見出し画像

クルマのメーカーは事故情報をもっと開示せよ

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:テスラのビルトイン型事故記録システムとドライバー支援システム〈事故防止システム)の凄さ。事故情報を社会と共有することの重要さ。事故のデータは誰のものかというのっぴきならぬイシュー。

野球のビデオ判定より重要な案件

プロ野球でも最近”チャレンジ”といって、今のプレーをビデオで検証して、さっき審判が下した判定を覆す、なあんてことがありますよね。

https://qr.quel.jp/pv.php?b=3T5Qk63

これ、なんでアンパイヤにやらないんでしょうね。

大谷選手が今シーズンも、何度ギリギリストライクゾーンに入っていく球をボールに判定されて悔しい表情をしたことが思い出されます。

僕らもあったま来ちゃいますよね。

https://qr.quel.jp/pv.php?b=3Ckd2Rc

まあ主審のボール・ストライクの判定に監督がいちいち異議を唱えて、ビデオ審査などをしていてはゲームが進まないから、アンパイヤは聖域なんでしょう。

でもこれだけ公平性、正確性がスポーツでも言われてきてるならば、人間の審判はすべてクビにして、AIに任せればいいのに。

でもそれだと、味気ないんですよ、おそらく。

ロボットが主審や塁審じゃあ、なんか人間臭さというスポーツの醍醐味が損なわれるからかもしれませんね。

でも、皆さん、これが交通事故だったらどうでしょう。

今までは、人間がそれを判断してたんです。

でも人の生死に関わり、犯罪を特定することは、ストライク、ボールを判断するのとわけが違います。

それこそ、人間以上の正確さを担保できるなにかがあれば、それに委ねるべきでしょう。

テスラの最新事故検知システム

もうじつは出来てるんですよ。

もちろんね、このテクノロジー時代ですからすでにクルマに搭載されていますよ。

それはドライブレコーダーとは違うんです。

通称ブラックボックス。事故の瞬間の数秒前のクルマの動きをつかんでいます。

しかし、テスラに導入されているテクノロジーは、事故の瞬間の何秒前じゃなくてゼロコンマ何秒という単位で異常を把握して、接触事故の相手方のクルマの動きも検知するというすぐれものなのです。

でも、問題はテスラを含め、最新のクルマ搭載事故情報検査システムが暴き出すデータを、自動車会社が社会と共有したがらないことなんですよ。

社会と共有すれば、いいことがたくさんあるんです。

事故の原因がわかるのみか、道路の設計、事故防止のハイウェイシステム構築、クルマのみならず事故を起こさない交通機関の開発などなど、です。

しかし、社会に事故データを上げてしまうことは、クルマが誤作動したり、テクノロジーの不備だったりした時に、企業にマイナスを及ぼすかもしれず、それでクルマメーカーは尻込みしているんです。

データは誰のものか、という問題もあります。

それはクルマのメーカーのものなのか、それとも所有者のものなのか。

それははっきりした答えは出てません。

プライバシーの問題になったら厄介、そんな懸念が企業側にはあるのです。

テクノロジーが社会を救う

事故データ検知システムだけではありません。

今のクルマは明らかに昔のクルマより安全です。

オートパイロット(Autopilot)と名前のドライバー・アシスタンス・システム(driver assistance systemドライバー援助システム)が、危機を感知すると勝手にハンドルを切り、ブレーキをかけ、速度を落としてくれるのです。


テスラのオートパイロットシステム。https://qr.quel.jp/pv.php?b=3MkzgXL

これに加えて、事故データ検知能力があるわけです。

事故の瞬間を1秒以下のスピードで記録し、歩行者や事故関連事物の映像を特殊カメラやセンサーでキャッチし、それらの統計データも網羅しているシステム、です。

人類の危機をテクノロジーでやっつけろ

経営とは、とかく、売るだとか、儲けるとか攻撃ばかりが強調されます。

しかし、大事なのはディフェンスじゃないでしょうか。

危機を察知し、それを避ける。

危機の原因を把握する。

例えばある交通事故はドライバーのスピードの出しすぎ、という警察の判断が下りました。

しかし、特殊なセンサーやカメラを駆使したシステムで暴き出されたのは、ドライバーが事故のその瞬間、眼にあるビルボード〈大看板広告〉が目に入り、それがゼロコンマ一秒、運転の集中を防いだのです。

それが事故の原因だったのです。

道路行政の政策に携わる官僚は、高速道路上から見えるビルボードの設置基準を見直し、政治家は法律を改正しました。

まあこれは例え話ですが、テクノロジーはこのように社会をよくするのです。

そのカギは、テクノロジーを開発した企業が、いかにリスクの情報を社会と共有するか、ということです。

私企業で言えば、テクノロジーを使って消費者とリスク情報を共有し、製品のリスクや不具合が起こる確率を下げることができます。

以上はニューヨーク・タイムズ・ウィークリー版2022年9月4日号(クルマの衝突事故データが進化、でも共有なさすぎCar crash data grows but is closely guarded〉という記事をオレ流でまとめたものです。

記事の最後の言葉が心に響きました。

「客観的なデータが手に入れば、意見どうこうの余地はない」

前掲ニューヨーク・タイムズ

今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

では、また明日お目にかかるのを楽しみにしています。
 
                            野呂 一郎
              清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー



いいなと思ったら応援しよう!