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立憲民主、参院選勝利の秘策としての「羽鳥慎一」
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:立憲民主党の戦略のなさ。枝野切りは感情論に過ぎず、論理がないこと。政治におけるスポークスマンの異常な重要性。選挙における勝利のあたらしい定義。立憲民主党のスポークスパーソンとしての「羽鳥慎一」というアイディア。以上に関する考察。
論理と戦略がない立憲民主。参院選もダメだぁ
枝野切り?
だからダメなんだよ、立憲民主は。
何が?
論理がないところだ。
なぜ、枝野を切る?
衆院で負けた責任?
そもそもあんたたちは「選挙の負け」っていう定義がないじゃないか?
自民党に過半数を取られたから?
それが負け、なの?
枝野のリーダーシップがなかったから?
じゃあ、リーダーシップの定義は?
ほらほら、論理ってやつがまったくない。
感情だけだろ。
教えてやるよ、論理ってまず、ことの定義から始めるんだよ。
選挙での勝ち負けの定義
小選挙区での勝率目標を設定し、これをクリアしたら勝ち、クリアできなければ負け、とする。
ただし、影響力の大きいと事前に挙党会議で認定した神奈川13区などの勝利は、他の選挙区の勝利1✕20=20と計算する。
例えば勝率目標を60%に決める。小選挙100区での勝利が40だとする。勝率は40%だ。しかし神奈川13区以外が勝ってこれにプラス20。そうすると合計60で、勝率60%。今回の選挙は「勝ち」となる。
ポイントは戦略的に重要な小選挙区への配点を高くすることだ。
今回、立憲民主は選挙の勝ち負けの定義を考えていなかった。マスコミによっては、神奈川13区で太氏が自民党甘利氏を破ったことを評価し、まるで他の惨敗を余って補うような論調で書いたところもあるが、まずは立憲民主自身が勝ちの定義をすべきだった。
僕が党首だったら、まずこういう。
「神奈川13区で勝負だ。他は負けてもいい。」
選挙の勝ち負けも予想できないようではダメだな
その戦略的理由はこうだ
今回唯一の自民党のアキレス腱があった。それはモリカケサクラだ。(森友学園、加計学園問題プラス桜を見る会のリスト消失問題)
透明性、クリーンな政治がこれほど問われている時代に逆行する、政治倫理という民主主義の根幹への大きな疑問について、立憲民主はぶっこめたわけだ。
この疑問に関しての張本人が、神奈川13区出馬の甘利氏だった。
5年前のUR(都市再生機構)をめぐる口利き金銭授受疑惑から説明責任が問われてきた甘利氏。自民党のダーティさの象徴だ。ここで勝てば自民を破ったことになり選挙は勝ったも同然、なぜその戦略的判断ができなかったのか。
さきほど選挙確率どうのこうの言った。いや、もう13区で勝ったら、選挙勝利でも良かった。
神奈川13区の勝利を選挙での勝利と位置づける戦略の合理性には、もう一つ理由がある。それは、今回の選挙は負けるべきして負けたからだ。
自民党は狡猾だ。選挙の直前に菅首相では勝てないと判断、総裁選を挙行。
女性二人も参加させ、クリーンで女性参加の社会を演出、岸田さんというアクのないイメージも手伝い、コロナ禍戦犯自民党のイメージをひっくり返してしまった。神風も吹いた。コロナが急速にしぼんだからだ。
この状況変化を総合判断すれば、今回の衆院選は苦戦、こういう結論が出たはずだ。
じゃあ、むざむざ負けるよりは、負けを勝ちにできないか。
これが戦略的な考えというものなのだ。
神奈川13区で甘利氏を敗れば、立憲民主の勝ちにする。
あとは経営学の論理がモノをいう。負けるならば、限りある資源の優先配置をすべし。その結論が13区への経営資源重点投入だ。
選挙は、経営学のスキルが物を言う。経済学のマクロではなく、経営学の小さな枠組みの中で人、モノ、カネ、情報を動かす経営学の実践スキルが役に立つ。政治も、経営学に長けた人材をもっと使うべきだ。
負けが色濃いという判断ができず、それならば神奈川13区での勝利を全面勝利にしてしまえというトリック(戦略)ができない。
枝野さんを責めるとすれば、この判断ができなかったことだろう。
政治におけるリーダーシップの定義とは
枝野さんにリーダーシップがない?
リーダーシップの定義はこうだ。以下のリーダーシップを構成する要素をそれぞれの重要さに鑑みてこれにポイントを当てる。リーダーシップのレビューは就任してから3年後、もしくはリーダーシップ認定委員会が認めた時とする。(例えば今回のような衆院選直後)
1. 任期中の衆参院選での目標勝率を上回ること 20ポイント
2. マスコミ対応 40%
3. 同僚議員からの評価が7割を上回ること 40%(評価フォーマット用紙を全員に配り調査)
スポークスマンの重要性
自民党の総裁選で敗れた河野さんにあてがわれたポストが、 「自民党広報本部長」だった。
河野さん、でも何もやってないよね。そもそも広報なんてあったんだ、それが国民の正直な感想だ。
ことほどさように、日本では政界、経済界いやあらゆる世界で広報が軽視されている。
立憲民主も同じだ。
しかし、僕が提案したいのは、旧態依然の機能してない「広報部長」じゃない。
スポークスマン、だ。
いや、ポリティカル・コレクトネスを考えて、スポークスパーソンとしよう。
党の代表はね、スポークスパーソンと両建てじゃないとダメだ。
スポークスパーソンの役割
1. 月例の記者会見で立憲民主の広報を行う
2. ウェブ上での戦略立案、実行
3. 代表記者会見での仕切り
4. マスコミ対応
立憲民主は基本、枝野さんに会見やらせちゃダメだよ、まず、スポークスパーソンが代弁するんだ。
代表はリーダーシップを発揮してもらえばいい。スポークスマンの仕事は、対世間、対マスコミ対応だ。これは代表とは別の仕事で、プロを起用しないとならない。
スポークスパーソンこそ、あらゆる政党の要だ。学問的な定義もあるが、あえて僕の考えるスポークスパーソンの資質について述べよう。
明るく、人当たりがいいこと
滑舌がよく、弁舌さわやかなこと
マスコミの失礼な追求にも決してキレず、冷静、適切に応対できること
議論ができること
笑顔がいいこと
誠実なこと
臨機応変。マニュアルに頼らず、状況変化を即判断して、適切な言動ができること
常に党代表、幹部とコミニュケーションをとっていること
政治はもちろんのこと、経済その他ありとあらゆることに通じていること
国際的なスキルがあること(各国要人とのコミニュケーション能力、提案能力等)
ライティング力があること(日本語、英語)
裏方意識があること(常に持ち上げるべきは党であり、代表)
戦略に長けていること
立憲民主スポークスマンとしての「羽鳥慎一」
しかしね、こういう人材は、いないね。どこの社会にも。
でも、考えてみてよ、こういうスポークスパーソンがいたら、どんなに党のイメージアップになるか。
アメリカはいるよ、でもトランプ氏の女性スポークスパーソンはダメだったし、今まで評価されてきた著名な政界のスポークスパーソンって、いないんだよ。コミニュケーション大国アメリカでさえ。
下のサラ・サンダースさんだよ。僕は正直ね、トランプさんの敗因はこの人のキャスティングにあったと見ているんだ。上から目線で笑顔がない、これが致命的だった。
結論を言おう。
立憲民主党は、枝野さんをクビにする前に、選挙の勝利とリーダーシップの定義をしろ。そして、スポークスパーソンを雇え。
白羽の矢を立てるとしたら、フリーアナの羽鳥慎一さん、だな。
資質はあると思う。あとは教育が必要だけれど、大事なのは筋だ。
彼はモーニングショーの仕切りを見ている限り、筋が良いと思う。
年俸10億円、で。
じゃないと来てくれないだろうし、スポークスマンにはそれだけの価値があるって。日本の政治を変える起爆剤にもなる。
羽鳥さんにはその価値はあると思う。
今日は、大人に対しての記事か、高校生向けの記事かわからなくなっちゃった。
このままの日本でいいの、そして「スポークスパーソンどう?」
皆さんにそう問いかけたかった。
野呂 一郎