真夏の怪談シリーズ7夢のお告げはあるのか?
夢のお告げで採用がかなった
僕は今の大学に来る前に、新潟の大学で6年間勤めていました。
苦しいことも、つらいことも、楽しいことも当たり前にありましたが、その大学に来ることが運命だったんじゃないか、そう思うことが多々あるんです。
もちろん人生そのものが運命だとする考え方もあるし、運命の出会いというものもあると思います。
しかし、予知夢はどうでしょうか。
予知夢とは、これから起こることを夢があらかじめ示す現象です。
この予知夢を「未来はすでに決まっている」という論拠に使う人もいます。
しかし、僕が見た夢はまさに予知夢であり、未来はすでに決まっている思わせるような、リアルなものでした。
長岡駅の残像
その大学で教員募集があり、面接の日の前日夢を見ました。
その夢は長岡駅で乗り換えホームがわからず、右往左往して駅で迷子になり、助けを求めようにも誰もいないというものでした。
袋小路に入ったみたいで、そこは壁が緑で塗られている倉庫のようでした。
すると、どこからともなく駅員と思しき人が来て、正しいホームを教えてくれたのです。
背は190センチ近くあり、四角い眼鏡をかけていたので、はっきり覚えています。
面接試験の当日、長岡駅に着いたのですが、夢とまったく同じことが起こったのです。
僕は乗り換えホームがわからず右往左往、緑の倉庫にぶち当たり、どこからともなく出てきたのが、メガネの大男だったのです。
夢で出てきた男は亡霊だったのか?
僕が見た夢は、まさに正夢だったのです。
僕はこれは絶対うかるな、と確信しました。
面接は非常に和やかで、好意的な雰囲気で行われ、その場で合格が決まったような気になりました。
翌日、採用決定の連絡をもらったのです。
それにしても、その後、長岡駅にはしょっちゅう行きましたけれど、
190センチの四角い眼鏡をかけた男の人に、あったことがありません。
ひょっとしたら、あの人は亡霊だったのではないか、と思うことがあるのです。
なぜ、幽霊じゃなくて亡霊かというと、亡霊はネガティブな部分も持ち合わせているからです。
実は、その大学に採用されたはいいが、採用当初から学内に大きな問題が勃発し、そのことでほぼ6年間塗炭の苦しみを味わったことがあったのです。
だから、この夢は正夢だったのですが、それには大きな警告も含んでいたというのが、現在の僕の解釈です。
野呂 一郎
清和大学 教授