プロレス&マーケティング第97戦 なぜ「心霊写真」と「国際プロレス」復活が日本の若者を救うというのか。
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:今の若者に欠けているものは昭和ロマンにほかならない。時代背景も文化も両方だ。具体的に言えば昭和ロマンとは「心霊写真」と「国際プロレス」だ。って何を言ってるんだおまえ。(元阪神岡田監督のマネで)読めばわかるさ。トップ画はhttps://jp.mercari.com/item/m83947424263
プロレスと心霊写真の共通点
読者:
またまた奇天烈なことを言うと、読んであげないぞ!
野呂:
そんな事言わないでちょっと付き合ってよ。
読者:
何が心霊写真だよ、コンプライアンスの時代にぃ!
科学的に証明できないものを取り上げると、いま世間からバッシングを受けるから、おばけの番組が激減したの、知らないの?
野呂:
そこなんだって。
おばけや心霊写真の番組が減ったのは、宜保愛子がいなくなったからでもないし、コンプライアンスうんぬんでもないんだって。
読者:
中岡俊哉がいなくなったから、って言うんだろ?(笑)
野呂:
いや、そうじゃない、それもあるか(笑)。
中岡俊哉先生の名作「恐怖の心霊写真」は続も買ったし・・ってそうじゃなく、アナログ写真がなくなって、デジタル写真ばっかりになって、おばけが映らなくなって、いわゆる「撮れ高」が少なすぎて、番組が成り立たなくなったのさ。
読者:
そういう話は聞いたことがあるなあ。
野呂:
乗ってきたな(笑)。ムー的に言えば、デジタルとおばけは波長が合わないんだよ。
ガス抜きが必要な若者たち
さて、いきなりおバカなやりとりを聞かされたとお思いの読者の皆様。
心霊写真うんぬんを出したのは、似非科学論争をしたいのではなくて、いかに70年代、80年代、いわゆるオカルトブームが若者たちの、いい意味での「ガス抜き」になっていたかということを言いたいのです。
ガス抜きという言葉よりも、「熱狂」と言ったほうがいいかもしれません。
みんな心霊写真に熱くなって、狂っていたからです。
この点で、プロレスも同様の社会的機能を果たしました。
いや、心霊写真とプロレスを同列に論じて、「ヤラセだ」などと言いたいわけじゃないですよ。
でも、昔はインターネットがなかったし、圧倒的に情報量が少なくて、あることが広まると、みな素直に信じてのめり込む傾向があったのです。
マスコミも上手に情報統制をしていて、心霊写真ブームに水を差すような報道はありませんでした。
プロレスも、いまではフェイクとリアル情報がネットに飛び交っているおかげで、「おとなの事情」という不確かなものが、ほとんどのファンにインプットされており、それがネックとなって昔のように純粋に楽しめないのです。
そうした忌まわしい夾雑物がなかった昭和の若者たちは、オカルトとプロレスに熱狂し、目に見えない存在の不可思議さや、プロレス最強といったロマンに酔いしれたのです。
今の若者に必要なのは、「賛否両論」を巻き起こす面白い社会的な題材であり、それをネタに盛り上がることなんです。
若者よ、昭和ロマンに帰れ!
ロマンがあったのです。
時にオカルトがプロレスと合体したこともありました。
おばけはいる、UFOも存在する、ユリ・ゲラーの超能力は本物だ、だけでは終わらなかったのです。
天才演出家・梶原一騎氏は「プロレス悪役物語」で、
鉄の爪フリッツ・フォン・エリック一家は、マジで呪われている。
バディ・オースチンのパイルドライバーでなくなったレスラーが夜な夜な枕元に現れる。
などの描写をしたことは有名です。(ごめんなさい、梶原一騎の弟の真樹日佐夫でした)
ただでさえその頃のプロレスは超人伝説がまことしやかに語られ、それにプラスして怪奇が乗っかってくるのですから、昭和のファンの頭はいつもプロレスラー怪異伝説やプロレス最強ファンタジーで溢れかえっていたのです。
まあ今も僕は、そのファンタジーから抜け出してないですけれどね(笑)。
アナログに還るアメリカの若者たち
今日届いたニューヨーク・タイムズの紙版は、アメリカの若者たちが、すでに街から消えた「白黒写真撮影ボックス」に群がる様子を報じています。
(ニューヨーク・タイムズWeekly2024年11月3日号 Crowding a photo booth for memories that you can touch 記念写真はアナログに限る・・昔の写真ボックスに殺到する若者たち )
今どきのAI写真ボックスと違って撮りそこねたら、編集なんかできません。
若者たちは、4,5人でボックスに入って、記念撮影を楽しむんだそうです。
ブームなのは、白黒写真ボックスだけじゃありません、CDや「写ルンです」みたいな使い捨てカメラも人気です。
若者たちはこう言います。
「昔のアナロググッズは、僕達をスローダウンさせてくれる抜群のチカラがあるからさ」。
これは、18歳からはたちくらいの若者のまごうことなき、現実のいち側面です。
彼ら彼女らは、デジタルに疲れ切っているんです。
そしてロマンのない分裂社会に嫌気がさしているんです。
このことは、今後の世界を考えるにあたって、無視できない現象だと思うんですよ。
日本の若者もそうじゃないかな。
若者たちに心霊写真と昔のプロレスを見せろ
僕のnoteを゙応援してくださる武智倫太郎先生は、いまの若者達は「プロレス」を理解できるというのです。
先生の行間をあえて読むと、米国の若者同様、日本の若者もプロレスを含めたロマンに惹かれつつある、ということです。
しかし、問題なのは、いまの若者達は情報過多で、素直にロマンを信じられず、もっと問題なのは、「ロマンそのものがない」ということです。
つまり、若者が熱狂する機会がないのです。
ハロウィーンは一日だけのお祭りに過ぎません。
1年中何かに熱くなって、それが彼ら彼女らにカタルシスを与えるような社会現象があったら、若者はもっと元気になれるのではないでしょうか。
それがないことは、由々しき事態ではないでしょうか。
だから、デジタルカメラを止めて、アナログカメラにしましょう。
そしたら、心霊写真も復活、「あなたの知らない世界」も再放送決定、現代流に科学的側面も取り入れながら、目に見えない世界に遊ぶ余裕を若者たちに持ってもらえるのではないでしょうか。
「プロレスアワー」と「国際プロレス」を復活させろ
プロレス、ですか?
古き良きロマンがあふれるプロレスとは、かつて東京12チャンネルで土曜日午後7時から放送していた、「プロレスアワー」を復活させましょう。
あの頃の本場のアメリカプロレスはすごかった。
プロレス八百長論などの余地は、一ミリも入らない凄みがありました。
もう一つ復活させたいのは、「国際プロレス」です。
人間風車ビル・ロビンソン、神様カール・ゴッチ、大巨人モンスター・ロシモフ(のちのアンドレ・ザ・ジャイアント)が揃い踏みした頃の、国際プロレスです。
文句なくロマンがありました。
若者よ、昭和に戻り心霊写真とプロレスを堪能し、僕ら「旧昭和軍」と交わりませんか。
平成維震軍にならって、昭和維新軍、としましょうか。
詳しいことは、武智先生に解説して頂いてください。って、おまえ・・
野呂 一郎
清和大学教授