プロレス&マーケティング第23戦 電流爆破マーケティングとは何か。
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:電流爆破がなぜ、永遠の最強マーケティングツールたり得るのかの理由。チャットGPT対大仁田厚は大仁田の勝ち。頭を空にすることの効用。
情報という最大の弱点
昨日は「AIに対抗するには、子供になれ」とあえて申し上げました。
それは子供学者のゴプニックさんが、「子供は単に大人の真似をしたり、データを消極的に吸収したり盲信はせず、答えを自分で探そうとします」、と教えてくれたからです。
https://note.com/noroichiro/n/n565bc7b6414e
要するに、僕ら大人は常に手本を探したがるんです。解答を求めたがるんです。
自分で手本を作ればいいのに、解答だって自分で探せばいいのに、常にレディメード(既製品)を求めるんですよね。だからダメなんだと。
子供はデータなんかに頼りません、新しいやり方を自分で探します。
出来合いの答えをありがたがったりしません、自分で答えを出します。
情報がありすぎること、それに頼りすぎることが、僕ら大人の創造性を奪っているのです。
チャットGPTは、一見創造的に見えて、実は過去のデータが渦を巻いている様子がカッコいいだけで、実は陳腐な常識にすぎないのです。
チャットGPTに勝つには、ですから、情報から解き放たれることです。
電流爆破という怨念
ゴプニックさんは、「あなたの創造力のポテンシャルを解き放て。どんな行動をすれば、あなたの創造力を発揮できるか、見つけなさい。」と教えています。
その一つの答えは、「電流爆破を見ろ」だと思います。
それはなぜかというと、電流爆破デスマッチというシステムが、人間を情報から解き放ってくれるからです。
電流爆破デスマッチとは、大仁田厚というプロレスラーが発明した試合形式で、最初の試合は1990年8月4日に、大仁田厚vsターザン後藤戦で実現しました。
バリエーションは数え切れませんが、要するにリングの4面にロープの代りに電流を流した鉄条網を設置、それに触れたら爆発する仕掛けです。
なぜ、プロレスラー大仁田厚が電流爆破を始めたか、それは追い詰められたからです。
彼は膝を粉砕骨折していて、リングでまともに動けず、華麗な動きで観客を魅了したりできません。彼はプロレス戦国時代を乗り切るためには、自分の生の体を切り刻むところを見せるしかない、と考えたのです。
最初は電流の流れていない鉄条網のリングで、有刺鉄線デスマッチという形式でした。しかし、それをさらに過激化して、電流爆破デスマッチが生まれたのです。
要するに、電流爆破デスマッチとは、食い詰めたプロレスラー・大仁田厚の怨念なのです。
怨念は人間だけしか持てませんよね、それを表現できるのは人間だけ、大仁田厚とその対戦相手だけです。それだけでもチャットGPTは絶対に太刀打ちできません。
情報が役に立たないという恐怖と歓喜
しかし、今回子供の創造性に学ぶというテーマに絡めると、電流爆破をまた違う角度から分析する必要があります。
それは、このデスマッチはレスラーと観客を「情報レス」という、現代人が見たことも聞いたこともない地獄に落とす、という事実です。
アンチプロレスファンはいつもこういいます。
「なんでロープに飛ぶんだよ」。
その答えは戦術だとか、見せるためだとか、様々な答えがあるのですが、電流爆破デスマッチには、アンチプロレスファンも黙るしかないのです。
だって、ロープに飛んだら最後、自分が爆破の餌食になるからです。
電流爆破デスマッチの本質は、「逃げ場がない」という極限状態におかれることなのです。
プロレスラーは対戦相手のビデオを見たり、試合をどう組み立てようかと考えたりと、試合前にさまざまな情報を仕入れます。
しかし、電流爆破ではそんなことをしても無駄です。
考えることは、どうやって被爆しないか、それだけです。
それも前もって考えても仕方ありません。
何がリングで起こるかわからないからです。
かくして、電流爆破デスマッチに臨むレスラーは、完全に丸腰、「情報レス」の状態でリングに上がるのです。
観客も同様で、これまでの対戦成績だとか、試合予想だとか、レスラーのデータで試合を楽しもうとかは、意味がありません。
レスラー同様、心も体も空っぽにして、試合観戦に臨むことを余儀なくされるのです。
だからあなたも電流爆破を見れば、「情報レス」の状態に自分を置くことができ、自然に子供の状態になり、本来のあなたに備わっている創造力のスイッチが入るのです。
さあ、あなたも電流爆破を見に行きませんか。
僕の経験からすると、ビデオより生で見たほうが創造力のスイッチがオンになりやすいと思います。
一度だけで十分です。
ほんまかいな(笑)
今日のプロレス&マーケティングを他業種に応用する
1.「考えるな、感じろ Don't think, feel 」(故ブルース・リーの名言)
2.頭を空にすることをやろう
趣味、スポーツなど、もし考えずにやれるならば、創造性を引き出すかも。
3.答えを見るな
受験生ならば赤本(解答集)をあえて見ない、セールスマンならハウツー本を捨てると本当のクリエイティブが養われ、成功につながる。
4.一切の準備をやめて、ぶっつけ本番でいけ
準備とは考えること。でもそれはあなたのアドリブを消す。本当の創造性はこころを空にすることから来る、一瞬のひらめきと共にあなたに訪れる。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
じゃあ、また明日お目にかかりましょう。
5.追い詰められすてばちになったとき、クリエイティブになれる
へたな考え休むににたり、ではなくて、へたな考えは自分の良さを殺す。
大仁田が成功したのは、考え抜いて→考えない、に行き着いたからだ。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー
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