「愚民ども、マーケティングは終わりじゃ」(グレート・オーカーンの口ぶりで)
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:最新マーケティング用語の虚しさ。マーケティングが経営の王者の地位から転落した件。オーカーン様に叱ってもらいなさい。
非マーケティングの時代が始まった
某論文集で、マーケティングについて書くことになりました。あと1ヶ月で締め切りです。僕はマーケティングは専門じゃないけれど、言いたいことがあるんですよ。
非マーケティングの時代である、と。
マーケティングをマーケティングの専門家に任せている時代は終わった、いうことです。
ネットでマーケティングトレンド、なんて検索すると、cookieレスとか、リードとかコンバージョンどうのこうのとか、出てきます。
それぞれの意味は、個人情報収集禁止の流れ、見込み客、顧客のアクション、という意味です。
確かにデジタルマーケティングが主流のビジネスにあって、ひとつひとつがマーケティングの重要ワードです。
でも、そんなの木を見て森を見ずだ、と言いたいのです。
マーケティングの時代は終わった、これはもう30年前から元コカコーラマーケティング部門のトップ・セルジオ・ザイマンさんがthe end of marketingという本で言っているとおりです。
いまヤバいものを見ちゃったなあ、グレート・オーカーンの「愚民ども!」っていう動画です。
オーカーン様に叱られたい人達が出てくるって図なんですが、僕にもオーカーンが乗り移ってきたようです。
「愚民ども、マーケティングなんか終わっとるだろ!」って感じですよ。
企業もポーズだけではごまかせない時代
じゃあ、マーケティングの代わりに出てくるのは何かってことですが、カタカナで揃えると、リュピテーション(reputation)、イメージ(image)、ブランド(brand)ってところですかね。
もちろん、いいやつですよ、「この企業は社会的にいいことをしているんだ」という評判でありイメージであり、一番いいのは、それがブランドになっていることです。
今の消費者は、恐ろしいですよ。どんな一流ブランドでも、製造過程の上流まで行ってそれを調べて、小児労働やパワハラ労働なんかがあれば、もう購買ボイコットです。
新疆ウイグル自治区の民衆に対してのアメリカの税関当局が昨年1月、中国の新疆ウイグル自治区での強制労働をめぐる輸入停止措置に違反した疑いがあるとして、日本のユニクロのシャツの輸入を差し止めしましたよね。
先進国はもはや法律を作って、社会に間接的にでも害を及ぼす企業の行為にNoを突きつけています。
こんな時代に、コンバージョンだの、クッキーがどうのこうの言っているマーケターは、「ズレてる」としか言いようがない、オーカーン様に叱られて下さい。
しかし、気の利いた企業ならば、体裁をとりつくろう狡猾さがあると思うんですよ。
もちろん、社会にいいことをする、というのは強制労働させないってだけじゃありません。
地球温暖化とか、SDGsとか、脱炭素とか、寄付だとか、LGBTだとか、いわゆる社会的イシューってやつに賛同の姿勢をとることです。
表面的に賛成するのは、誰でもできるから、あらゆる企業が表面的には、いいことしてます、地球温暖化に反対です、というテイをとるでしょう。
でもそれが本物でなければ、消費者は見抜く時代なんですよ。
なぜならばSNSがあるからです。
蟻の一穴という言葉があります。
小さなほころびから、やがてそれは企業を揺るがす大問題になるのです。
SNSの短い叫びが企業を殺す時代です。
企業はマーケティングでなくて、理念や哲学を含めて企業の存立の基盤から、イヤでも考え直さなくてはならない時代に入ったといえましょう。
実はそれは企業だけではなく、社会に身を常に晒す芸能人、スポーツ選手にも言えることなのです。
僕がインスタがダメだ、っていうのは、もう外見や表面どう映るかの時代じゃないってことなんですよ。
中身の時代なの。
どんなにイケメンだって、可愛くったって、うすっぺらな中身じゃあ、世間は世界は相手にしてくれないってことですよ。
今、そんなことで墓穴を掘る芸能人、多いじゃないですか。
他山の石としたいものです。
企業は、もう搾取はできなくなりました。労働者からも、社会からも。
資本家が弱者から搾取するという意味での、資本主義は終わりを告げたのかもしれません。
今日も最後まで読んでくれてありがとうございました。
じゃあ、また明日会いましょう。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー
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