グローバルな都市戦略なき東京。
この記事を読んで高校生のキミが得られるかもしれない利益:キミが首長になったときにまず世界平和を考えるべきという論題。アメリカ以外の価値観を持つことの重要性。首都東京は世界に対してもっと貢献をすべきという責任論。
コロナで外国人の入出国でミソをつけた東京
コロナである意味、東京は失敗しました。
なぜならば、外国人の入出国に関して、非常に規定や法律があいまいで、分平等な基準が用いられたからです。
せっかく日本が好きになって、日本のビジネスに力を貸してくれていた外国人に差別の感情を与えてしまったことは、様々に報道されています。
感染を持ち込ませるな、水際戦略だ、そうした一見正しい言説は、長期的な国際国家日本というビジョンが欠けていたと言わざるを得ません。
カイロ大学卒の国際性を発揮してほしい小池さん
小池さんは、国際的視野にたった東京の都市戦略っていうのをきちんと持ってるのかなあ。
彼女はカイロ大学卒業ならば、そのアドバンテージはものすごいはずで、欧米的価値観を超えたものを持ってるはずなのに、全くグローバルなアイディアやセンスを感じさせませんね。
中東にパイプがあるはずだから、カイロと都市間エネルギー契約でも締結し、ウクライナ危機で石油がたりないこの危機に、都民を安心させてほしかったですね。
クールジャパン戦略の進捗も報告してないし、東京が世界に何をできるのか、何を貢献するのか、そういう表明もない。
そもそも、東京の姉妹都市ってどこよ、誰か教えて。
そんな感じじゃないですか。
東京は日本の単なるシンボルじゃなくて、世界になにか貢献すべき責任があるはずなんですよ。
それが世界のリーダーの感覚ですよ。
カイロ大学出ているのならば、まずそういう発想にならないのが不思議で仕方ない。
まあ小池さんも周りがグローバル感覚がないから、またグローバル云々は、政治家として何の得にもならないから、封印しているのかもしれませんが。
また側近にグローバルなやり手がいない、というのもあるかもしれませんね。
小池さんのポテンシャルはあるはずだと、僕は信じてますよ。
コネチカット州ハートフォード市長の戦略
なぜこんなことを言うかというと、昨日の話の続きです。
コネチカット州ハートフォードの市長ルーク・ブロニン氏(Luke Bronin)は、ある意味で戦略家だと思うのです。
それに比べて、わが東京の首長は何やってるのなあ、毎日コロナの数を発表するだけって・・・。
1万3千人の州職員の8割リモートワークを認めた意思決定は、ハートフォード市長の戦略にほかなりません。
その思惑は昨日話した通り、市職員を希望する人々への強力なアピールであり、歳出の大幅な削減です。
しかし、長期的にはハートフォードをサステイナブルな、持続可能な都市としての競争力をつけたいのです。
都市戦略は徹底的な差別化、長期的な視野で
ニューヨーク市やボストン市は、ハートフォード市とは対照的に、職員のリモートワークを規制する法案を通しました。
リモートワークを認めることは、住民サービスをおろそかにすることだ、との判断があったことは想像に難くありません。
ハートフォードの市長は、戦略の基本である差別化、つまり他の首長と同じやり方をとらなかったのです。
ブロニンさんの戦略は、リモートワークで空きのでた市庁所有の物件を買い上げて、税免除で不動産会社に安く売り、それを新規の住民に売ることです。
ニューヨークやボストンよりも、アフォーダブル(affordable ちょっと無理すれば手が届く価格の)な住環境をアピールするのが、狙いです。
市長の根底にあるのが危機感です。
ハートフォード市はコロナの前から、人口が減っているんです。
コロナでも中心街のショップやレストランは、郊外に避難しています。
またコロナが来たら、客が遠のくのに懲りたからです。
でも、ここでニューヨークやボストンほどは魅力がなくても、手を伸ばせば届くいいアパートに住めて、世界的に有名なワズワース・アテネウム美術館やヤード・ゴーツというマイナーリーグもあるし、おまけに公務員になれば最高の生活がおくれますよ、とアピールしたいのです。
いい都市戦略じゃないですか。
全米初の8割リモートの公務員になって、快適に働き、文化的な生活ができる、
The Wall Street Journalでこれだけ大々的に取り上げられ、全米に、世界中にこのニュースが流れた。PR効果だって市長は考えていたはずです。
コロナで日本も、そして東京も地方に、郊外に人口が移動してますよね。これって自治体にとって死活問題じゃないですか。
小池百合子をジャンヌ・ダルクにせよ
小池さんは危機感がないよなあ。
それと、申し上げた通り、世界の東京がどう世界に貢献していくかのグランドデザインがない。
こういう時に、コロナ禍で、ウクライナ危機でこそ、日本の首都東京が、世界に積極的に何かを働きかけていかなくちゃならないのではないでしょうか。
その準備も覚悟もない。考えすら、ない。
まあ小池さんは、忙しいだけかもしれないけれど。
でも噂されているように国政に出るんならば、総理を狙うんならば、
ここで国際的なポイントをあげておくべきだと思うけれどな。
「東京のガバナー(知事)が、ウクライナの国営放送に乱入した勇気ある、あの女性を副知事に招いた!」
こんなニュースが世界に流れたら、一瞬にしてユリコ・コイケは
新時代のジャンヌ・ダルクです。
高校生のキミは、首長になったら世界に向けてパフォーマンスのひとつでもできなきゃならない。
首長にならなくても、東京に住んでいなくても、キミは、キミの住んでいる都市が世界に何ができるかを、常に考えてほしい。
今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
では、また明日お目にかかるのを楽しみにしています。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー