”ローラーゲーム”でわかった保険の秘密。
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:意外なところで”ローラーゲーム”を発見したよ、海外渡航保険だ。危険なスポーツに従事するアスリートに法的、制度的なサポートを作るべきという主張。ローラーゲーム復活待望論。トップ画はhttps://qr1.jp/hwiTRr
保険のひみつ
そんな言葉、どっかで最近聞いたよね。
聞いてくれよ、高校生のキミ。
おれ、保険の秘密がわかっちゃったんだ。
それは今日さ。
学校の研究室で、来月中国に行くんで海外渡航保険みたいなのを探していて、某大手の商品が気に入り、ネットで手続をしていたんだ。
そんときに「免責事項」ってやつに出くわした。
要するにあなたが以下の特殊な条件に該当すれば、保険金はおりませんよ、という但し書きだ。
こんな条項があったんだ。
プロレスラーもわかるし、プロボクサーも、力士もわかる。
でも、「ローラーゲーム選手」って!
一斉を風靡したローラーゲーム
ローラーゲームとは、わかりやすく言えば、ローラースケートを履いたプロレスのことだ。
それは1970年前半、日本中で大ブームになったんだ。
5名で構成されたチーム同士の対戦となり、幅3.6メートル、1周40~70メートルのトラックで行われ、得点権利者が何人抜き去ったかで競い合うのだが、タックルやパンチ、キック、膝蹴りは当たり前、時に選手同士の乱闘が、チーム全体に波及し、もう毎回新日本vsUWFみたいになるんだ。
下の映像は日本人&日系人のチーム、東京ボンバーズが、ニューヨークサンダーバードと戦っている試合だよ。
もちろん、元々はアメリカ発祥のスポーツでローラー・ダービィー(Roller Derby)という。
今は危険な行為は禁止されて、女性主体のスポーツになっていると聞くけれども、この頃はまさにローラースケートを履いたプロレス、だ。
日本のローラーゲームのホームリングはどこだか知ってる?
何と武道館なんだ、日本武道館。
「純粋な武道じゃない」、と言って極真カラテにさえ、その頃は興行を許さなかった日本武道館が、なんでとんでもない過激な海の物とも山の物ともつかぬスポーツに会場を貸したか、ナゾだ。
最盛期はね、毎週のように武道館でローラーゲームの興行があり、僕は毎回欠かさずに見に行ってた、下手するとプロレスより観戦機会が多かったかもしれない。
ローラーゲームでわかった保険のひみつ
今日はローラーゲームの話じゃないんだ、保険の話なんだ、すまんすまん。
そういうことなんだ、この免責条項に「ローラーゲーム選手」って書いてあったってことは、保険のひみつ、論理ってのはアメリカが源流なんだってわかる。
そうか、日本の保険会社は、アメリカの保険理論を下敷きにして、一部はこの免責条項のように、そのまま残っているんだね。
でも、ちょっと時代に合わないところがあるんじゃないのかなあ。
それは、マイノリティっていう差別の問題だよ。
ローラーゲームとプロレスが世界を救う
この免責条項にはっきり書いてあるよね、プロレスラーとローラーゲーム選手は事故にあっても保険金おりないよ、って。
もちろんそれだけ危険なスポーツだからなんだけれど、大怪我や死亡のリスクさえあるからなんだけれど、でもこれって新しいマイノリティ差別じゃないのか。
今の時代、ビジネス論理にかなっていれば、すべてOKってわけじゃない。
ローラーゲーム選手、プロレスラーも、等しく保険の恩恵に預かれないとすると、これは憲法に定める法の元の平等に反するし、差別じゃないかとするリクツがあっていいのじゃないか。
この間、「20年後にはガソリン車が復権する」と予言(笑)した時に、「これからは超ストレスの時代、人をハッピーにする存在は人間国宝だ」というようなことも申し上げた。
体を張って、僕らを楽しませてくれるプロレスラーが保険も貰えないっていう現実は、未来志向ではないと考える。
そして、この免責事項に書いてある”ローラーゲーム選手”は、どこへ行ってしまったのだ。
高校生のキミに、ゼヒ復活した”東京ボンバーズ”を見てほしい。
今日も暑かったね、でも夏は青春の季節、キミたちはむしろ楽しいかもしれない。
僕もそうだった、特にローラーゲームのあった夏は。
じゃあ、また明日会おう。
野呂 一郎
清和大学教授
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?