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インフルエンサーの「盛々ブランディング」に気をつけろ。

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:見栄を張るのは中身のない人間の常だが、リアルでもインターネットでも、それは健在だ。特に注意をしなければならないのは、インターネットだ。真実の証明ができないのをいいことに巧みなウソのブランディングであなたを信じ込ませる。フォロワー数何万人、にだまされてはならない。

嘘つき男に騙される貴女

中学生のころ、よくラジオでかかっていた歌があり、気に入ってレコードを買った覚えがあります。

「うつろな愛」というその日本語タイトルは秀逸で、なんとなくそんな感じが曲調に漂っていました。

ただ、英語のタイトルはYou are so vain、あなたってとっても見栄っ張り、というもので、歌詞も「嘘ばっかりついて、あんたとなんか結婚するんじゃなかった」っていう、みもふたもないフレーズのオンパレードだったのです。

でも、目的のためなら手段を選ばないが主義の男ならば、ホラを吹いても、自分を大きく見せても、女性と結婚すれば勝ちです

AIも見栄っ張り

チャットなんとかとか、ディープなんたらも、それを利用してお金儲けを企んでいる人々は、商品のPRを盛りすぎじゃないかなあ。

あの歌のサビは「You're so vain あんたって話を盛りすぎ」で、何回もこのサビが繰り返されるのですが、僕はAIにもこの曲を突きつけたい気持ちです。

あなたの生産性が10倍になるとか、生成AIを使わないと世の中に置いていかれる、とか、「時代に乗り遅れたら大変」「AI使っている俺はキテるな」と思っている人たちには刺さるフレーズなのかもしれませんが。

https://note.com/istibx/n/n2ba8e18b983a

なぜ、男に騙されたのか

また「うつろな愛」に戻りますが、曲中の女性は、なぜ、こんな嘘つき男に騙されたのでしょうか。

それは、英語で言うtoo good to be true (本気にするには嘘っぽすぎる)ことを信じてしまった彼女の愚かさにあるんです。

ハンサムで飛ぶ鳥を落とすAIスタートアップの社長で、社員にも株主にも愛されている、なんてウソウソ!

なんでそんな盛り盛りの話を信じちゃうのかなあ。

彼らの使う、流行りのカタカナには気をつけましょう。

新興のベンチャー企業よりもAIスタートアップとか、社長よりシーイーオー(CEO)と言ったほうがカッコよく聞こえる、そういう言葉のチョイスのスキルを奴らは持っているんです。

貴女がなまじ知的な女性だから、「AIスタートアップかあ。じゃあ将来性もばっちりで、あたしに求婚するのも目が高いわ」・・

になるのかも、です。

詐欺師はひとの心の隙をつくんですね。

インフルエンサーに気をつけろ

見栄っ張りでペテン師の男は街中のカフェだけでなく、電脳空間にも存在します。

最近のニューヨーク・タイムズの記事で、100万人のフォロワーがいる投資インフルエンサーが運営しているオンライン投資セミナーで、「絶対儲かる!」とお墨付きの株を買ったら大損したケースを取り上げていました。

問題は、だました、だまされたというよりも、これも「盛る」という行為にあります。

記事の主張は「インフルエンサーの巧みなブランディングに気をつけろ」ということです。

年収1億円だの、ビットコインで大儲けしただの、いくらでも手柄話は創作できます。

写真だって、大金持ち風の家だって、贅沢な調度品だって、フォロワー数だって、フェイクを使えばいくらでも自分を大きく見せることができます。

こうした”盛り盛りのブランディング”に騙されてはなりません。

日本でも、この手の嘘つきインフルエンサーに騙されてすってんてんになった女性のことが、昨日テレビでやっていましたね。

インターネットは、「You're so vain =見栄っ張りの楽園」なのです。

お互い気をつけましょう。

野呂一郎
清和大学教授




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