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粟島大会成功が証明した、新潟経済のドライバー(牽引力)としての新潟プロレス
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:新潟プロレス粟島ツアーの概要。新潟プロレスがなぜ粟島大会を成功させたかの理由。プロレス団体が経済ドライバーとして機能するための法則。プロレス団体という可能性。
経済とはなにか
経済とは動かすことです。経済効果とは、経済的な価値のあるものを、動かすことです。
実はあらゆるものに、経済的な価値があります。
自然、モノ、人、あらゆる存在に経済的な価値があるのです。
しかし、それを動かさないと、だめです。
つまりその価値を伝えて、認めさせて、使ってもらい、愛でてもらうことによって経済価値、経済効果が生まれるのです。
新潟には、経済価値のあるものは、たあくさんあるけれど、多くが経済価値を生んでいるとは言えません。(写真は「新潟に杉と男は育たない」の俗説)
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素晴らしいものがたくさんあるのに、それに経済価値を産ませることにかけては、新潟はまったくの後進国、と言えましょう。
プロレスがもたらす特異で異常な経済効果
そうです、その理由は、新潟の人がよく自虐する「新潟人は宣伝が下手だから」なのです。
しかし、この悪しき常識は、この10年間で変わろうとしています。新潟プロレスが出てきたからです。
新潟プロレスがなぜ、新潟経済を動かし、経済価値をもたらす存在なのか。
それは今回新潟プロレスが行った新潟プロレス粟島(あわしま)プロレス観光ツアーが物語っています。以下URLは新潟日報の記事。
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粟島浦小・中学校の体育館にリングが設けられ、村民らを含め約100人が観戦しました。
もちろんこれは経済価値といえます。
加えて、25名の参加者がバス、汽船という交通機関を利用し、粟島という新潟が誇る観光資源を堪能し、お土産などを買い求めたのです。
結果として、新潟の人も知る人ぞ知る存在だった粟島を、経済価値のある観光地としてアピールすることに成功したのです。
今回の新潟プロレス粟島ツアーがもたらした最も大きな経済効果は、イベント前、イベント中、イベント後という3段階の宣伝効果です。
イベント前は一ヶ月前から、新潟プロレスがこの催しをPRします。それを聞きつけたマスコミ各社がラジオ、テレビでこのイベントを取り上げてくれます。
試合当日は今回は実現しませんでしたが、ネット中継やストリーミング配信などもできるし、試合自体が大きな経済活動です。
イベント後も、新潟プロレスはイベントの報告を、さまざまなSNS媒体で行います。メディアもイベントの後日談を含めて番組にまとめてくれます。
今はファンがSNS上で、この3つの局面の全てで情報発信もしてくれます。
もちろん、新潟プロレスが主催しなくても、粟島ワンデートリップなどと銘打ち、旅行ツアーをすればいいじゃないか、そういう意見もあるはずです。
なぜ、新潟プロレスがワンランク上の経済効果をもたらすのか
でも、今回の粟島ツアーの成功がもたらしたものは、ケタが違う。新潟プロレス以外でもたらされたであろう経済効果とは、比べ物にならない、そう申し上げたいのです。
そこには、新潟経済のドライバー(牽引役)たる新潟プロレスの面目躍如がありました。
他のプロレス団体では、ダメだったのです。新潟プロレスだからこそ、地域を動かし、地域経済を動かせたのです。
本当の地域に根付いたプロレスが生む”シンパシー”のチカラ
もちろん、プロレスを嫌いな人もいると思います。
でも、プロレスは力道山が日本にプロレスをもたらして以来70年間、日本の津々浦々まで根付いた大衆芸能なのです。
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それも普通の芸能じゃなく、笑いあり、楽しさあり、興奮あり、感動ありの、スポーツや芸能を超えた、いやそこまで言っちゃいけないか、ええぃめんどくさい言っちゃいますよ、「和製肉体のブロードウェイ」の大活劇です。
肉体絵巻を堪能できる、稀有な独特なイベントがプロレスなのです。
新潟プロレスは、力道山以来のオーソドックスなプロレスを展開していますから、老若男女が楽しめます。
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だから、メディアも喜んで取り上げてくれ、新潟内外の話題になり、そしてもちろん、全国のプロレスファンにすぐにイベントの内容が広がります。
でも、新潟プロレスでなければ、それはなしえませんでした。
それは新潟プロレスが地域に密着した、新潟人による新潟の、新潟人のためのプロレス団体だからです。
経済は人が動くこと、人を動かすことです。
新潟の純粋なプロレス団体ということで、関係各位がシンパシーと、共感と、郷土愛を感じ、動いたのです。
今回、粟島という固有名詞は、相当広まり、イメージアップになったと思いますよ。
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どうです、あらゆるものが新潟プロレスと触れたその瞬間に、経済価値が認められ、コラボすることにより、実利、つまり経済価値が生まれるのです。
ちょっと言いすぎかな。😁
でもホントのことだよ。
プロレス経済を動かすのは知性と教養だ
しかし、何でもかんでも新潟プロレスと組めば、そのものに経済価値が生まれるわけではありません。そこに必要なのは、新潟プロレス側に求められるある要素、です。
それは、知性と教養です。
その定義はあえてここではしませんが、下の本のように聞くことが知性、ということもそのとおりだと思います。
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たとえば、旅行エージェントが、粟島側が今回こうした企画を新潟プロレスに持っていくとします。そこでは当然、ビジネスの話になるわけです。
ビジネスとは信頼です。
ビジネスの相手を信頼させる決め手は、知性と教養、です。
知性と教養がなければ、今の時代ビジネスができないからです。
もちろん、あらゆるビジネスに根本的に必要なのは信頼ですが、正直で誠実だけでは、現代において経済性を生むことはできません。
知性と教養がないと、応用ができないからです。
経済とは不確実性のことです。どんな不測の事態が起こるかわかりません。
その時に人の意思決定を支えるのが、知性と教養なのです。
しかし、知性と教養は誰にでもたやすく身につけることはできず、経験や洞察に加え継続的な勉強が必要です。
残念ながら、まだ世の中の一部にプロレスを白眼視する向きがあります。しかし、こうした偏見をいともたやすくぶち破るのが、交渉相手のプロレスラーに知性と教養があることなのです。
新潟プロレスが10周年を迎えた背景には、さまざまなビジネスを成功させてきた積み重ねがあります。
プロレス団体同士のビジネスは、プロレス村の独自の文化で、阿吽の呼吸で成功することもあるでしょう。
しかし、一般企業とのビジネスでは、知性と教養がなければ、信用してもらえません。知性と教養とはつまるところ、人間というものに対する理解、です。
新潟プロレスのシマ重野が、どういう人間か、もう語らずともおわかりですね。
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ついでにいうと、これは一流プロレスラーの共通項なのですが、数々の精神的、肉体的修羅場をくぐってきたことから来る、”人間的な頼もしさ”、みたいなものを持っていて、プロレスを嫌いだった人が会った瞬間笑顔を向けられ、そのレスラーの大ファンになることは珍しくありません。それはプロレスラーしか持ち得ない知性と教養も超えた”魅力”なのかもしれず、経済効果とやらの正体はその”催眠効果”なのかもしれません。
目的と使命のないプロレス団体は経済価値をもたらすことができない
もう一つ言えば、新潟プロレスにはっきりした目的、使命が存在することです。
今日NHKのハワイ真珠湾攻撃の特集番組を見ました。そこである陸軍の幹部がこんなことを言っていました。
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「戦争の目的を大東亜共栄圏の確立でなくて、もっと説得力のあるものにすべきだった」。「崇高な万人が理解できる目標がなければ、人は動かない」というのです。
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なるほどな、と思いました。
新潟プロレス会長の乙川敏彦(おとかわ・としひこ)ははっきりと、「社会貢献する存在であること」と新潟プロレスの目的、使命を明らかにしています。さる10月17日に行われたサクラの植樹は、その使命を形にしたと言えるでしょう。
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無私の精神、社会奉仕の精神と実行がある団体を応援しない企業はないし、それが社会に受け入れられる信用につながることは、もちろんのことです。
新潟プロレス10周年が意味するもの
今日の話をまとめると、新潟プロレスは新潟経済の成長ドライバーであること、そしてそのために必要なものは、知性、教養、そして使命感であるということです。
プロレス団体だから、経済効果を生み出すことができる、とは限りません。
皆様のおかげで10周年を迎えた新潟プロレスですが、経済効果を生み出せる、社会にお役に立てる「経済成長ドライバー」としての新潟プロレスに発展したのではないか、そう考えるのです。
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そして、新潟プロレスの成功は、新しい社会におけるプロレスの存在意義を世間に知らしめた、そう言えるのではないでしょうか。
野呂一郎
新潟プロレスアドバイザー/清和大学教授