企業の「クラブ活動」のすすめ。

この記事を読んであなたが得られるかも知れない利益:昨日お話した「所属の欲求」の続きで、企業のクラブ活動のすすめ。ゲリラマーケティングとは何か。なぜAKBの熱狂は、以外に早く終わりを告げたのか。

ゲリラマーケティング再び

あれは1983年頃だったと思いますが、「ゲリラマーケティング」という本がアメリカでブームになったことがあります。

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従来のマーケティングには一切目もくれず、実践的な観点からのみ、マーケティングを再編集した非常に面白いシステムです。

ネタバレになるので、このnote記事では明かせませんが、機会があれば皆様にもぜひお教えできればと思います。

さて、その一つの手法に、きのうお話した「所属の欲求」に関するものがあるんです。

野呂の講義ファイルから、それを呼び出してみますね。

野呂講義より

クラブを作ろう

きのう、大学生き残りの時代の考え方の一つとして、「クラブ活動を中心のキャンパスライフ」を提案しました。

それなら、これは企業にも応用できるはずですよね。

ゲリラの法則その10,は、まさにそのことを指摘しているのです。

では、考えてみましょう、今の時代にあったクラブとは何か、を。

昨日引用したマズローの欲求5段階説によれば、現代の大きな社会問題としての孤独に苦しむ人達は、「所属と愛情の欲求」が満たされてないことになります。

愛されたい欲望は、自ら他者を愛すことで充足されると言われます。

今言われている「推し活」がまさにそれです。

自分の愛する対象に、お金と愛情を注ぐライフスタイルです。

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そうすると、現代における「所属と愛情の欲求」を満たすクラブは、「ファンクラブ」と言えないでしょうか。

ジャニーズが証明したファンクラブの威力

今どきこの話をするのは微妙ですが、あえてビジネスの話として取り上げます。

ジャニーズを支えていたのは、ファンクラブ(FC)からの収益でした。

ジャニーズFCは、入会費1000円、年会費4000円と設定されていて、総会員数が1300万人だとすると、それだけで「年間520億円」の収入をジャニーズ事務所は得ていたことになります。

ジャニーズ事務所解散で、これらの収益はなくなるわけですが、ファンの「所属と愛情の欲求」がいかに強いもので、マネーを産むものかを改めて思い知らされます。

ファンはクラブに所属することで、その愛情の対象への愛を深め、ファン同士の結束を強め、ますますクラブ活動にのめり込んでいくのです。

AKBの熱狂が続かなかった理由

ファンクラブの運営は、おそらく経営学的に考えると「やりすぎないこと」が重要です。

チケット先行発売、サイン会握手特典、グッズ割引などやれば十分で、本人出演ファンイベントなどを頻繁にやると、ファンを吸引する最大要因である「適度な飢餓感」が失われるからです。

僕はAKBの「握手会ビジネスモデル」は、文字通り「悪手」であったと思うんですよ。

「会いに行けるアイドル」というコンセプト自体、諸刃の刃だったのです。

短期間で見ればファンとの距離を縮めることで熱狂を産みましたが、長期間で見れば、熱狂は彼女らのタレント生命をも縮める結果に、なりました。

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ファンクラブの力学というのもあって、コアなファンほどファンとしての矜持というかプライドを持っていて、ファンクラブをやめたりしません。

それどころか、自主的にファンクラブの運営に協力してくれることすらあります。

そういう意味で、ファンクラブを運営する側は、ファンクラブを維持するコストは少なくてすむのです。

企業への応用 Win-Winのクラブを作ろう

すでにやっている企業もあると思いますが、企業にとってのファンクラブは、主力製品とか企業キャラクターのファンクラブですよね。

ポイントは、これを広告宣伝費と割り切り、間違っても会費などはとらないことです。

サービス内容は、例えばグリコのポッキーファンクラブだったら、工場見学正体、新製品試食会、割引クーポンくらいでいいのではないでしょうか。

このファンクラブは、ファンサービス、ファン保全の他にもう一つ隠されたメリットがあります。

それは、ファンクラブをフォーカスグループ(製品調査のために集めるモニター)として使えることです。

ファンに定期的に集まってもらい、新製品の感想を聞くとか、企業や製品イメージの向上案をだしてもらうなど、協力してもらうのです。

マズローの言う「所属と愛情の欲求」は、自分が属しているグループに愛情を与えることで満たされます。

それを考えると、企業にとってもお客様にとっても、この「クラブ活動」はWin-Winなのです。

くまモンとかふなっしーばりの、愛されるキャラクターを作って、ファンクラブを作ることも、まだまだ可能性があると思います。

野呂 一郎
清和大学教授


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