大谷翔平とアサヒビールの共通点「日本にこだわらない」。
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:日本を捨てろ!えっ?昨日言ってたことと違うじゃねえか?そのとおり。でも、言ってみれば「日本だ」「日本じゃない」は両方正しい。今年はこのアンビバレント(二律背反)的な真理を追う企業や個人が勝つだろう。
アサヒビール社長の「ど真ん中」発言
新年そうそう「日本の年だ」と大声を上げましたが、逆も真なり、です。
日本に、日本人にこだわらないことこそ、世界で成功する、とも言えるのです。
アサヒグループホールディングス社長兼CEO(最高経営責任者Chief Executive Officer)の勝木敦志(かつき あつし )氏は、昨年暮れ経済誌において注目の発言をしています。
これこそ、解説の必要のない、「ど真ん中の」グローバリゼーション戦略といえるでしょう。
大谷選手の偉大さは日本人だからではない
一方、米国を代表する一流紙ニューヨーク・タイムズは、こんなことを言っています。
「大谷の成功は、日本人がどうこう、じゃない」と。
同紙は、1980年代に心理学者リチャード・リアン(Richard Ryan)、エドワード・ディシ(Edward Deci)両名によって提唱された「自己決定理論self-determination theory」を引き合いに出して、こう論じたのです。
まあこの理論は言ってみれば「努力のすすめ」であり、努力こそが人類を反映させる根本的に重要なことだ、と説いているのです。
ここには、努力する人の国籍や人種などは、書かれていません。
人間は、素晴らしいパフォーマンスには、文句なく拍手を送り、褒め称えるということです。
大谷選手の50-50は、二刀流に加えて走ることの卓越さも満天下に示しました。
アサヒビールも、大谷選手を見て感化されたのかもしれません。
ビールも、ドライだ、ライトだ、ジャパンだ、じゃないのです。
うまければアメリカでもどこでも、人はうなり、惜しみない拍手を送るのです。
僕も、自らを省みて、こう自分に問いました。
「オマエ、日本って、日本人って看板がなきゃ、経営学者としてやってけるのか?」
「オマエ、プロレスがなきゃ、世間に通じるのかよぉ!」
自ら発した罵声に、縮こまるばかりです。
今年は、僕もオオタニを、アサヒビールを目指したいと思います。
野呂 一郎
清和大学教授