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なぜもっと早く三笘選手のユニを売らなかったのか。
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:日本人の特徴とは何か。イングループ志向をマーケティングに利用する方法。トップ画はhttps://qr.quel.jp/pv.php?b=3VLBgvQ
アメリカ人に教わった「日本人とは何か」
先日カタールW杯にかこつけて、イングループ(in-group 身内)、アウトグループ(out-group よそ者)という話をしました。
広告とはイングループという意識を盛り上げること、なんです。
さて、今日はこれからの広告はどうあるべきか、という話を、イングループとアウトグループの考え方を応用して考えてみましょう。
その前に、35年前に僕がアメリカで日本語の教え方を、あるアメリカ人の著名な日本語教育の権威に教わった経験をお話したいと思います。
僕は1988年にアメリカに赴いたのですが、その目的はアメリカ人学生に日本語を教えるためでした。
いや正確に言うと大学院(ビジネススクール)で学位を取るのが目標で、その条件として日本語を教えなくてはならなかったのです。
僕は、日本語を教える代わりに、授業料を免除されるという条件で日本から集まった44名のメンバーの一人で、我々は半年間ジョージア州のGeorgia Southwestern Collegeというところで、アメリカ人に日本語を教える訓練を受けたのです。
その時の先生がエレノア・ジョーデンという、日本語教育界の権威だったんです。
![](https://assets.st-note.com/img/1670075830731-zqWPxrL6Ch.png)
僕は彼女が言った次の一言を、まだよく覚えています。
「あなたがたは、こうして日本を離れて人生のチャレンジをしているという意味で、全く日本人らしくないけれど、私には『やっぱりこの子達は日本人ね』というのがよくわかるのよ」
どういうことでしょうか。ジョーデン先生はこう続けました。
「あなた達に何かみんなでイベント用の日本の出し物を創ってちょうだい、って言ったわよね、あなた達は気が付かないかもしれないけれど、あなた達はグループとしてとても優秀よ。わたし、ずっと見ていて気がついたの。
仲間意識、私の言うin-group意識がとても高いの。やっぱり日本人ばなれしているように見えて、あなた達はまさに典型的な日本人だわ」。
日本人はやはり集団思考であり、イングループ意識がとても高い、というのです。
もともとこの44人は日本全国から、仕事を捨ててアメリカで新しいチャレンジをしようということで、選抜試験まで受けてこのアメリカ人に日本語を教えながら、アメリカで学ぶことを選択した、見ず知らずの人達でした。
しかし、同じ目的を持って、こうして日本語をアメリカ人に教えるために合宿生活を始めたとたんに、強いグループ意識が生まれるのです。
日本語研究者としてのジョーデン先生の持論は、「日本語とはイングループの言語である」というものです。
彼女は、日本語の特徴はWeである、というのです。
それは日本人が無意識に使う「我々は」「われわれ日本人は」、「わが社は」という言葉にあらわれている、といいます。
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三笘選手ユニの遅さ
ジョーデン先生のいうことを聞いてみましょう。
これからのマーケティングは、日本人のイングループ意識の強さに働きかければいいんです。
スポーツはイングループ意識を高揚させる、すごくいい機会ですよね。
今日テレビではサッカーショップで三笘薫選手のレプリカ・ユニフォームが60枚売れたとか、サッカー関連ビジネスの株が急騰しているとかのニュースをやってましたね。
![](https://assets.st-note.com/img/1670076522895-zLAM2ry3Zs.png)
でも、遅いですよ。
今回のワールドカップは、日本のグループリーグ突破で盛り上がっていますが、それまではちょっと醒めていましたよね。
各社は何やってたのかなあ、スポーツはイングループ意識を高める絶好の機会であり、W杯はスポーツの王様なんだから、もっと仕掛けるべきだったんですよ。
Jリーグは、また代表を輩出したチームは、26名全員どこかの企業と肖像権契約を結ばせるべきでした。
ドイツ戦、コスタリカ戦、スペイン戦、勝てば抽選で1年間ラーメン無料、とか、いくらでもやるべきことはあったはず。
日本人のイングループ志向の強さは、まだまだビジネスに、マーケティングに使えると思います。
ツイッターこそ最強マーケティング・ツール
社会学的には、もちろん、人類そのものにイングループ志向は存在します。
前々回、イーロン・マスクは絶対にツイッターを手放さない、と言いました。
それは、ツイッターはなんだかんだ言われてますが、企業にとって最強のマーケティングツール、だからです。
それはこのデジタルプラットフォームが、最も有効なイングループ意識に働きかけるツールだからです。
明日詳しくお話したいと思います。
今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
では、また明日お目にかかるのを楽しみにしています。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー