スポーツにおける「観せ方」の研究~ウナギ・サヤカvs江頭に学ぶ。
この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:見せ方、いや観せ方こそ経営学、だ。しかしそれは全体の構成あってこそ。全体を通してのリズム、強弱も観せることにつながる。しかし、観せるほうがエンタテイメントのつもりでも、見るほうが白ける場合もある。結局観せ方とは「アドリブ」であって、武藤敬司に学ぶほうが早いかも。
どう見せたら学生に伝わるか
今日のスポーツマネジメントの講義は、「スポーツにおける観せ方の研究」と題して行いました。
何を講義するのか、よりも「どう観せるか」のほうがはるかに僕にとっては重要です。
今日びは、講義を聞いてもらう、ではなくて、観てもらう、だからです。(見てじゃなくて観て、ですね)
だから、動画も、パワポも、実演もたくさん使います。
それでも学生は観てくれず、スマホに見入っていることも多々あるのですが。
そういうときには僕は、「お前らはだまされているんだ!」と声を上げます。
「スマホ企業に、だ。スマホには中毒性がふんだんに盛られてるんだって、
人間は動くものが好きで、それもアルゴリズムでキミの好きなジャンルしか映さないからな。
それでおまえらはスマホに夢中で、俺がどんな面白いことしたってこっち向いてくれないってわけだ。やってられるか!(と帽子を取って投げ捨てる演技をする(笑)」
まあ、それはそれとして(笑)
どう観せるか、は申し上げたように、オーディエンス(聴衆)次第なんですよね。
初めての人か、知り合いか、学生か、他大学の学生か、若者か、お年寄りか、noteの読者か、などで観せ方は変わります。
また、予定した観せ方がうまく行かなかった場合に備えて、二の矢三の矢も用意しておく必要もあります。
それよりも大事なのは、アドリブ、つまり今起きている変化に柔軟に対応できることです。
ここを説明するときには、僕はいつも武藤敬司のビデオを用意して学生に見せるんです。
ドラゴンスクリューをかけようとして、相手の膝の代わりに首をひねり上げて、別の新ワザを結果的に生み出したシーンです。
プロレスにシナリオがあると信じている学生も、これには納得した模様。
講義の構成で「観せる」
どう観せるか、とは、全体の構成を考えることです。
こんな感じです。
目的:スポーツがどんどん商業主義の方向に行っていることをわからせる。
方法論:スポーツがより観せる方向に行っていることを観せる
展開:
1.五輪女子レスリング→現代女子プロレス
2.新日本プロレス→WWEアメリカンプロレス
3.伝統派空手→防具付空手→極真カラテ→芦原空手
インパクトのリズム:弱→最強→弱→強
観せるための出し物:ウナギ・サヤカ&ダンプ松本
見せ方は全体性、緩急とリズムだ
現代スポーツにおける観せ方で、最も上手かつ示唆的なのは、女子プロレスのウナギ・サヤカ、です。
ウナギ・サヤカと江頭2:50の絡みを、講義の観せるメインに置く。
だからインパクトは、最初講義の流れの説明の弱→つまらない観せ方の例としての女子レスリングを続けこれも弱→これと対象的なダイナマイト的なインパクトを「ウナギvs江頭」でぶつける。これは最強。
二番目のインパクトは、極真カラテ。
ノックアウトシーンをたたみかける。(強)
本来ならば、ウナギ・サヤカを最後に持ってきて、講義のメインイベントとすべきだが、どうも今日は聴衆の温まり具合が最初っから弱い。
よって、プランAのウナギ最後メインを急遽やめて、プランBでウナギを序盤に持ってきて爆発させた。
これが講義の全体図&見せ方、です。
プロレスはスポーツの歴史の必然だった!
ウナギが一番ウケると思ったんだけれど、以外にダンプ松本vs長与千種の「敗者髪切りデスマッチ」に人気が集中。
プラン通りにはならず。
僕の解説は、次のセリフで締めました。これも見せ方の一つかな。
野呂 一郎
清和大学教授