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日本社会を同質化させている「閉塞感」という神の見えざる手。

この記事を読んで高校生のキミが得られるかもしれない利益:イノベーションとは何か。イノベーションの発明者としてのシュンペーターという学者。日本にイノベーションが起きないのは”神の見えざる手”で息苦しく、閉塞感を余儀なくされているからという珍説。トップ画はhttps://qr.quel.jp/pv.php?b=3oyteb5

テクノロジーよりイノベーション

きのうは経済原理その3,新しい効率を上げるテクノロジーこそが経済を発展させる唯一のものである、をやった。

そこにイノベーションという言葉が出てきたのを、覚えているだろうか。

きのうのテキストでは、このイノベーションという言葉は出てきたものの、あたらしいテクノロジーが主役になっている感じだ。

しかし、イノベーションこそが経済を動かすという説がある。

そして、イノベーションはあたらしいテクノロジーを含む、「変革」という概念だというのだ。

これを提唱したのが、かの有名なシュンペーター(Joseph Schumpeter )という学者だ。

https://solver-story.com/economy/1968/

きょうは、イノベーションについて見ていこう。

イノベーションの定義

イノベーションについては、いろんな経済学者がいろんな定義をしている。

5,6冊手元のアメリカの経済学の教科書を見てみたんだけれど、あんまりイノベーションの定義がのってないんだなあ。

いちばん簡単なのは、シュンペーターの言葉の本質を捉えたこれかな。

イノベーションとは新製品であり、課題を達成するための新しいやり方である。

Gary Clayton、 Economics Principles & Practices、  Glencoe 、P378、2005

ティモシー・サンダーという学者は、イノベーションをこう表現する。

ティモシー・サンダー先生。https://www.goldwaterinstitute.org/our-team/timothy-sandefur/

イノベーションとはクリエイティビティであり、新規性である。

イノベーションとは新しいアイディアもしくはモノを考案することであり、既存のものを改良することである。

このイノベーションという言葉はアメリカ文化では肯定的なニュアンスで語られるが、他のすべての人間の活動と同じくコストとベネフィット(費用と効果)がつきものだ。

このコストとベネフィットがあるから、エコノミスト、政治思想家、芸術家は何世紀もこの概念に魅せられた。

creativity; novelty; the process of devising a new idea or thing, or improving an existing idea or thing. Although the word carries a positive connotation in American culture, innovation, like all human activities, has costs as well as benefits. These costs and benefits have preoccupied economists, political philosophers, and artists for centuries.

By Timothy Sandefur https://www.econlib.org/library/Enc/Innovation.html


シュンペーター自身の言葉はこれだ。

生産、運輸の方法における変化、新製品の開発、企業における変化、新しい市場の開発のこと。

イノベーションとは発明ではなく、新たなテクノロジー、新たな原材料、新たな方法、新たなエネルギーの源泉などのビジネス的応用を指す。

By innovation he means, the changes in the methods of production and transportation, production of a new product, change in the industrial organization, opening up of a new market, etc.The innovation does not mean invention rather it refers to the commercial applications of new technology, new material, new methods and new sources of energy. 

(引用:https://businessjargons.com/schumpeters-theory-of-innovation.html)

どうしたらイノベーションを起こせるか


どうだろ、なんなくイノベーションってなんだかわかってもらえただろうか。

テクノロジーだけじゃなく、あらゆる新機軸のこと、これがイノベーションなんだ。

また、シュンペーターは、自由な市場での競争や”神の見えざる手”よりも、より効率的に新しい市場を生み出す、といっているんだ。

イノベーションを起こすには、どうしたらいいだろうか。

それは、きのうお話した新しいテクノロジーを生み出すために必要な要素を考えてみればいい。

教育と法律の整備、そして社会制度だ。

イノベーションを邪魔する日本社会に巣食う”神の見えざる手”

しかし、イノベーションは単なるあたらしいテクノロジーではないので、もう少し別の角度からの発想が必要だと思う。

シュンペーターは利益はイノベーションから来るのであって、そのイノベーションは資本や労働からもたらされるものではない、と言っている。(The Economics Book p148-149 DK Publishing 2012

イノベーションはカネ次第で生まれるものではないし、しゃかりきに働くことでもたらされるものではないんだ。

イノベーションをもたらすものは、言ってみれば”自由”ではないだろうか。

そして、失敗を恐れず、何度でもチャレンジできる社会、だと考える。

アメリカで生活して痛感するのが、日本はどうしてこう”閉塞感”が強いのかということだよ。

それこそ”神の見えざる手”(笑)みたいなものが、キミたちを同じ行動に駆り立てているようにみえるのだ。

http://nyopenasu.livedoor.blog/archives/6392933.html

「神の見えざる手の正体は何」って?

集団主義、目立つことを避ける習性、年功社会、忖度・・・いやいや、
それらもそうだけれど、やはり諸悪の根源は「個を殺す教育」だと思う。

これについては色々言ってきてるから、バックナンバーを見てね。

今日も最後まで読んでくれて、ありがとう。

じゃあ、また明日会おう。

                           野呂 一郎
             清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー




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