メッシのマイアミ行きの理由が、今、わかった。
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:メッシ、インテル・マイアミ行きの本当の理由。スポーツ(サッカー)ビジネスのキモはグッズという真実。ユニ(ユニフォーム)という戦略製品の可能性。スポーツマネジメントはスポーツメーカーだけのものじゃないぞ。
なぜメッシはマイアミを選んだのか
米MLS(メジャーリーグ・サッカー)で大活躍のリオネル・メッシ選手。12試合で11得点はさすがです。
でも、なぜ、メッシはそこにいるのでしょう。
同時代でナンバーワンプレイヤーどころか、サッカーの歴史の位置づけても比類ない存在とされる神様が、W杯アルゼンチン優勝の立役者が、なぜ今年の7月、サッカーリーグとしてはプレミアリーグなどとは比べ物にならない、メジャーリーグなどの名前はつけてるけれど弱小かつマイナーなリーグ、MSLなんかに移籍したんでしょうか。
バルセロナでメッシを指導したことがあるヘラルド・マルティーニ監督がいたからとか、バルセロナ時代の盟友たちがいたから、居心地がいいから、などというファンもいますが、それは違うのではないでしょうか。
ニューヨーク・タイムズがすっぱ抜いているのが、証拠です。
はっきりそんなことは言ってませんが、ニューヨーク・タイムズWeekly2023年11月5日の一面を見れば、「ああやっぱりそうか」となります。
記事の見出しはFans can't get enough of Messi's pink jersey(メッシのピンクのジャージが足りなくて、ファン怒る)です。
そうです、カンの良いサッカーファンのあなたなら、わかりますよね、メッシがインテル・マイアミに移籍したのは、Tシャツいやジャージ、つまりユニを売るためだったのです!(半分笑)
巨億のカネが動くのは移籍金だけじゃない
記事によれば、最近メッシが親しい記者に移籍を匂わせたら、その日のうちに、メッシのユニフォームを販売しているアディダスに世界中から問い合わせがきて、「メッシがやめるならば、あのピンクのユニを記念に買いたい」というリクエストが50万も来たというのです。
アディダスは、これに賭けようとしてるみたいです。
バルセロ、マイアミ、バンコックなどありとあらゆるところから、記念ユニ欲しいの大合唱に、アディダスも動いた、というのです。
アディダスでは、通常ユニはチームの全員のものを制作、販売し、個人のは作らないのだそうです。
それも9ヶ月前から制作を開始するのですが、メッシの離脱記者会見が数週間以内に行われると考えられ、その席でアディダスは「本日発売、インテル・マイアミ最後のメッシ・ユニフォーム!」とやりたいのです。
納期が実質ゼロなので、一刻も速く市場に出すために、アディダスは生地作成とロゴ&エンブレム作成を、別立てで走らせているとのことです。
ニセ業者も大挙してあらわれるため、著作権侵害を含めた法的対応も必要になってきます。
アディダスは子供用と大人用、両方作るらしいです、それぞれ25ドルと65ドルで、偽業者は50ドルで売るつもりとか。
メッシのXデー記者会見に間に合うよう余念のないアディダス社ですが、一部で報じられているように、これがメッシのきまぐれに終わったとしたら・・・。
逆に言うと、アディダスに社運をかけさせてしまうメッシって、どんだけ凄いんだ、ということになります。
またこの件、あらためてスポーツという市場の凄まじさを、マーケティング関係者は思い知るべきです。
大谷vsベーブ・ルースがドッキングした記念カードがプレミアム化しているなどと、海外のニュースが伝えてますが、日本のスポーツメーカーは、今が旬の大谷翔平をまるごとグッズ化するなんて、あんまり考えてないですよね。
アディダスの本気に学ぶべきだし、また、ユニを始めとしたグッズ・マーケティングも再構築したほうがいいですね。
ここでグローバル市場という発想が必要なんだよね、でも日本企業は・・・。
野呂 一郎
清和大学教授