和点に達した時
人の注意力はもろくも飛散する・・・!
そこを撃て・・・!」
みんな、「絶対儲かる」なんていう投資話には気をつけているさ。
でも、ラクして儲けたいという欲望がどっかにあるから、たまたま仲のいい友人に誘われたら、つい乗ってしまう。
セレブはいつもキミがテレビで、ネットで見ている友達と同じだ。キミのガードはもろくも崩れる。
おそらく、こうしたベタなセレブ・マーケティングはこれからも続くし、一攫千金を匂わす投資話に騙される人々はなくならない。
ブランディングがわかってないセレブたち
パリス・ヒルトンも、このクリプトCMに一枚噛んでる。
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なにせあの甘いささやきで、クリプトの取引を賛美するんだ。
彼女の1700万人のフォロワーはイチコロさ。
きのうも言ったけれど、今回関わってるセレブ全員がダンマリだと言う。
それはさ、個人ブランディングの観点から、あまりに芸がないよな。
いや、何も難しいマーケティングの理論を出すまでもない。
「正直が最良の策(Honesty is the best policy)」っていうことだよ。
ニューヨーク・タイムズ2022年6月5日号は、仮想通貨業界をこう描写する。
「The crypto market is volatile and rife with scams.仮想通貨マーケットは変動が激しく、詐欺が横行している」
「銀と金」の銀さんならば、こう訳すだろう。
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「この業界は絶対なんかねえのさ。きのう儲かっても、きょう儲かるとは限らない。そしてカネの匂いにつられて有象無象が跋扈する世界だ。素人がうっかり手を出そうもんなら火傷するぜ。」
ちょっとひどい訳だったかな。
さて、明日は、このマーケティングについて、学問的に解説しよう。
今日も最後まで読んでくれて、ありがとう。
じゃあ、また明日会おう。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー