もしもハリー王子が悪魔だったら・・
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:悪魔の経営学を英王室に応用する。個人はマスコミの悪意にどう対抗し、自分を守り、あまつさえ利益を得ることができるのか。ハリー王子の一件を参考にケーススタディする。トップ画はhttps://qr1.jp/iqoglm
ハリー王子、受難の半生
最近のニューヨーク・タイムズとウォールストリート・ジャーナル紙に、同時にハリー王子の記事が掲載された。
偶然かなあ、この2つの記事って、きのう書いた「悪魔の経営学」っぽいことがテーマなんだよ。
悪魔の経営学は、ある種禁断のセオリーだけれど、個人にも使えると書いた。まさにこれらの記事は、悪魔の経営学・個人版と言えるもので、ちょっと紹介したい。
ハリー王子といえば、昨年スペア(Spare)っていう自叙伝を出したよね。
テーマは彼がいかに王室で虐げられてきたか、っていうことだ。
ウィリアム王子という太陽のもとで、いつも日陰に追いやられていた、ハリー。
スペアつまり代替物っていう言葉自体、ウィリアムの劣化版でしかなかったという自虐が込められている。
プロレスファン的には「ハリーはウィリアムの噛ませ犬」というとわかりやすいかもしれない。
12歳の時にお母さんのダイアナ妃が事故でなくなり、自暴自棄になった。
大麻吸引が発覚した時、お父さんのチャールズはデトックス(大麻解毒)のための施設入院を画策した。
ショック療法のつもりだったが、彼は父の愛は感じなかった。
チャールズは、そればかりか、ハリーを自分の防波堤に使った。
マスコミはハリーを連れているときには、いつもの辛口の質問や疑惑をぶつけることはなかったからだ。
ハリーの復讐劇が始まった
ニューヨーク・タイムズWeekly6月18日号はHarry is a more interesting Prince than Britain deserves (ハリーはイギリスにはもったいないほど面白いプリンス)というやや皮肉っぽい論調で、ハリーの一生をこう描写している。
ハリーは、タブロイド紙といわれる、王室追っかけメディアを訴えている。
The Sunと The Mirrorだ。
部屋に盗聴器を仕掛け、ハリーの個人情報を盗み、報道に利用したと主張しているんだ。
マスコミとの確執は、メーガン妃との結婚でヒートアップする。
メーガンとハリーは、マスコミから人種差別、階級差別、外国人差別を受けた、と主張している。それが不幸な流産につながったとも。
しかし、ニューヨーク・タイムズは「それは王室に嫁ぐ誰もが受ける洗礼だ」と反論する。
ハリー流「悪魔の経営学」
自叙伝スペアに続いて、夫妻はビジネスのビッグヒットを飛ばした。
ネットフリックスで放映されている「ハリー&メーガン」である。
この成功は、昨日やった悪魔の経営学4の応用と言えるだろう。
要するに災い転じて福とする、というトリックだ。
言うまでもないけれども、この本の出版とネトフリのドラマというプロジェクトには、仕掛け人がいる。
フィクサーは、この王室ビジネスを金のなる木ととらえており、夫妻が生きている間、利用しまくるだろう。
使えるネタとしては、でも暴露系しかない。だから、これからあざといことも含め、いろいろな世間の耳目を集めそうな方向性を考えているに違いない。
ニューヨーク・タイムズ記事のタイトル、「英国にはもったいないほどの面白い王子」っていうのは、明らかに皮肉だよ。
暴露しか能がないといいたいんだよ、きっと。被害妄想っていう含みも持たせている気がする。
さあ、これからどうするハリー夫妻。
悪魔の経営学は、世間に悪魔と思わせないで、悪魔的な一手を打つことを持って最上とする。
どうだろう、ウィリアムと電撃和解の絵は。
平凡すぎるかぁ。
キミの悪魔的な頭脳で考えてくれたまえ。
もう週末明日で終わりだね。
暑いからキミたちも気をつけてね。
野呂 一郎
清和大学教授