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マスク氏のハードコア経営は正しいのか

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:HRMとは何か。イーロンマスクの時代に逆行するマネジメントスタイルは、正しいのか。

経営者としてのマスク氏を評価する

かつてアップルのスティーブ・ジョブズ氏が、カリスマ経営者ともてはやされたことがありました。

https://www.google.com/url?sa=i&url=https%3A%2F%2Fforbesjapan.com%2Farticles%2Fdetail%2F31176&psig=AOvVaw0os4FBjbOzkpnHKi-lT38b&ust=1668956376909000&source=images&cd=vfe&ved=2ahUKEwiNypmRwbr7AhVpz4sBHcwcAE8Qr4kDegUIARDNAQ

自分の理想を押し付け、それに共鳴しない部下を怒鳴り散らし、気に入らなければ無能呼ばわりするのは、イーロン・マスク氏との共通点です。

経営学的にマスク氏の経営の誤りを一言で言うと、”非人間性”です。

かつて私は「HRMとは何か」という本を書きました。

HRMとはHuman Resource Management (人的資源管理)の略で、現代の人事管理の要諦を論じ、その本質は「人間性、公平性、戦略性」と書きました。

3つの中で最も大事なのは、「人間性」なのです。

人間性、すなわち、人としての尊厳を尊重する経営が、経営の正しい方向性なのです。

しかし、マスク氏の経営はこれに完全に逆行しています。

それは、今回の大量解雇にあたって、数々の非人間的な命令、指示,発言から明らかです。以下The Wall Street Journal2022年11月16日号の記事「イーロン・マスクがツイッター社の社員に二択。猛烈に働くかやめるかを最後通告。Elon Musk Tells Twitter Staff to Work ‘Long Hours at High Intensity’ or Leave」からみてみましょう。

1.ハードコア経営宣言

きのう論じた彼の経営スタイルです。ひたすらにモーレツに長時間働けというものです。

2.ギリギリの命令

明日までに退職希望を出せ、というもの。真夜中にメールがきて、早朝までに意思決定しろ、という。そんな無茶振りについていけないというものが多数いる。

3.法の軽視

大量解雇する場合は60日の猶予を与えなくてはならないとの、連邦法を無視。三か月の失業手当は、法の追及を逃れるトリックだと言われる。

4.大量の訴訟を抱えている

すでに解雇された従業員から、何件も不当解雇の訴訟を起こされている

5.専門スタッフの解雇で、ツイッターはヘイト、差別投稿のたまり場になりつつある。


これは予想されたことで、現実になっている。

6.リモートワークの願いを無視。

「リモートワーク?どっかでさぼっているに違いない」と決めつけ発言も。最近は直属の上司の判断に任せると翻意したようだが、働き方はあくまでハードコア。

イーロン・マスク氏のこのような経営のやり方は、経営学の現在の定説である「人間性中心の経営」に逆行しています。

あなたは、マスク流の経営を受け入れますか。

                            野呂 一郎
              清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー

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