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ラジオはプロレスだ。
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:プロレスの本質とは何か。それは変化に対応する知性である。
ラジオでわかったプロレスの本質
みんな誤解をしているんだよね。プロレスを。
筋書きがあって、打ち合わせして、演者であるプロレスラーがそのとおりに演じる、そう思っている。
違うんだよ。
僕はそれを身をもってわかったんだ、きのうラジオに出演して。
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プロレス、やっちゃったんだ、きのうの番組で。
打ち合わせ、やったんだよ、こんなふうに番組進行しますよ、ってさ。
それは当たり前の話だよね。
番組ってそういうものだから。
企画があって、狙いがあり、それが番組というものだから。
でも、僕はそれを完全に破っちゃったんだよ。
だって、そもそも脚本通りにやるなんて、面白くないだろ。
プロレスだってそうなんだよな、確かに試合前に打ち合わせがあり、勝敗が前もって決まっているプロレスの試合もあるかもしれない。
しかし、仮にそんなことがあったとしても、その通りにレスラーはやれるだろうか。
無理だよ。
DDT遠藤の失神事件が物語るもの
例えば、技が効きすぎて相手が伸びてしまったような場合。
実際にこのあいだのノアvsDDTのタッグマッチで、それは起こった。
ノアの中嶋勝彦選手の張り手で、DDTの遠藤哲哉選手が脳震盪を起こし、試合続行不可能になってしまったんだ。
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どうしようもできないだろ。仮にその後の筋書きがあったとしてもだ。
ラジオもそうなんだよ。
パーソナリティが、前フリを間違えてしまう。セリフを忘れる。
ゲストの僕は、それにうまく合わせなくてはならない。
アントニオ猪木の話をすることになっていたんだよ。でもなぜか、女子プロの話になって、今をときめくスターダムの話題になった。
打ち合わせにはない流れだ。
エースの岩谷麻優から、女子プロレスの歴史の話になり、全女黄金時代のブル様の話題に飛んだ。
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空気がそうさせたんだ。
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出演者3人の「番組を面白くしたい」という集合的無意識とでも言うべきものが、そういう流れにしたんだ。
プロレスもそうなんだよ。
いいレスラーであればあるほど、予定調和を嫌う。
出たとこ勝負、様々な変化に対応し、自分で作ったゲームプランをしばしば無視する。
対戦相手も一流だと、そこに「試合を面白くしたい」という共犯意識が働き、テレパシーで同調し、誰も、いや当事者のレスラーたちでさえ予測ができない流れになる。
選手は観客の熱気や期待の濃淡を感じながら、それにいちいち応えつつ、勝利への道筋を模索する。
これが名勝負を生むんだ。
武藤敬司の得意技に、ドラゴンスクリューという技がある。
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元祖は炎の飛龍・藤波辰巳だが、相手の片足を抱き寄せてしっかりつかんで、一回転させて投げ飛ばすワザだ。(個人的には相手の足を破壊する危険な技で禁止すべきと思う)
ワザを掛けられた方は、足の根元から引きちぎられるような痛みで悶絶するだけだ。
ある試合の流れで、武藤敬司の腹に相手の頭が乗っかった、両足はロープにかかったままだ。
武藤は閃いた、「この首を一回転させてひねってやれ。」
いわばドラゴンスクリューの首版。
かけられた相手は、受けたこともない衝撃で心身ともに大きなダメージを負ったようだ。
武藤としてはワザのレパートリーが増え、観客に驚きと新しい興奮を与え、武藤の「試合という芸術品」の価値をあげた。
僕がいいたかったのは、ラジオであれプロレスであれ、脚本通りに演じるのは二流、一流は変化に対応することで、新しい価値を創造する、ということだ。
もちろん、超一流プロレスラーの変化への対応を、僕が出来たなどと言うつもりはない。
でも、ああ、こういうことか、という実感を持つことはできた。
ラジオもリスナーという観客がいて、ライブで勝負するならば、プロレスと全く同じ構図だ。
いい文章とは自分を裏切る文章
noteを書いているキミ、前もって今日はこう書こうと決めていたはずだ。
でもいざ書いてみると、まったく違う内容になっている。
それでいいんだ。
キミは無意識の働きかけで、それに動かされて書いただけなんだ。
いわば、自動書記。
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キミが書いたものだけれど、キミが書いたんじゃなく、キミの潜在意識、いや守護霊が書いたのかもしれない。
いずれにせよ、キミの作品は、あらかじめキミが考えたシナリオを越え、よりクリエイティブで面白いものになった。
僕も身をもって体験したよ。
あらためて、世間の奴らに「プロレスは予定調和だろ」なんて言わせないよ。
そんなことを思った、昨日のラジオ経験だった。
あすもまたラジオで感じたことを書きたい。
今日も最後まで読んでくれて、ありがとう。
じゃあ、また明日会おう。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー