仮面ライダー50周年企画で、某チャンネルでは毎週、初期の仮面ライダーの象徴ともいうべき仮面ライダーV3を放送しています。
僕は大人気なく、少年の頃熱狂したV3とショッカー、いやデストロンの戦いに夢中になっています。
毎回動物をモチーフにした、カラフルな着ぐるみ怪人は、あれこそ特撮という芸術のクライマックスのようです・・・なあんて言うと、「単なるノスタルジーやな」と言われてしまいますね。
アメリカでは、しかし、そのノスタルジーが、ちょっとしたブームです。
90年代の大ヒットテレビドラマ、「サブリナ」(原題Sabrina, the Teenage Witch)日本ではNHK教育で1999年から2003年まで放送)がリバイバルされて、テレビ、ストリーミングで大ヒットしています。
ネットフリックスでは、1990年代のマンハッタンが舞台の大ヒットコメディ「フレンズFriends」がそのまま放映されて、大人気になっています。
会員数が大幅に減少し、苦戦が伝えられるネトフリの、起死回生の大ヒットになるかも知れません。
どうやら1990年代のヒット作が、今後どんどん出てきそうです。
個人的には、「ビバリーヒルズ青春白書」をやってほしいです。😁
ハリウッドは「古いのは新しい」が合言葉
テレビ界だけでなく、ハリウッドも、脚本家らが80年🈳0年代の大ヒットをチェックして、リバイバルを目論んでいます。
ハリウッドでは、いま、「Old is New 古いのは新しい」が合言葉で、人々のノスタルジーに訴えるような作品のリメイク、リバイバルを狙っています。
例えば、「フラッシュダンス」。
プロダンサーを夢見る女性の愛と友情を描いた青春ものでしたよね、って昭和の読者の方々しかわからないか。
「危険な情事」(Fatal Attraction)。
モテ男に袖にされた女性が、男に死の返り討ちを迫る迫真のドラマでしたね。
調子に乗るイケメン男のマイケル・ダグラスと、狂気の怒りと復讐に燃える女性を演じるグレン・クローズのコントラストが今だとても印象的で、それだけで名作と言えるのではないでしょうか。
怖いけれど、ありえないけれど、あんなに愛されれば男も本望かもなんて、思ったことを思い出しました。
両作品とも劇場で夢中になって見て、とても感情移入したことを覚えています。
単純なんだけれど、真っすぐで、ケレン味がない作品、そんなイメージですね。
もともと、ハリウッドはリバイバルが得意で、「昔はよかったGood old days」の合言葉で、1978年にはジョン・トラボルタとオリビア・ニュートンジョンのコンビで往年のブロードウェイ・ミュージカルの大作「グリースGrease」を映画化した大ヒットさせたのは、有名ですね。
コロナと戦争で生まれたノスタルジー・ブーム
この米エンタテイメント最新トレンドを教えてくれた、The Wall Street Journalオンライン版2022年4月28日号のタイトルは、そのものズバリこんな感じです。
安心毛布(Security Blanket)と訳しましたが、これは幼児が安心感を得るためにいつも手元に置く毛布のことです。
記事は人々がノスタルジーを覚える昔の作品のことを、”安心感をあたえるもの”ととらえていることを示しています。
The Wall Street Journalは、「いま人々が求めているものは単なるノスタルジーというよりも、幸福感」だというのです。
各種世論調査で明らかになっているのは、多くのアメリカ人が自分たちはいま幸福でない、と言っていることことです。
エンタテイメント業界の役員、ショーのクリエイター、心理学者が口をそろえてこういいます。
あなたもノスタルジーを掘れ
マーケティングの誰だったか有名な専門家が、「アメリカ文化の影響が、世界市場の平準化の原因だ」と言っています。
もしそうであれば、アメリカ文化の象徴であるエンタテイメントの影響を、日本も等しく受けるはず。
世界市場が一つになっているという、この仮説を受け入れれば、日本もノスタルジーブームが来てるはず。
さあ、マーケターのみなさん、80年代、90年代のヒットをマイニング(掘る作業)してみましょう。
リバイバル、リメイクすれば、とんでもないヒットが生まれるかもしれませんよ。
「何年周期でリバイバルブームが起こる」という仮説を証明するのも、面白いかも知れません。
GWの間も今日もお付き合いいただいて、ありがとうございます。
また明日お目にかかりましょう。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー