東スポ餃子で完成した、最強ビジネスモデルとしての「東スポ六角形」。(東スポ六角形⑦)
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:東スポ餃子とは何か。食(欲)こそが、あなたの企業に足りない市場を動かす最大のチカラかもしれないことへの気づき。東スポ六角形の進化系「真・東スポ六角形」とは。感情と行動を人を動かす最強のシステムとする仮説の紹介。
東スポ餃子は東スポのブランドありきの戦略
さっき東スポを読んでいたら(1月18日東スポ記事)、「東スポ餃子ついに九州で販売開始!大仁田がファイアーアピール」との見出しが目に飛び込んできた。
記事の写真には”邪道“大仁田厚が、東スポ餃子を頬張っている姿が。
東スポ餃子はすでにプロレス、芸能界で熱烈なファンを獲得しているようだ。
この記事はどうやら、九州の激辛ラーメン店が、東スポプロデュースの「東スポ餃子」売出しのキャンペーンの模様を報じたもので、大仁田の他に「HKT48」の下野由貴、外園葉月、栗山梨奈、「ミス・グランド・ジャパン」東スポ賞の安部七波らが参加したとのことだ。
東スポが餃子を発売した、と聞いて面白がりはしても、驚いた読者はほとんどいないだろう。
「あの非常識な東スポ何だから、何やっても驚かない」、読者のスタンスはこれだ。
この事実は何を表しているのか。
それは、東スポがすでに強固なブランドになっているということである。
ブランドとは、一般大衆に深く浸透している強いイメージのことである。キャラが立っていること、だ。
東スポの形容として、よく「日付以外は誤報」と揶揄されるが、これこそ非常識カテゴリーでは無敵のブランドを確立した東スポにとって、最高のほめ言葉にほかならない。
考えてみれば、非常識とは感情を揺り動かすことと同義である。
東スポ餃子は、だから「アリ、だな。」と世間をニヤリとさせた、東スポらしい話題と言えよう。
東スポの”食”は多義的だからこそ、戦略性が高い
東スポ餃子を”食“としたが、この1字にはその他にも、東スポの価値観が散りばめられている。
その一つが庶民性だ。
それはサラリーマンの味方、と言ってもいい。
東スポ餃子には、サラリーマンが最も愛するアルコールであるビールの最強のアテ、という意味合いが含まれている。当然、安くてうまい、ということも含む。
元気、も東スポが届けたい価値観だ。
これは「使われているにんにくが通常の3倍量」ということで、実現をみている。
気取ったエリートが読む新聞じゃなくて、庶民のプロレス新聞。
安月給のサラリーマンが激務の帰りに立ち寄った新橋の場末の居酒屋で、ビール片手に餃子をつまみ、駅で買った東スポの一面に”猪木病魔から復活”の字が躍っているのを見て思わず歓声を上げる。
終電に乗り込む頃には、元気がチャージされている。
東スポ餃子の描く一コマは、こんな感じだろうか。
東スポ餃子は、単なる食でなく、非常識で庶民を心身ともに元気にしてくれる、東スポの戦略兵器なのだ。
食こそ、食以外の業界が踏み込むべき桃源郷かも
口さがない外野は、「いよいよ東スポも追い詰められて、餃子にまで手を出したか」とささやいているかもしれない。
しかし、東スポの武器は人々の感情を沸き立たせることだ。
感情を揺さぶるためには、闘い、賭け、怪しさ、ロマン、お色気は必須だが、なにかが足りなかった。画竜点睛を欠いていた。
そう、それは食べることだ。
食欲こそ、感情の源、なのだ。
東スポは経営危機を逆手に取って、人々の食欲を刺激するという、エッセンシャルな感情鼓舞の装置を手に入れたのだ。
ここに、東スポ六角形が完成したのである。
最強兵器としての東スポ六角形が完成
さて、あらためて東スポ六角形を見てみると、一つ一つの要素が、他の要素と相乗効果を発揮していることがわかる。個と個がスパークしあい、全体の爆発につながるイメージだ。
図にしてみると、こんな感じだろうか。
この「真・東スポ六角形」こそ、ターゲットとする市場の感情を揺り動かす、あらゆる組織に応用可能な、最強のシステムと言えないだろうか。
今日も最後までお読み頂きありがとうございました。
今回で東スポ六角形シリーズはいちおう終わりです。
明日またお目にかかりましょう。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー
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