アメリカ議会を動かした、ゼレンスキー大統領に学ぶ真のリーダーシップ
この記事を読んで高校生のキミが得られるかもしれない利益:リーダーシップとは何か。ロシア、ウクライナ侵攻の真の理由。日本に世界的リーダーがいない理由。
ゼレンスキー大統領への賛辞が止まらない
欧米のマスコミの人物評と言えば、一方的に持ち上げたりせず、必ず否定的なアングルからも論じ、ときには皮肉を効かせ、ステレオタイプの陳腐なイメージを読者に鵜呑みにさせません。
でも今日の(3月16日2022年)The Wall Street Journalオンラインのこの記事はどうでしょう。徹頭徹尾、ウクライナ大統領・ゼレンスキー氏を持ち上げています。
記事のタイトルからして、こうです。
本文も、もうゼレンスキーさんを、これでもかともてはやしているのです。
でも、彼はそれに値します。
あらためて、リーダーとは何か
それは、リーダーとは何か、を考えてみればわかります。
それは、「人を動かすひと」ですよね。
どんな理論も、どんな人も、このリーダーの定義はそのとおりだと言うでしょう。
今回、アメリカ議会にオンラインで乗り込んでの演説、最後はどうなったか。
アメリカ議会の全員が、スタンディング・オベーションです。
そして、バイデン大統領は日本円で950億円の追加の戦闘援助を決定しました。
まさに、ゼレンスキーは他者を動かしたのです。
それも外国の要人たちを、ですよ。
アメリカだけではない、英国も、カナダも動いた。
世界平和に向けて、他国を、他者をうごかす、これこそ世界のリーダーではないでしょうか。
The Wall Street Journalは、ゼレンスキー氏の、世界を動かしたオンラインスピーチに間して、こんな評価をしています。
しかし、いくらこのスピーチが機知に富んで、歴史の名言やエピソードを巧みに取り入れた素晴らしいものであっても、それだけでは世界のリーダーたちは動かなかったでしょう。
なぜみんなが動いたのか?
それは、口だけでなく、行動が伴っているからです。
ウクライナは、ゼレンスキーは口だけでなく、実際にそれを身体で行動で示してきました。
The Wall Street Journalは
「民主主義、独立そして自由を守るために戦ってきた」(struggle as a defense of democracy, independence and freedom)と表現しています。
まさに行動が伴っているからこそ、世界はゼレンスキー大統領のスピーチに打たれ、行動に動いたのです。
僕の好きな英語のことばがあります。
Action speaks louder than words.
(人はことばよりも、行動に動かされる)。
アフガン復興の父、中村哲医師がまさにその人でした。
紛れもなく、中村先生は世界に誇れる日本のリーダーでした。
さて、アフガンの話がでたんですが、今回の米軍のアフガン撤退こそ、
今回のロシアのウクライナ侵攻の真の原因ではないか、そういう声が上がっています。
The Wall Street Journalはゼレンスキーを真の英雄と持ち上げ、返す刀でバイデンを切って落としているんです。
アフガン撤退は、アメリカが弱者を見捨てた、世界の平和を守ることを放棄したことにほかならないというのです。
クレムリンはこれを見て、アメリカが世界平和に熱心ではなくなったサインだと思った。
これをチャンスと見て、ロシアは戦争の引き金を引いた、そういうのです。
ウクライナ危機は今に始まったことじゃない、戦争を避ける努力をしてたのかよ。せめて、開戦前に全国民を世界中に避難させるべきじゃなかったのか。
バイデンも、トランプがアフガン撤退を約束していたから、それを守っただけなんだけれど、新リーダーは前任者の約束をひっくり返るのが役割じゃないのか・・
しかし、とにかく、日本のリーダー像として無意識に語られる
「男は黙って・・」は通用しません。
人の気持ちに、時代の気分に沿ってタイミングよく、言葉を選んで大衆に語りかける、世界のリーダーにはやはりそれが求められますよね。
ところで、ゼレンスキーさんがアメリカ議会に向かって「真珠湾を思い出せ」と言ったところは、日本人として残念でした。
それは、卑怯な攻撃の最たるものとして真珠湾攻撃が未だに世界の人に認識されている、ということだけではありません。
「日本人が語ってこなかった」ということが、残念なのです。
日本人の立場で、一人の人間として、どうして世界に語りかけようとしないのか?
英語で、ということではありません。
ゼレンスキーだって、母国語で世界に訴えている。
戦争だけではなく、あらゆることで、です。
それが日本の、日本のリーダーの価値を必要以上に下げていることは、火を見るより明らかです。
東大に受かる受験教育じゃなくて、なぜ、議論をすることを教えないのか。
ああ、また同じことを・・
日本にもゼレンスキーがどんどん出てこないと、日本の低落は止まらないでしょう。
高校生の皆さん、ゼレンスキーになってください。
高校の先生がた、ゼレンスキーを育ててください。
今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
では、また明日お目にかかるのを楽しみにしています。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー