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最近、あいみょんのCMが多い理由
すみません、ビッグデータ終わるはずが、最後念押しです。
同じようなCMが流れるわけ
今回のビッグデータに関するThe Wall Street Journalの記事ですが、やはり「これだよ、これ」と思わされるような一文に遭遇しました。それは
「企業は先を争ってビッグデータの利用に余念がないが、結局の所似たような結末をたどっている。なぜならばインプットが同じだからだ」(意訳)
同じインプットとは例えば、化粧品会社がビッグデータを利用するとしましょう。「20代前半の女性の80%はナチュラルメークを好む」というデータ(数字)がでました。
このインプットをもとに化粧品メーカーはこぞって、無添加素材で化粧品を作り、あいみょんみたいなナチュラル的なキャラクターをCMに使います。
各社、他社の動向を見て似ないように微調整しますが、大筋でビッグデータの指示に従いますから結果、同じような製品とイメージになります。
でも20代前半の女性の好みは実際はぜんぜん違うから、ビッグデータに従ったメーカーはみんな討ち死に、ということになるわけです。
他社と同じ発想ではすでに負け
この場合2つの落とし穴があります。
一つはビッグデータが間違っているということ。もう一つは仮にそれが正しくても、他社と同じインプットをマーケティングに入れると、差別化ができず、結局大きな成功にはつながらないということです。
「インプットが同じだと結果も同じ」、というThe Wall Street Journalの一節は、この2つを意味しています。
ビッグデータは経営判断のヒントにはなるかも知れませんが、やはりマーケティングには使えないのではないでしょうか。
エビデンス強迫神経症?
今回、ビッグデータのウソを暴きました(笑)理由は3つ。人々は嘘をつく、特にネット住民はその傾向あり。2つ仮にデータが正しいとしても、それを招いた原因は不明。3つ単純に間違いが多い。
私はこの3つの理由は本質的なものだと考えます。私が経営者ならこの3つの理由から、ビッグデータを経営判断に使うのをやめます。
これにプラスして、先程述べた「同じインプットでは差別化できない」というロジックを重ね合わせ、社内にビッグデータ使用を禁止する御触れを出します。
しかし、科学的信仰、エビデンス絶対主義に取り憑かれた経営者はおそらくこう考えます。
「ビッグデータも日進月歩でどんどん正確な情報を出していくだろう、今は過渡期だけれど、1年後は頼もしい科学的により信頼できるデータになっているはずだ。今から調査部門は解体の準備をし、1年後に一台のAIロボットに切り替えるぞ」。
この経営者はビッグデータは、たとえそれがいくら科学的に正しくても、経営判断には何も役に立たない、という本質をわかっていません。
長くなってきたので、ここで最後、昨日引用しそこねた、The Wall Street Journalの金言を記して(野呂の解釈を交えました)、結論めいた締めくくりとします。
消費者を動かす正体は「感情」
感情こそ人々を動かすものである。人々をして特定の製品を買わせ、特定の候補者に票を投じさせるのは、感情である。
あなたは忠誠心というこ概念を数量で表すことはできない。忠誠心だけじゃない、愛国心、親近感、信頼、友情そして愛もそうだ。これらは皆、感情である。定性調査は人々の感情の中にダイブする手法である。
これでもあなたはまだビッグデータを信じますか。
今日も読んでいただきありがとうございます。
また明日お目にかかりましょう。
野呂一郎