今年の選挙テーマソングはプレスリーの「サスピシャス・マインド」で決まり。
この記事を読んであなたが得られるかも知れない利益:今年の大統領選は前回以上のカオスになるのは、フェイクニュース、ニセ情報が飛び交い、結果が出ても「選挙詐欺」だとかのクレームが予想されるためだ。しかしニセ情報が飛び交い、真実を分かりにくくしている原因はソーシャルメディアだけではない。現代社会に生きる我々が、知悉すべき新しい現実を考える。
フェイクがあふれる原因
ニューヨーク・タイムズによれば、それはコミニュティの崩壊です。
スマホを持つようになり、人間はますます悪く言えば孤立化、よく言えば自立化していき、個人の主張や考え方が尊重されれる時代になったからです。
個人の様々な主張が、ソーシャルメディアの力で拡大、増強、拡散され、実像より大きな力を持つようになり、ここに虚像の多極化世界が出来上がったのです。
小さな存在でも、存在感を漂わせることができる、これはある意味で民主主義と言えます。
しかし、ヘイトや差別など明らかに反社会的な主張を、ネット空間で増幅させようとする輩が出てきました。
その手助けをしているテクノロジーがあり、特にAIは精巧な偽物を作る技術にすぐれ、かくしてサイバー空間は虚偽情報にあふれます。
テレグラムという泥棒
フェイクは、しばしば、SNSのプラットフォームのかたちをとります。
たとえば、やり取りするメッセージが残らない、テレグラム(Telegram)は、最近のオレオレ詐欺で犯人同士のやり取りに使われることで知られるようになりましたね。
テレグラムを使うと、個人情報やチャットで送受信した内容を簡単に盗まれる可能性があります。
銀行口座やクレジットカードの情報をチャットでやりとりしていれば、金銭的な被害につながります。
また個人情報を盗まれた結果、アカウントが乗っ取られれば、そのアカウントを利用して知人に詐欺の被害が及ぶかも、です。
トルース・ソーシャル(Truth Social )というプラットホームは、ツイッターからアカウントを削除されたトランプ氏が腹いせに作った、自らの主張を堂々と掲げるまさに「お手盛り」感たっぷりのSNSです。
もちろん、トランプのために作ったSNSが、公平で信頼にたるものでないことは明らかで、これもフェイクニュース製造機といえましょう。
フェイク情報時代に選挙に勝つ方法
インターネット上の情報を信じてもらえないならば、テレビに帰るのはどうでしょうか。
それはいいアイディアです。
ただし、生中継に限ります。
見たまま、しゃべったままを大衆に披露し、大衆はそこからその人物を評価、判断します。
ただ、そう申し上げると「テレビ映りとリップサービスに長けたものが有利だ」と皆様から反論が来るでしょう。
そしてアメリカなどは、テレビでカネに物を言わせて自分の宣伝ムービー、他候補のネガティブキャンペーンを打つのが常套手段です。
言ってみればこれも、「盛りすぎ」で、ウソばっかりということになります。
テレビ>インターネット
という図式もそうとは言い切れない、という恨みがありますねえ。
そうすると「生遊説=街頭演説」しかないか。
そうすると選挙に勝つには「体力」ということになるのです。
やっぱりテレビ討論かな
ネットはフェイクが溢れかえり、テレビもカネのある方がアピールでき、客観的にいい候補者を選べません。
有権者は自分で色々調べないと政治家を選べない、となります。
でもやはり主体的にその候補者を自分で調べるくらいでないと、ダメだと思います。
でも、やっぱり一番いいのは、アメリカ式の「直接対決」かな。
1960年のニクソンvsケネディが最も有名ですね。
ケネディは若々しさをアピールするために、メーキャップを施したのに対して、ニクソンはすっぴん、暗いイメージが雌雄を決したと伝えられます。
2020年のトランプvsバイデンは、口喧嘩に終わり、両者痛み分けという感じでしたね。
フェイクの時代の選挙は、まず我々は直接であれ、テレビであれ、ネットであれ、サスピシャス・マインド(疑り深さSuspicious Minds)を持たねばならないということです。
そして日本も得票が拮抗したら、米国式のガチンコ対決、テレビ討論させましょう。
もちろん、テレビだけじゃなく、ストリーミング、youtubeでも生中継です。
ニセ情報、組織的イメージ操作が跋扈する今、選挙も変わるべきです。
合言葉は、サスピシャス・マインドです!
ということで、プレスリーの同名の歌をあなたに捧げます。
最初の出だし、いいですね、we're caught in a trap(罠にハマっちゃったぜ)。
好きですこの曲。
野呂 一郎
清和大学教授