”世界の孤独問題”の元凶、男子校を廃止せよ。
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:世界の”孤独問題”の概況。現代社会における友達の作り方。友達を作るにあたってSNSは役に立つか。人と出会えないことがあなたの人生の大きな損失になっているという事実に向き合うこと。
フレンドシップ・コーチって何?
The Wall Street Journalオンライン版2022年1月29日号は、How to find and keep friends: A guide for middle age(友だちを作り、キープする。中年の人たちへのガイド)と題して、孤独の問題、そして、友達をつくることの大切さを呼びかけています。
この記事を書いたのは、”フレンドシップ・コーチ“のジュリー・ジャーゴン(Julie Jargon)さんです。
まず驚くのが、彼女の肩書、”フレンドシップ・コーチ“ですよね。
そうです、どうやってお友達を作るかのアドバイスをするお仕事です。
このあいだ、”中年の主婦の孤独、というコラムを彼女が書いたら、「どうしたら孤独を癒せるの?」、という問い合わせのメールが殺到したそうです。
「孤独」は国を挙げて取り組む社会問題である――。そんな方針を掲げて、英国は2018年、世界で初めて「孤独担当大臣」を任命しました。
高齢化、社会不適合などの問題が、孤独に起因しているというのです。
友達ファインダーとしての愛犬
きのう、犬の話をしました。
見知らぬおばあちゃんの愛犬チワワが、見えないはずの僕をめがけて一直線に駆けてきた、まるで前世での恋人を見つけたように、という話でした。
そうなんですよ、おばあちゃんと僕は、一瞬にして友だちになったのです。
犬好きな人は、犬好きの人が大好きです。だからです。犬は友達を作る、かなり有効なツールです
記事は、どうやって友達を作るかについて、アドバイスしてくれます。
いちばん大事なのは、「まず出かけよう」ということ。コロナでお外にでなければ、何も始まりません。
1. 子供の遊び場に一緒に行こう
大人は子供に遊び場に行って、友だちになってと呼びかけることを教えます。大人も、つきそいの両親に「友だちになって」、と声をかけましょう。
2. フェイスブックで呼びかけよう
ある主婦がフェイスブックで主婦の友達募集をしたら、またたく間に200人からの反応があった。
3. フェイスブックはやめておけ
ソーシャルメディアが孤独を生み出すとは言えないが、専門家はフェイスブックやインスタグラムは孤独をひどいものにすることがある、と言う。
想像ですが、フェイスブックで”リア充自慢”をされると、自分だけ蚊帳の外的な疎外感を感じたりするものです。
SNSはそもそも承認欲求がなければ参加するのは難しく、孤独を感じる人にはそんな気持ちがなく、やったらやったで”自分に嘘をついてる感”が起こってそれが自分を苦しめるからではないでしょうか。
4. ローカルなSNSを使え
今度しっかり紹介しますが、アメリカにはローカルなソーシャルネットワーク・サイトのNextdoorという民間のサービスがあります。
ある女性が、「カリフォルニア・バークレー地区在住の皆さん、グループを作って定期的に一緒に夕食を一緒にしませんか」と書き込みをしましたら、またたく間に仲間が集まりました。
5. ファシリテーターを頼れ
これは日本にはないかもしれませんが、アメリカには友達づくりのファシリテーター(推進役)がいます。
ニューヨーク在住のジュリアン・リチャードソンさん(Jillian Richardson)は定期的なニュースレターを発行して、地域の皆さんの友達作りのお手伝いをしています。
日本にないなら、あなたが作っちゃえば?
6. ソーシャルメディアはやめて、電話にする
友だちができたら、各自のインスタをスクロールしあうのはもうやめて、代わりに電話で話をしましょう。フレンドシップコーチのキャット・ベロス(Kat Vellos)さんのアドバイスです。
これは新鮮なアドバイスですね。僕らもめっきり電話で話すことがなくなったと思うんです。
電話に帰れ、は何かわかる気がすると同時に、もう戻れないような怯えもあります。
ここで大事なのは、ビデオ電話ではないことです。ビデオ電話は、色々見られたくないところがある現代人に余計なプレッシャーを与えてしまいますね。
7. お散歩の時間を決める
犬の散歩をするならば、毎日同じ時間にしましょう。必ず、同じ時間に散歩する愛犬家がいて、話が弾み仲良くなります。
最近、僕が昨日話したチワワに会えないのは、初めて出会った時間にお散歩をしてないからですね。
8. ディスタンスに気をつけて
お友達ができたからって、調子に乗って近づくと嫌われます。もちろんコロナだからです。
9. ヘッドホン、イヤホンは外す
外に出るときは、耳を覆うガジェットはつけないように。
「わたしはオープンじゃありません」といっているようなもので、友達なんてできっこないです。
10. 友達マッチメイキングサイトを利用するときの心得
あるんです、そういうのが。Meetupはその一つです。今、日本版もあるみたいですね。
でも大事なのは、自分が嫌いなことを知らせるのではなくて、好きなことをPRすることです。そうするとあなたの理想の相手にめぐりあいやすいといいます。
あなたの財産になる友人を作る方法
いかがでしたでしょうか、皆さん。
僕はちょっと経営学的な観点から、この孤独問題に意見があるんですよ。
それは、僕を含めてなんですけれど、日本人は友達つくりが下手だな、って。
皆さんは、今回の記事のように、孤独を感じることは少ないと思うんですよ、でも、友達のありがたさはいろんなところで痛感しますよね。
僕が一番ありがたかったのは、アメリカ・ウィスコンシン州に留学していた3年間です。
そこで出会ったのが、「日本人会」でした。
これはネットで見つけた、「マディソン日本人会」の様子です。マディソンとはウィスコンシン州のミルゥオーキーともう一つの州都です。
アメリカは全米各地に日本人会があり、一種の互助会的な機能を果たしています。定期的に日本食を持ち寄ったり、映画に行ったり、会員の家で遊んだり。
当時日本食に飢えていたので、定例会みたいな食事会はありがたかったです。
偶然その会の存在を知って、初めて行ったその日、僕は一人の日本人に会い、人生が救われたのです。
「のろさん」と声をかけられました。
「覚えてますか、大学時代1年後輩のAです。スキー教室で一緒だった。」
10年ぶりで、こんなところで会うとは!
A君はウィスコンシン州の大学に会社留学で、2年前からこの地に来ていました。それ以来、何かと現地に慣れない僕を助けてくれました。
外国での友達ほど、ありがたいものはないですね。
もちろん同国人だけとは限りません。中国人の友達が時折作ってくれた、ハスにひき肉を挟んであげた天ぷらの味は忘れられません。
国策として、友達を増やす仕組みづくりを急げ
しかし、日本人は僕も含めてシャイだから、そのとおりだけれど、仕組みづくりが大事だと思っているんですよ。
最後に僕の考える、仲間づくりのアイディアを聞いて下さい。
1. 大人は若者同士をマッチングせよ
僕は研究室に新しく入ってきた学生を、すでにいる全員に紹介し、自己紹介させます。案外、自分から挨拶する学生がいないんですよ。学生時代は、1年生の時に友達をたくさん作ってあげたいですよね。
大人がそこをなんとかしてあげるべきです。
2. セミナーのたぐいはティータイム、アフターの飲み会をデフォでつけろ
よく企業や大学が主催する勉強会、講演の類がありますよね。
コーヒーブレイクをつけ、できればアフターの懇親会をやるべきです。
もちろんそこには僕がしゃしゃり出て、参加者同士をマッチングさせる、ファシリテーターをつとめます。
日本人同士のパーティは、みぃんな壁の花(昭和の死語。”ダンスパーティ”で声をかけてもらえない負け組のこと)になっちゃう、つまり自分から声をかけないんですよ。
立食パーティは食べているだけ。(僕もそう😁)コーヒーブレイクも、外人はうまくやるのに、日本人はまるでダメだ。
ブレイクタイムの戦略的使い方をコーチする前に、ファシリテーターがつかないとダメです。
3. 合コンは古い
学生時代から、もっともっと友達を作らないと日本は危ない。
合コン、って昔からありますよねぇ。
でも僕らの学校はあんまりなかったな、他の女子大から人気がなかったからです。
でも、男と女の出会いじゃなくても、どんどん大学同士、いや専門学校と大学でも、高校vs大学でもいい、マッチングが少なすぎますよ。
これは、若者たちに任せるのではなくて、少子化対策とか、もっというと経済政策の基礎として、捉えていいんじゃないかと思うんです。
4. 男子校、女子校を廃止せよ
まあ僕もその成れの果てなんですが、男子校やめるべきですよ。
モテる男はいいけれど、そうじゃないと僕みたいに一生はぐれちゃう(笑)
これは何も男女の出会いというだけでなく、人間同士の交流を阻害し、社会の活性を失わせている元凶だと思うんですよ。
そもそも男女別の学校なんて、ジェンダー差別の最たるものだと思うんですよね。
会社も男子校みたいなもんだよね。考えてみれば。
少子化大臣は気づいてないのかなぁ。
さて、今日は、「孤独問題・友達いない問題は、経済問題だ」という話をしました。
でもこの問題、孤独という社会現象に関するもっと深い、重要な観点があるはずなので、また機会があれば、みなさんとお話しましょう。
まあこの連載でも、オフ会みたいなものがやれるくらい、盛り上がればいいのですけれどね・・
今日も最後まで読んでくれてありがとうございました。
じゃあ、また明日会いましょう。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー