実況・古舘伊知郎、提供・東スポでより感情的な競馬実況を。(東スポ六角形③)
今日の記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:米国競馬業界の実情。東スポがさらに競馬ファンを熱狂させるためのヒント。東スポが藤田菜七子騎手をプッシュする理由。アニマル・ウェルフェアと競馬界。
競馬はプロレスを凌駕する感情炉
今日は東スポ六角形の2つ目、競馬と東スポの関係を考える。
競馬はもちろんエモーショナルを絵にかいたような存在である。
何せお金がかかっている。
自分の勝ち馬が来るか来ないかは、まさに時として文字通り生死を賭けた勝負になる。
最後の直線、鼻の差でゴール、観客の熱狂はどのスポーツよりもすさまじい。
東スポと競馬を賭という1文字で表したが、まさに金を賭け、そして命を賭けているから、どのスポーツよりもすさまじい熱狂が巻き起こる。
プロレスが感情を揺り動かすチャンピオンだ、などと言ったが、競馬に訂正すべきかもしれない。
しかし、東スポはプロレスをアイデンティティと認めるそこまでは、競馬に肩入れしていないので、東スポの主たる感情炉はプロレスということにしておこう。
東スポはなぜ藤田菜七子騎手を執拗にとりあげるのか
競馬が人々の感情を掻き立てる存在なのはわかったとして、東スポがどのようにして、プロレスのように、読者の気持ちを競馬であおっているのだろうか。
一つは表現だろう。
プロレスを描くときのように刺激的なワード、形容、比喩などを用いていることはもちろんである。以下昨報参照。
内藤哲也など競馬好きのプロレスラーの予想記事を載せたり、JRA(中央競馬会)と新日本プロレスのネットでのコラボを特集したりするのは、東スポのプロレス熱を競馬ファンに吹き込んでいるわけで、東スポならではの読者に対するプロレス×競馬の感情攻撃と言えよう。
東スポは、競馬に、男性の感情を駆り立てる王者クラスを入れてくる。
そう、女性だ。それも東スポ好みの。
最近少し止んだが、5年前から藤田菜七子騎手への肩入れがすごかった。
彼女の可憐なルックスとはっきりした物言いが、東スポのお気に入りになったのだ。
これをいうと差別とかセクハラになるのだが、東スポ好みの外見というのがある。
それは単なる美しさではない。
その何気ない笑顔が、表情が人をひきつけてやまない。そのひたむきさ、負けず嫌いさ、常に明日を向いているような内面が外見ににじみ出てくるような、女性キャラクターが東スポ好みのビジュアルである。
言ってみれば、内面でもルックスでも人々の感情を掻き立てずにはおかない選手。
そういう女性たちをプッシュするのが、東スポのエモーショナル戦略なのである。
競馬では、だから、それが藤田菜七子騎手であり、ゴルフではシブコこと、
渋野日向子選手なのだ。
プロレス市場をはるかに凌駕する競馬市場
令和1年中央競馬の入場者824万人、地方競馬306万人というデータから考えると、競馬愛好者はその3倍の3000万人くらいだろうか。10倍になると総人口に等しくなるから、4人に一人くらいは競馬に関心があると言っておくのが適切と思われる。
いずれにせよ、プロレスファンよりははるかに大きな市場であり、東スポがこの“エモーショナル市場”によりエモーショナルに働きかけていくかで、東スポ6角形が強化されるはずだ。
私の私見を少し並べてみよう。
東スポが競馬をさらにエモーショナルに盛り上げるには
1.ラジオ、テレビの競馬中継に東スポがスポンサーとして名乗りを上げ、古舘伊知郎を実況に起用するように局に圧力をかける
解説:スポンサードは東スポの競馬界におけるプレゼンスの拡大が狙いだ。古館起用とこれは一体でないと意味がない。もちろん競馬に古館のプロレス表現を入れて、プロレス×競馬=エモーショナル強化、が狙いだ。
もちろんわかっている。
古館が競輪実況をやった時の賛否両論は。
古館を起用するときは満を持して、彼に競馬教育をみっちりやったうえで行う。
下の動画は、古館が神と仰ぐ競馬実況の名手・杉本清氏の実況だが、古館に実況させるのもアリとも思わせる。
2. 米国の競馬界の発展に倣い、健全、安全、社会奉仕の諸点に一層力を入れるように、東スポが陰でサポートする
解説:アメリカでは競馬の経済規模が366億ドル、日本円で約3兆円超と言われ、直接、間接に競馬に職業として携わっている人は約50万人だ。
しかし、賭けの対象になることからアンチ派もいる。
その一つが馬へのドーピングだ。
業界は健全、安心安全、人を幸福にするスポーツを目指して努力している。
日本はまだこの取り組みが遅れている。東スポがこれをサポートすれば、人々はいい意味でより感情的に競馬にかかわってくれるだろう。
3. アニマル・ウェルフェアの観点から、馬の命や生きがいを大事にする活動を行う
解説:アニマル・ウェルフェアについては、すでに記事で取り上げたが、動物を食べたり利用する人間は、その命に尊厳を払うべしという哲学と行動のことだ。
米国では、競馬および、馬関連の産業に対し、アニマル・ウェルフェアに関心のある多くの人々がかかわっている。競馬でこき使いあとは安楽死などということがないように、東スポがサポートしてくれると、こころある人々の感情を豊かに揺さぶるはずだ。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
また明日お目にかかりましょう
野呂一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー