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ニューヨークタイムズが報じたウクライナ侵攻、プーチン真の動機
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:国民を騙す虚偽のプロパガンダを実施する方法。プーチンの戦争、真のモチベーションとは。クレムリンのプロパガンダの強さ。ニューヨークタイムズの報道の質。
紙の新聞のよさ
今月からニューヨークタイムズをとることにしたんですよ。と、言っても週刊のやつで、1週間の主要ニュースをまとめたNY Times Weeklyです。
その理由は、日本での紙媒体の販売をやめたため、やむなくオンラインで購読しているThe Wall Street Journalが読みにくいからです。
このことについてはすでにお話しているのですが、パソコンに向かわないと読めないし、目に優しくないし電磁波を浴びるのも避けたいからです。
メジャーな英字紙で紙で読めるのは、どうやらNY Times Weeklyしかないようなので、とりあえず買ってみました。
内容の確かさ、面白さは勤務先の大学図書館で時々手にとって見るので、
わかっており、ウィークリーでも読めるならばいいな、と思ったこともあります。
いや、なかなかいいです。
政治記事がメインですけれど、取材が行き届いていて鋭いな、という印象です。
きょうは3月6日号の
A leader Russian didn’t really know(ロシア人があまりよく知らなかったリーダー)という一面の記事を紹介します。
ニューヨークタイムズのウクライナ危機報道
ポイントは以下です。
1.プーチン大統領は孤立
元・直近アドバイザーグレブ・ペブロスキー氏(Gleb O. Pavlosky)は「プーチンは孤立している。かつてスターリンがそうであったよりも、ひどい孤立を」。
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2.2月21日のスピーチの衝撃
ペブロスキー氏は2月21日、プーチンの「ウクライナは脅威以外のなにものでもない」との発言に卒倒。
3.ロシア政府と国民の認識の乖離
テレビではロシア外務省スポークスウーマンのマリア・ザカロバ氏(Maria Zakharova)が「我々の特別軍事作戦は、世界大戦にエスカレートするのを防ぐため。ひたすらそれだけ」と語った。
しかし、SNSではロシア人の「いや、それは数百万人という友人、親戚がいる国に大虐殺の種をまく行為だ」という書き込みがあふれる。
4.プーチン研究者が考えを改めた
何十年もプーチンを研究している分析家たちがこぞって、「今回の軍備強化はブラフ(単なる脅し)だと思っていた。
しかし、今回のウクライナ侵攻を目の当たりにして
「プーチンは、もはや論理では理解できない。異常にエモーショナルになっている」とこれまでのプーチン像を否定。(もちろん匿名でコメント)
5.ロシア政府によるプロパガンダを信じてきたロシア人
クレムリンは、ロシア大衆を洗脳してきた。「プーチンがロシアを貧困から救い、国際的な尊敬に値する国にした」プロパガンダを信じ込ませた。
しかし、その信仰がゆらいでいる。
警察の厳しい取り締まりのなか、何万人ものロシア人が反戦デモに参加し他事実は大きい。
6.プーチンのモチベーションは何か
ここ数年、プーチンは歴史に名を刻むことに異常に執着している。歴史学者は、これが彼のモチベーションを理解するカギだ、と言っている。
7.なぜ、プーチンは戦争を始めたのか
合理的で戦略的な優先順位よりも、プーチンにとっては、戦争をする方が、より面白く、より必然性があり、より重要だからだ。
ニューヨークタイムズは、
「ウクライナ侵攻は外国の反ロシアの感情を高め、NATOの対立をエスカレートさせるだけで出口はないのに、プーチンは歴史に名を残せるとの幻想に取り憑かれている」と報じ、
「これはロシアの戦争ではなく、プーチンの戦争だ」と、結んでいます。
今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
また明日お目にかかるのを楽しみにしています。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー
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